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さあ皆さん、ヤーコンの栽培を始めましょう [ヤーコンを栽培しよう!]

 “ヤーコンおやじのブログ”へようこそ
 (2016年2月9日改定、以降毎年微修正。最終修正2023年3月21日)
 このブログのファーストページにつき、栽培開始時期の5月まではトップに出るよう、投稿日付を最新のものに頻繁に更新します。

 さあ皆さん、ヤーコンの栽培を始めましょう
 ヤーコンにぞっこん惚れ込んでいる小生です。DSCN0233.JPG
 そんなことからヤーコン専門のブログを立ててし
まいました。
 うちでの栽培は約100平方メートル。
(ただし、近年順次縮小し、2019年からは約70平方メートル)

 晩秋には人の背丈ほどに生長します。
 収穫した芋は家族では食べ切れませんから、多く
を当店(薬屋)のお客様に差し上げています。
 ヤーコン芋は、オリゴ糖がたっぷりで整腸作用が
抜群ですし、葉っぱは高血糖改善に高い効果がある、すぐれものの健康野菜です。

(写真は2013年11月24日にうちの畑で土を
退けて撮影)
(品種は「アンデスの雪」で芋の表皮は薄茶色)

 農地がある方、農地を借りられる方には、ぜひ栽培してほしいです。
 ヤーコンの苗づくりは3月下旬から。温暖地ではゴールデンウイーク以降に、遅くとも5月末には畑に定植します。収穫は霜が降りる頃から。
 今年初めてヤーコンの栽培に挑戦なさる方や、毎年イマイチのヤーコン芋しか採れないと不満をお持ちの方など、このブログを参考にして、より美味しいヤーコン芋をよりたくさん収穫なさってください。

 ヤーコンを栽培するに当って、まず考えねばならないのは「品種選び」です。
 次の事項を参考になさってください。          

<ずっと前から栽培している方>
 芋の表面がゴツゴツしていて、ひび割れができるものが多いのではないでしょうか。これは、在来種(ペルーA群)です。
 在来種もいろいろあるようですが、肉質や糖度はたいてい次のようです。
   肉質は淡オレンジ色
   収穫後にオリゴ糖がだんだん分解してきて、甘味が増す
 ゴツゴツ感やひび割れが気にならず、この甘味がいいと思われる方は、これの栽培をお続けください。不満がある方は、下記の新品種に挑戦なさってください。

<最近栽培を始められた方>
 品種を知って買われた方は、ご自分の栽培品種をご存知ですが、ホームセンターなどで苗を買われた方は品種名をご存じない方が多いです。
 値段が高い苗(300円前後)は新品種名の札が付いており、安い苗(100円強)で品種名の札が付いてないものは、在来種(ペルーA群)のことが多そうです。
 あなたが栽培されている品種は何でしょうか。知っておかれると良いです。
 在来種は先に説明しましたが、新品種であれば次のような特徴があります。

[ 2006年頃から苗が出回った新品種3種類 ]
アンデスの雪 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
       肉質は白色で、甘味が少なく淡白な味
       保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない
       保存性は「アンデスの乙女」より良い

サラダオトメ 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
       肉質は黄白色で、甘味が少なく淡白な味
       保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない

サラダオカメ 表面がゴツゴツしていて外観が悪い
       肉質はオレンジ色で、最初から甘味がけっこうある
       でも、オリゴ糖の含有量は他の新品種と同程度ある

[ 2014年頃から苗が出回った新品種 ]
アンデスの乙女 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
        肉質は黄白色で、甘味が少なく淡白な味
        (「アンデスの雪」より若干甘味がある)
        芋の表皮の色は、他の新品種とは違って赤紫色
        (ただし、数日すると酸化して黒っぽくなります。)
        保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない
        保存性は「アンデスの雪」より悪い
        (水分が抜けて、中身がレンコン様の巣が入るようになる)

(2015年11月22日に収穫後水洗いした姿)
 (上:アンデスの雪。下:アンデスの乙女)
DSCN0441.JPG
(2015年は豊作で、手にしているのはアンデスの乙女。一番大きそうな10個を計量したら1個平均700gありました。)
DSCN0442.JPG

