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ネズミのごちそうはヤーコン芋 [よもやま話、雑感]

(2016年1月14日)
 自宅のあちこちにネズミが出没しだした。
 最初は自宅の天井裏であったのが、倉庫に移り、そして今は納屋だ。
 倉庫に出没したのを発見したのは、玄米の米袋。年末のことである。3袋とも下部が齧られ、玄米をほんの少し食べられていた。被害は軽微だが、このままでは玄米がこぼれ出るからガムテープで補修しておいた。
 その後で発見したのは、長期保存してある芋類。里芋の親芋、ジャガイモ、山芋が所々齧られていた。なお、里芋の小芋には被害はなかった。
 そこで、玄米、芋類の全部を納屋に避難させた。なお、その後、正月には納屋に収穫したばかりのヤーコン芋を置いた。
 ところが、納屋にもネズミが出没した。その被害状況は次のとおり。

 ・玄米 ガムテープで補修しておいたからか被害なし
 ・里芋の小芋 ダンボール箱に蓋をして置いたから被害なし
 ・里芋の親芋 無被害
 ・ジャガイモ 無被害
 ・山芋 2本がほんの少々齧られた。
 ・ヤーコン芋 10日ほどの間に、次々と4本が齧られ、大きなくぼみができた。

 こうしてみると、ネズミがもっとも好む食べ物はヤーコン芋ということになる。
 これは、ネズミの消化器官はヒトにたいへん類似しているというから、彼らにとって好物のヤーコン芋は、ヒトと同様に彼らの健康にとてもいいのである。なんせオリゴ糖をたっぷり含み、腸内環境を大改善してくれるのだから。
 ところで、ネズミの駆除対策をしていないわけではない。
 強烈な毒餌を天井裏と倉庫に、まず置いた。倉庫でどれだけか食ったから1匹は退治できたであろう。天井裏からも姿を消した。
 その後、毒餌を納屋に移し、山芋やヤーコン芋の齧ったくぼみにも毒餌を置いておいたが、蹴散らかされるだけで食ってはいそうにない。
 そこで、粘着板を2個置いたのだが、1週間経っても掛かっていない。

 今日(1月14日)、正月に掘ったヤーコン芋もすっかり乾いたから、これ以上の乾燥を防ぐために、今朝、カゴに新聞紙を敷き、その中にヤーコン芋を入れて、新聞紙を被せておいた。その上に齧られたヤーコンを乗せ、齧ったくぼみに毒餌を置いたのだが、果たして毒餌食ってくれるか。あまり期待できないだろう。
 ところで、ヤーコン芋以外の被害は軽微であり、ヤーコン芋を食うようになった以前は、これでは彼らの胃袋を満たすことは不可能であろうと思われた。
 彼らは何を食ってきたのであろうか。
 これは、後から発見したのだが、倉庫に置いてある牛糞堆肥であった。
 積み上げてある牛糞堆肥の最下部の袋が2箇所食い破られ、大きなくぼみができていた。うちで使っている牛糞堆肥は、牛糞・敷藁orおがくず・バーク(樹木の皮)を完全発酵させて作られる発酵生成物であるから、これまた彼らの体にとてもいい発酵食品である。
 オリゴ糖たっぷりのヤーコン芋を食ったり、発酵食品を食ったりと、彼らネズミどもは、この上ない健康食材ばかり腹いっぱい、いや、被害の程度からすると腹八分で止めているようである。
 ヒトも少しは彼らネズミを見習わねばいかんですね。具沢山の味噌汁、それも屑ヤーコンを多く入れたもの、これを毎食とることでしょうなあ。
 こうして、ネズミに一つ教えられたところです。
 2015年産のヤーコン芋は史上最大の豊作となったから、君たちネズミ君にもヤーコン芋をおすそ分けしてやるよ。
 でも貴重な山芋はもう食わんでくれよな。今度、山芋を食ったら、強烈な毒餌、これはかなり高額だが、もう1箱ばら撒いて、かつ、粘着板を倍に増やしてやるからな。覚悟しておけ!

