SSブログ

ヤーコンの栽培を始めて早20年 [ ヤーコンの普及]

(2016年4月6日投稿)
(2019年2月14日修正)
 アンデス原産、奇跡の健康野菜「ヤーコン」DSCN0233.JPG
 これの栽培を始めたのが1997年で、今年(2016年)で早20年目を迎えました。
 農業は皆一緒ですが、基本的に1年に1回しか栽培実験ができません。ああしたらどうだろう、こうしたらどうだろう、連作したらどうなるだろう、とやっていたら、あっという間に20年が経とうとしています。
 やっと19年目の昨年(2015年)当地に最も適した栽培法が見えてきました。今年は、もう一工夫して、ヤーコンにやさしい環境を創りだしであげ、より良質な芋がより多く収穫できないかと期待しています。
 そして、より多くの方々に栽培していただきたく、地道な啓蒙活動を引き続き展開して参りたいと思っています。
 今年で20年になるのを機に、過去を振り返り、総括しました。かなりの長文ですが、ご拝読いただけたら幸いです。

<第1期:在来種ペルーA群での栽培>
 ヤーコンとの出会いは、健康食品「ヤーコン茶」を発売した全薬工業から1997年にヤーコンのポット苗をいただいたのが最初です。
 3年間、手探りで試験栽培した後、ヤーコンの素晴らしさを実感し、2000年に34㎡、その後は約100㎡で本格的に栽培を始めましたが、栽培品種は在来種のペルーA群でして、芋のひび割れが多く、調理が面倒でした。また、甘味がけっこうあって生食には最適でしょうが、調理するとなると炒め物はまずまず美味しく食べられるものの、煮物(特におでん)にはあまり適していませんでした。
 本格栽培を始めた2000年には、ヤーコン栽培の先駆者でヤーコン加工食品に力を入れておられる“ヤーコン博士”渡辺最昭さん(光井ヘルプ㈱社長) を山口県に訪ね、栽培法などをご伝授いただき、また氏の手による著「奇跡の健康野菜ヤーコン」から栽培法を学んで行うも、やはりその土地土地で土壌や気象条件が大きく違いますから、当地(濃尾平野の奥:沖積層、海抜10m)では、お盆過ぎに大量にアブラムシが湧いたり、収穫量も思いのほか上がりませんでした。
 これは、第一に当地が真夏に日本有数の猛暑となり、ヤーコンにとって最悪の気象条件であること、第二に収穫量を上げんと欲張って株間・畝幅を狭くしすぎたことが原因していたことを、何年かして知ったところです。
 また、連作するより輪作のほうがいいですから、輪作を続けたところ、ヤーコンの跡作にトマトを作付けしたら実が色付く直前に全部枯れてしまったり、ナスが不作になったり、それも3、4年は続くという予想外の障害も発生しました。

<第2期:新品種の導入>
 2005年に新品種「ンデスの雪」の試験栽培を行い、ペルーA群と比較したところ、新品種はひび割れも少なく、収量も多いことが分かり、2007年には全面的に作付け品種を変えました。
 そして、2007年からはヤーコン専用畑で連作することにしました。その頃には、株間・畝幅ともに大きく取ればアブラムシの発生もわずかになり、かつ、1株当たりの収量が増えて単位面積当たりの収穫量は変わらないことも判明しました。
 なお、肥料は牛糞堆肥が最適と聞いており、これをメインにしてその他有機肥料を足して栽培しています。連作途中で、納屋で見つけた30年以上前の化学肥料(窒素・リンのみ)をメインにしたところ、やはり不作となりました。
 さらに、2013年に最新品種「アンデスの乙女」の試験栽培を行い、2015年には「アンデスの雪」と半々に栽培し、もう1、2年半々で栽培した後、どちらかに絞ろうかと思っています。今のところ「アンデスの乙女」が良さそうな気がしています。

<第3期:自然農法の導入>
 2015年からは自然農法を取り入れようと試み、雑草との共生を図ることにしました。でも、雑草の繁茂が凄まじく、6月に1回、草刈機でざっと草刈しました。梅雨明け前に再び雑草に負けそうになりましたが、梅雨明け後に猛暑になるも雑草が倒れてヤーコンに十分に日が当たるようになって成育に支障がなくなり、かつ、地面が熱くならずヤーコンの根が熱射から守られたのでしょう、大豊作になりました。
 2016年も雑草を繁茂させて栽培し、また、昨年随分と繁茂した雑草が堆肥化するでしょうから、昨年の畝間に植付けすれば肥料も減らせるのでないかと思っています。

<ヤーコン栽培の普及活動>(2019年から縮小)
 本格的に栽培を始めた翌年(2001年)からは、苗をたくさん作り、近隣の農家の方に配ったり、全薬工業を通して東海北陸の薬局・薬店さんに配送していただき、農業をしていられるお客様などに配布していただいてきました。
 これを毎年続ける一方で、2010年に立ち上げたブログや2014年に立ち上げたホームページで栽培を呼びかけ、2015年からは積極的に種芋を全国各地へ無償進呈してきました。
 そうしたところ、グループで大掛かりに栽培したいと希望される地区がでてきたりして、微力ながらけっこう普及できたのではないかと自己満足しているところです。
 しかしながら、寄る年波には勝てず、2019年からは栽培規模の大幅な縮小、それによる全国各地への種芋の送付ができなくなり、取りに来ていただける方にのみポット苗を進呈することしかできなくなりました。
 申し訳なく思っておりますが、体が続くかぎり、細々ではありますが、普及活動を続けていく所存です。

コメント(0) 
共通テーマ:健康

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。