 上記及び次の段落を参考にして幾品種か栽培され、味の好みを考慮に入れながら、地域や土壌に合ったものを見つけ出してください。
 ちなみに、小生が栽培しているのは「アンデスの雪」と「アンデスの乙女」が大半で、在来種(ペルーA群)をです。
 全国的にまだまだ在来種が多いようですが、「アンデスの雪」が主流を占めつつあるようで、2番目がサラダオトメのようです。「アンデスの乙女」は未知数。

<ヤーコン栽培の適地は、夏に涼しい所>
 アンデス高地の原産で、平地で栽培されるようになって日が浅く、品種改良もまだ違う気候への適応までは行っていません。
 よって、中山間地、東北、北海道が栽培適地となります。
 当地岐阜(濃尾平野の奥:海抜10m)は、真夏の猛暑にさらされ、連日35度を超す猛暑日が何日も続くことがあり、気候の上では最も条件が悪い所です。
 それでも、ヤーコンが猛暑でダメージを受けないよう、あれこれ工夫し、近年、最適地の少なくとも5割の収量を上げられる(100㎡で300kg)ことが多いです。
 ところで、ヤーコンは品種改良されたとはいえ、まだまだ原種のたくましさを持っており、生育環境を自ら学習し、2、3年経てばはっきりと環境適応してくれます。

 小生の工夫より、こちらの方が大きいと思われ、新規に栽培に取り組まれた方で初年度の収量が少なくてもあきらめず、2年3年と栽培を繰り返されれば、自ずと収量が上がってきますので、ご期待ください。ただし、初栽培は、初年度に大収穫ということもありますし、天候にも大きく左右されるのは、野菜全般に言えることです。

 参考までに、小生がこれまでに栽培した品種について記しておきます。
 本格的に栽培を始めたのが2000年で在来種の「ペルーA群」です。密植したがために、夏の終わりにアブラムシが大発生して収量が落ちたり、秋に畝の湿り気が多すぎて種芋部が大きくなり食用部の成育が落ちたりしました。
 2005年には、懇意にしていただいているヤーコン博士:渡辺最昭さんから新品種「アンデスの雪」の種芋を分けていただき、試験栽培しました。この年は、けっこうな猛暑になったにもかかわらず、予想外に収量が多かったです。翌年には「ペルーA群」との栽培比較を行い、収量、品質とも圧倒的に「アンデスの雪」が良かったですから、2007年からは栽培品種を「アンデスの雪」を主力に切り替えました。
 2006年に別の新品種「サラダオトメ」の苗を10株ほど購入して栽培したところ、湿り気が多い土壌と猛暑の連続というダブルの悪環境にさらされ、真夏に根腐れしたようで、全部枯れてしまって、種芋も取れず、栽培をあきらめました。
 2013年には、「アンデスの雪」の芋に表皮がゴリゴリしたもの(果肉に繊維質が多い)が目立ってきたので、更新を図ろうと考えて種芋を購入し栽培したところ、今まで栽培していた「アンデスの雪」の半分の収穫しか上がらず、粗悪な芋も目立ちました。これもきっと暑さのせいしょう。
 また、同年、「アンデスの乙女」の苗を4株購入したのですが、1株は枯れ、残り3株も息絶え絶えで、やっと生き残っただけで、食用部の収量はごくわずかでした。でも、種芋部はまずまず成育してくれ、翌年の試験栽培に十分足りました。
 2014年以降、「アンデスの雪」「アンデスの乙女」「在来種」の比較試験栽培を行っていますが、一長一短があって、2つの新品種を半々、在来種を少々で栽培しています。
 なお、だんだん「アンデスの雪」の芋に表皮がゴリゴリしたものが目立ってきたので、再び更新を図ろうと考えて2017年春に種芋を購入し、従前・更新、半々で栽培するも、収獲してみたところ従前・更新に差がなく、がっかりしているところです。でも、やはり、これは夏の猛暑ダメージの影響が大きいと思われ、さほど猛暑にならなかった年は良品が多くなる傾向にあります。