 と、ここまで書き綴ってきたのですが、人間なんて実に勝手な生き物ですね。自分に都合のいい物差しだけでネズミを褒めたり叱ったり殺そうとしたりするのですから。
 
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出る出る大量のウンチが、ヤーコン芋を食べると [よもやま話、雑感]

別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」に投稿した記事ですが、このブログに関係が深いですので、ここに再掲することとします。
(2018年12月26日)
 一昨日、昨日と朝の排便はまずますであった。でも、少々物足りない。もう少し出ても良さそうなものを、といった感じであった。
 さて、当店連休の2日目の昨晩、といっても、いつもより随分と早く午後5時から晩酌を始めた。店が休みの日はたいてい午後6時から晩飯となるが、そうは長く仕事をしていたくないから、早めに切り上げたところである。
 まだ今晩の料理は出来ておらず、佃煮や昨日の残り物を酒の肴にしながら、焼酎の湯割りをチビチビとやる。そのなかで一番量多く食べたのが、ヤーコン芋のきんぴら(ヤーコン芋だけの炒め物)である。これがテーブルに乗ることは多い。便秘がちの女房がお通じが良くなるからと、健康食として食べるからである。
 ヤーコン芋は、例年11月末に初収穫し、3月中旬に収穫を終え、その後は冷蔵庫保管して夏まで食材として使う。初物はとてもおいしく感ずるが、そのうち飽きがきて、小生がヤーコン芋のきんぴらを食べるのは、一口二口となる。1か月経って、もうその状態になっている。
 ところが、昨日はメインディッシュが出来上がるまで小1時間あったから、随分とヤーコン芋を食べた。
 そうしたところ、今朝、目が覚めたら、いつもよりうんと強く便意を催す。身支度をそそくさと行い、7時過ぎに排便。ちゃんとたっぷり出たが、そのときはヤーコン芋を夕べ食べたなんてことは思い出しもしなかった。
 さてさて、開店準備で動き回った後、9時半頃に再び便意を催す。過去に、便秘ぎみで、朝、少ししか排便できなかったときには、こうしたこともあったが、“今日はどうしたことか?”である。たぶん少ししか出ないだろうと思いながらトイレに入ると、いつもと変わらぬほどの量の排便をみた。
 “どういうことだ、これは?!”とビックリ。
 よくよく考えてみると、昨晩、ヤーコン芋のきんぴらを随分とたくさん食べた、これが原因して大量ウンチとなった、そうに違いない。女房が言うように、そのとおりだ。
 というようなわけで、あらためてヤーコン芋の素晴らしさを実感したところです。
 お時間がありましたら、別立て下記ブログをご覧ください。
 第1の栄養素はオリゴ糖と考えるべき。ヤーコン芋にご注目を。 
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随筆「ヤーコンの詩」 [ 随筆「ヤーコンの詩」]

(2011年にアメブロに投稿しましたが、このブログで再掲します。)
 随筆「ヤーコンの詩」を書いたのは2006年3月のことでして、このときには、「まえがき」を付けていませんでした。でも、ブログに載せるとなると、5年も前のことですから、注釈が必要になりますし、「あとがき」を先に読もうと思っても、本をパラパラッと、めくるようにはまいりませんので、新たに付け加えることにしました。

(まえがき)
 当時は、まだ新品種が一般に出回っておらず、在来種のペルー系(原種に近いもの)での栽培でしたが、前年に出たばかりの新品種2種を試験的に導入して複数の品種の栽培に着手したばかりの年でした。
 ところで、新品種のうち「サラダおとめ」は、夏に枯らしてしまったのですが、「アンデスの雪」は、小生に素晴らしい収穫をもたらせてくれました。
 よって、2006年度以降の作付けは「アンデスの雪」とし、お世話になった在来種は、種を絶やさないために細々と栽培を続けているだけです。その在来種は、当初は2畝、その後は2株としていたのですが、2010年の夏の猛暑で枯らせてしまい、とうとう絶やしてしまいました。在来種には申し訳ないと思っています。

 この随筆は、数年にわたって在来種の栽培に悪戦苦闘していた頃の農業日誌を元にしつつ、新品種「アンデスの雪」への切り替えを決めたときの小生の心の動きを綴ったものです。
 植物も原種に近いものとなると、品種改良された野菜とは違って、その地の環境に適応しようと毎年様々な努力をしてくれているのが分かります。時々畑へ行って、じっくり観察を続けていたら、それが分かりました。小生にとっては、初めての体験で、驚くと同時に感動しました。
 こうしたことから、その感動を随筆として著すこととしたものです。

