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ヤーコン芋はオリゴ糖の塊=家畜の飼料か? [ヤーコンの特性]

(2010年12月31日)
 猪が食べず、猿が食べるヤーコン芋。山間地では、芋は動物の食害が多いようですが、不思議なことに、芋を探し当てる名人の猪が見向きもしないようです。
 これは、ヤーコン芋には澱粉が全く含まれないことによると考えられます。澱粉を最も好む動物は、ヒトとイノシシ・ブタです。優れた澱粉消化酵素を大量に分泌できる能力を持っていることからも、それは推し量られます。
 じゃあ、猿がヤーコン芋をなぜ食べるのか。よく分かりませんが、サルとヒトは近い種で、食性が似ていて、消化器官が類似していますから、「はらぐあい」が悪くなれば、整腸剤になるものを、自然界の中から、動物的勘によって探し出したのではないでしょうか。近年は、自然が荒らされて、猿たちも、おかしなものを食べざるを得なくなっていることでしょうからね。

 ヒトがヤーコン芋を食べるようになったのは、随分と昔からのことです。ただし、アンデスの原住民だけでした。それも、ジャガイモなどとは違って、主食にすることはなかったようで、副食なり、果物として、少々つまんでいるだけのようです。
 そのヤーコンが、特に日本で広まったのは、栄養源としてではなく、猿と同様に、「はらぐあい」を良くするためです。
 ヤーコン芋を毎日のように食べていると、確実に「はらぐあい」が良くなります。
 大量のウンチが出ます。それも、臭くないウンチが。
 その整腸作用は、どんな整腸剤よりも優れていると言えましょう。

 学者は、直ぐに、その効果の要因は何かを付き止めてくれます。
 それは、「オリゴ糖(正確には、フラクトオリゴ糖)」だと。(オリゴ糖に関する詳細については、左サイドバーの「オリゴ糖の働き」をクリックしてご覧ください。)
 でも、私は、そればかりではないと思っています。市販されている「オリゴ糖」を飲んだ場合と、ヤーコン芋を食べたときとでは、効き目が違うと思われるからです。(私一人だけの臨床データですから、根拠にはなりませんが。)
 ヤーコン芋に含まれている何だか分からない物質、それも幾つかの物質との相乗効果で、大きな効き目が出るのではないでしょうか。
 これは、漢方の世界で常識になっていることなのですが、ある生薬、例えば「甘草」には消炎作用が大きいのですが、主成分のグリチルリチン酸にその大きな作用が認められるものの、抽出・精製されたグリチルリチン酸より、「甘草」の抽出混合物の方が明らかに効き目が良いからです。

 飽食時代を満喫し、油脂や動物性たんぱく質をあまりにも過剰に摂取している現代の日本人です。「はらぐあい」がおかしくなっているのは、間違いないことです。
 「私はそんなことありません。毎朝、快適なお通じがあります。」と、おっしゃる方であっても、ウンチをした後、トイレットペーパーなしでは済まないでしょう。自然界においては、その動物に最適な食生活が保たれている場合は、排便の後、肛門は全然汚れていません。スパッと便が切れて、肛門の回りに便が付かないのです。
 ヒトも、本来はそうあるべきです。でも、誰一人そうは参らない。
 やはり、大なり小なり「はらぐあい」が良くないのです。

 この「はらぐあい」、少し高級な言葉を用いれば「腸内環境」、これを改善する必要性が、近年、声高に叫ばれています。あらゆる生活習慣病にとどまらず、アトピーや難病の治療にもなることが、だんだん分かってきたからです。

 ヒトは、ヒト本体のみでは生きていけません。様々なヒト常在菌と共生することによって、はじめて円滑な生命活動が可能となるのです。
 特に、腸内においては、主役は、ヒトではなく、「腸内善玉菌」です。食べ物の消化吸収、免疫力の向上、有用物質の生成など、極めて大きな働きをしてくれています。
 この腸内善玉菌を増やし、活性化してくれるのが、オリゴ糖であり、食物繊維であり、発酵食品であるのです。

 これらの中で、近年注目されるようになったのが、オリゴ糖です。市販されるようになって久しいですが、健康食品としては、あまり人気がないようです。当店(薬屋)でもこれを置いておいたのですが、全く売れず、廃止品にしちゃいました。
(これは返品が利かない商品でしたので、先に述べましたように、自分で臨床データ<ヤーコン芋との比較>を取ることにしたところです。)

 現在、オリゴ糖の主な利用は家畜用でして、これを家畜の離乳食に配合することで下痢を防止し、丈夫な家畜を育成するために重宝されているようです。また、ブラジルでは、離乳後も餌としてオリゴ糖を与え続けると生育が良くなることから、安く手に入るヤーコン芋を家畜に食べさせるようになりました。こうして、ヤーコン芋の最大の産地は、今やブラジルになっています。配合飼料ばかり食わされて「はらぐあい」が悪くなっている日本の家畜にもぜひ食べさせたいものです。
 なお、ヤーコン芋をペットフードに混ぜて犬や猫に食べさせると、健康が保たれ、便の臭いが少なくなるとのことです。当然のことでしょうね。

 なかなか広がりを見せないヤーコン栽培ですが、家畜の配合飼料やペットフードへの配合という形で、あるとき一気に栽培が進む可能性が大ですが、日本では人件費がかかり、ブラジルからの輸入になってしまうかもしれませんね。
 
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