<苗の育て方、栽培法、保存法など> 
 ヤーコン栽培の方法は、一言で言えば里芋とほぼ同じで、簡単なものです。
 その概要は次のページに記しています。
 (クリック)→ ヤーコン栽培年間スケジュール(新版)
 詳細は、左サイドバーの各カテゴリーをクリックしてご覧になってください。
 そして、高収量をあげるには、第一に牛糞堆肥を十分に入れ込むことで、この方法ならずっと連作しても収量は落ちませんし、多く入れ込めば、それだけ多く収量が上がるようです。なお、逆に無肥料栽培にしたらどうなるか、2018年から全面的に実験を開始することにしています。
 ところで、当地は前述しましたように濃尾平野の奥で、夏の猛暑にさらされる最悪の環境ですから、栽培適地の中山間地や寒冷地の方にはあまり参考にならないと思いますが、ご勘弁ください。
 それでは、みなさんヤーコン栽培に頑張ってください。

<ヤーコンの普及活動>
 ヤーコンの普及に力を入れている小生です。作付け可能限度(約100平方メートル)いっぱいヤーコンを栽培し、2015年から3年間、遠方の方には「アンデスの雪」または「アンデスの乙女」の種芋を無償で送らせていただいていたのですが、その後2年間は猛暑による凶作などがあって、それができませんでした。
 そして、2019年からは、寄る年波に勝てず、畑全体の規模縮小をせざるをえなくなり、ヤーコン栽培も3割減の栽培に縮小することとしました。
 よって、遠方の方への種芋送付が不可能となり、申し訳なく思っております。
 ただし、苗づくりのほうは、当面、必要量の10倍程度はできそうですので、取りに来ていただける方には、ポット苗を無償で差し上げられます。ただし、2022年からは種苗法の規制がかかり、登録品種は無償であっても譲渡できなくなりました。
(2023年4月29日撮影)
IMG_0346.JPG
 お渡しできるのは次の期間です。
<2024年の場合>
 4月23日(火)~5月3日(金)<土・日・月曜日は除きます(当店定休日)>
 当方の所在地は、当店のホームページをご覧になってください。
  https://ph-miyake.jimdofree.com/店舗紹介/

 お渡しできる数量は、お一人10ポット程度までとさせていただきますが、あらかじめメールかお電話していただければ、数量増の相談に応じます。
 メール ph-miyake@asahi.email.ne.jp
 電 話  058-246-7970
 ( 電話は、火曜日~金曜日、9時半~18時に掛けていただけると有り難いです。)

 なお、組織的に栽培に取り組もうとお考えのグループの方々には、種芋なりポット苗を可能な限りお渡しし、うちの畑を見ていただくなど、いろいろお世話させていただく所存ですので、いつでもけっこうですから、遠慮なくご相談ください。
 岐阜県羽島郡岐南町三宅5-39 三宅和豊(薬屋経営「三宅薬品」)
 メール ph-miyake@asahi.email.ne.jp
 電 話  058-246-7970

コメント(4) 
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コメント 4

江崎清明

アンデスの雪・アンデスの乙女を10株づつ欲しいのですが大丈夫ですか?
by 江崎清明 (2024-03-29 19:04) 

どろんこ

江崎清明様、
お近くであればご来店いただき、ご希望どおり差し上げます。
遠方となれば、今芽出し中の種イモを着払いで送らせていただきます。
メールください。
 ph-miyake@asahi.email.ne.jp
by どろんこ (2024-03-30 09:18) 

江崎清明

垂井町ですので行けますので ご連絡ください。
by 江崎清明 (2024-03-30 17:45) 

どろんこ

ご希望どおり苗を差し上げます。
4月23日(火)~5月3日(金)<土・日・月曜日は除きます(当店定休日)>に当店・三宅薬品までおこしください。
なお、準備の都合上、前日あたりに電話いただけるとありがたいです。
ご来店をお待ちいたしております。
by どろんこ (2024-03-31 07:12) 

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