 なお、予備知識として、ヤーコンはどんな植物か、簡単に紹介しておきましょう。
 南米アンデスが生まれ故郷のキク科の多年草で、赤道直下の高地で栽培されています。よって、年中快適な気候のもとで成育していましたから、気温が氷点下になると凍てつきますし、高温多湿に弱いです。こうしたことから、日本では、中山間地や東北・北海道が栽培適地となっていまして、当地、濃尾平野は、彼らにとっては、かなり過酷な環境と言えます。
 ヤーコンの葉は血糖値を下げる作用があり、糖尿病の方の健康茶として愛飲されていますし、地下にサツマイモの形の芋を付け、これはオリゴ糖たっぷりで整腸作用が高く、腸内環境の改善に最適なものです。
 この芋は芽吹くことはなく、この芋の上部にできる根塊が芽吹きますから、この根塊を冬季に凍みないようにして保存し、種芋にします。
 参考までに、うちの作付けは、約100㎡、100株弱です。



随筆「ヤーコンの詩」



私には名前がない。
いや、名前は私には馴染まない。
私の知る限り、仲間は全員が一卵性双生児と考えられる。
なんせ、たくさん芽を吹いた種芋を切り分けて育てられたから。
遺伝子は全員ぴったり一致すると言ってよい。
おまけに、知り合いは私の隣でじっと根を張った数名だけである。
皆、私と言った方がより正しいかもしれない。
私の属する「種」には名前が付けられているようだ。
生き物に「種」が幾つもあることは私も知っている。
私の助けになる「種」もいれば、そうでない輩もいる。
それらの「種」に名前を付けて記憶できたら、多少は便利だろうとは思うが。
まだ、そこまでの必要性を感じていない。
私には無駄な知識に過ぎないといったところだ。

私が知る変わり物の「種」は、やたらと「種」に名前を付けたがるようだ。
さらに、私たちを在来種とか新品種とか品種でも区分けしているらしい。
私は在来種に属するようだ。
しかし、私の感覚器官で判断するに、まだ、品種の相違は分からない。
今年、私の隣の畝に新品種が植えられたようだ。
葉触り、根触りとも、違うと言えば違うが同じと言えば同じだ。
品種改良なるものがどんどん進めば、違いを感ずるようになるかも知れないが。
もっとも、違いが分かってそれでどうだというものでもない。
こんなことを言う私は、よほどの変人だろうか。
私が知る変わり物の「種」には、そう感じるだろう。
私も、その「種」の考えていることはなかなか理解できないから。
くだらないことばかり喋って申し訳ありません。
ここらで、私はどんな生き物か、私が感じるままにお話ししましょう。

私には、目がある。
全身でお日様の光をはっきり感じる。
ただし、明暗だけである。物の形、色は全く分からない。
他の生き物を取って食うわけではないから、これで十分である。
逃げようと思っても全く動けないから、外敵の姿が見えても何の役にも立たないし。
自慢じゃないが、色盲でも色彩感覚は備えている。
私が付けた花を見ろよ。
数は少ないが所々に咲いているだろ。
どうだ、綺麗だろ。可憐で可愛いだろ。
自分では、どんな花が咲いているのか分からないが自己満足している。
羽が生えた小動物が大喜びで飛んで来て、ほんの少しある密や花粉を食べていく。
私たちは魅惑的な姿を見事に作り上げる、類いまれなる能力を持っているのだ。
もっとも、小動物がすぐに飛び去って行っちゃうから見せかけだけかもしれないが。

私には、鼻がある。
美味しい空気とそうでない空気の差が分かる。
また、私の周りにいる生き物が炭酸同化作用で吐き出す息の酸素臭が分かる。
根の呼吸で吐き出す炭酸ガスの臭いもはっきり区別できる。
さらに、花の臭いは当然、嗅ぎ分けることができる。
羽が生えた小動物に匂いで魅了させる必要があるからだ。
もっとも、私は、子孫を芋で残すように進化してきた。
いまや、花の意味がほとんどなくなってしまった。
小さな形ばかりの花を付けたり付けなかったり。
受粉しても種がわずかしかできない。
通常の自然条件では、発芽は無理なほどに退化させてしまった。
私が知る変わり物の「種」は、だから品種改良が難しいと、ぼやいているようだ。
そんなこと私の知ったことか。

私には、皮膚感覚がある。
寒暑は元より、湿度にはとても鋭敏である。
私の隣にいる生き物が延ばしてきた根の感触、風で触れ合う葉の感触が分かる。
この感触は、同じ「種」のものでも、違う「種」のものでも嫌なものである。
小動物にかじられたり、油を塗りたくられたりすると痛みや不快感も覚える。
もっと嫌なのが四六時中感じっ放しの根っこの絡み合いである。
お互いに根っこを擦り合って、邪魔しっからかし、陣取り合戦を繰り広げる。
ストレスが溜まります。成長にも大きく影響します。
一方、モグモグ動く大小の地下動物に接触したときは感謝している。
彼らが私の根をググッと持ち上げ、時には傷付けたりする。
しかし、後から新鮮な空気がスーッと入ってきて生きた心地がする。

私には耳がある。
そよ風の音は心地好い。
クラシック音楽を聞いて育つ「種」もあると聞く。
私たちにも聞かせてくれたら、おおいにストレスの解消になるだろう。
たまに通りかかる大型動物も音を発することがある。
私が知る変わり物の「種」の出す音だ。
大抵は耳障りな音で、黙って動けと言いたくなるが、心地好いこともたまにある。
最近、この変わり物の「種」が何か呟いているようにも感じるようになった。
私に向かって呟いているようでもあり、少々気になる。
いずれ、聞き耳を立ててよく聞いてみようと思うが、今は聞き流しておこう。
何分、異言語を理解するのは至難の技だから。

私には、鋭敏な味覚感覚がある。
これは、自慢できる。
ビッシリ張り巡らせた毛根で、あらゆる物質の味の違いを感知できる。
私たちの三大栄養素、窒素、リン、カリウムは、一際うまい。
そして、ナトリウム、塩素、カルシウム、マグネシウム、その他の微量ミネラル。
皆、その味が分かる。
最近は有機肥料が多くもらえる傾向にあり、誠にありがたいものだ。
有機肥料は適量の窒素補給に絶好だ。他の栄養素も多い。
また、有機肥料でミネラルバランスが整い、良い成育環境が整う。
病気にも強くなったし、本来のズングリムックリの丈夫な姿に成長できそうだ。
時々、化成肥料なるものがいただけるが、あれには閉口する。
窒素、リン、カリウムの味が強すぎる。舌が麻痺する。火傷する。

悲しいかな、私には口がない。
喋りたいことは山ほどあるが喋れない。
全身で表現する以外に、発言の方法がないのだ。
引き続き、私のお話を聞いてください。
全身で表現していますから少々疲れますが、何とか感じ取ってください。

私は茎の直ぐ下に種芋を作ります。
その下に、動物が食べられる食用芋を作ります。
決して美味い芋ではないが、蓼食う虫も好き好き。それを好む動物もいます。
どんな動物か知らないが、先程登場した変わり物の「種」が目の色を変えて喜ぶ。
まだまだ認知度が低くて残念ですが、大いに食べて欲しいと願っています。
その場で腐らせるのは何とももったいない。
私たちの芋が、なぜ、こんな形になっているか、説明しましょう。
食用芋を食べようとする動物は、大きな穴を掘るしかない。
まずくて食えない種芋を掘り出し、齧ってくれれば儲けもの。
吐き出した種芋を周りに散らかしてくれること間違いなし。
翌年、何人もの子孫が広範囲に成育してくれる可能性が大である。
大抵の動物は、足で種芋を蹴飛ばし、その下の食用芋を手に入れる。
種芋をできるだけ強く蹴って、より遠くへ移動させてほしいものである。
子孫がより広く生活領域を広げられるから。
そして、翌年、種芋から再び芽を出し、葉を茂らせ、そして芋を作る。
遥か昔のご先祖様から、つい最近の親までが等しくこのような経験をしてきた。
私の記憶に、はっきりと残っておる。
私たちは、このようにして相も変らぬ環境で一年の寿命を毎年繰り返してきた。
しかし、近年、私の成育環境がガラッと変わった。
天変地異とはこのことだ。大変革が起こった。
神のなせる技か。
私たちに素晴らしい平和と子孫の大繁栄が訪れたのだ。
ここからは私の作った種芋に話をさせましょう。


神の手

僕は、種芋君です。
茎を切り取られ、食用芋をちぎられ、地表に放り出されちゃった。
怖いよう。
生き延びるには、あまりにも過酷な環境だよ。
いやだあ、お日様が射してきた。
ドンドン乾いちゃう。干からびていっちゃうよう。
待ちに待った恵みの雨。
よかったあ、生きた心地がするよ。
ワーッ、大雨になってくれた。
土が流れてきた。半分、土に埋まった。嬉しーい。
これで、そのうち根が張れる。生き延びられるよ。

僕には、このような記憶がはっきりと刻み込まれています。
でも、今は、なぜか全く違うのです。
地表に放り出され、不安を感じるのはせいぜい半日程度です。
その後、隣に根を張っていた種芋君たちと一緒に積み重ねられます。
タップリと土をかけられ、その上に雨避けも張られるようです。
親父の話では、ご先祖様が育った環境は多少空気が薄いとのこと。
気温の年変化が少なく、湿度も程々で、とっても快適だったと言います。
でも、近年は、突然、空気が濃くなり、気温の年変化が毎年著しいと言います。
冬は、経験したことのないほどに非常に過酷な寒さになると言っています。
気温が零度C以下に下がると、僕たちは必ず凍死してしまいます。
でも、土と覆いのお陰で春まで零度C以下に下がることがなくなりました。
少しばかり寒いですが、凍死もせず、干からびもせず、命を繋ぐことができます。
啓蟄の頃には、既に僕たちの体内で芽吹く準備が整っています。
ここからが、凄いのです。
最高に嬉しいのです。極楽のような世界が始まるのです。
お彼岸の頃、僕たちは、突然、お日様の元に放り出されます。
さあ、芽吹かなくっちゃ、と思っていると、神の手が現れるのです。
僕たちは一卵性双生児で20人ぐらいが固まっています。
このままですと、そのうちの少数しか芽吹くことができません。
芽吹いたとしても1株として成長できるだけです。
神の手は、鋭利な刃物で僕たちをバラバラに切り分けてくれます。
傷口から黴菌が入らないように日に干してくれます。
親切な神様は、切り口に藁灰を振りかけて、傷の手当をしてくださいます。
藁灰は、根を張ったときに直ぐに最高のご馳走、ミネラルに大変身してくれます。
次に、ふわふわの苗床に僕たちをそっと置いてくれ、適量の土をかけてくれます。
そして、毎日、定時に適量の雨を降らせてくれます。
冷え込みのきついときは覆いをかけてくれます。
至れり尽くせりの環境で芽吹き、そして根を張ることができます。
ちょっと窮屈になりかけると、再び、神の手が大きく動きます。
少し根をやられますが、苗床から掘り起こされ、どこかへ運ばれます。
広々としたふわふわの土地に植え込まれます。
好きなだけ根を張ることができます。何せ、他の生き物の根が全くないのですから。
ご馳走もタップリいただけます。
既に、吸収しやすいように窒素やミネラルがたっぷり土にブレンドされています。
神の手が下準備をし、我々の栄養を撒いてくれているのです。
ドンドン根を張り、グングン茎を伸ばし、葉をたっぷり付ける。
他の生き物もドンドン根を張り、僕の根に絡んできました。うっとおしいなあ。
再び、神の手。いやな根がスーッと引き抜かれ、自分の根だけで場所を独占。
気持ちいいー。
好きなだけ大きく成長させていただけるようです。
僕の記憶の中には根を張るのは並大抵のことではないとあります。
すでに、他の生き物の根がビッシリ張り巡らされ、その隙間を縫うしかない。
激しい生存競争の世界が地下で繰り広げられると、ご先祖様が言っておられます。
地表でもそうです。他の生き物の葉がうっそうと生い茂る。
少しでも上に伸び、葉を広げ、お日様の日光を受けなければ成長できない。
それが、根であれ、葉であれ、完全に自分だけで独占できる。
これが極楽、天国でなくて何であろう。
やはり、神は存在するのだ。僕は、神によって救われたのだ。

随分と暖かくなってきた。快適だ。
依然として、根は独占的に好きなだけ張れる。
葉も思うように茂らせることができる。
小動物が地下でうごめき、快適な環境をより素晴らしいものにしてくれる。
小動物が音を立てて葉っぱにとまり、話しかけたりもしてくれる。
何を言っているのか良く分からないことが多いが、お互いに生き物。
仲良くやろう。僕は最高に幸せだが、君はどうかね。
あっ、行っちまったか。
今日は雨だ。根を伸ばすのにちょうど良いお湿りだ。
おっ。僕と同じ仲間の根だ。この感触は。
僕の方にどんどん伸びてくる。右も、左も。
なるほど、両隣に仲間が植えられていたのか。
匂いで、多少その気配は感じていたがよろしく頼む。
雨が上がって風が出てきたな。心地好い風だ。
おっ。葉っぱが擦れ合ったぞ。両隣の仲間のだ。
上下共々よろしく頼む。
最近は気候の変化が激しいと聞いていたが、どんどん暑くなるな。
お日様もますます高く昇るようになった。
日光がタップリ当たって光合成もドンドン進む。
伸びて茂る。茂って、また伸びる。
あらぬ方向からも根が伸びてきた。両隣の畝にも仲間がいたのか。
ちょっと隣が邪魔になってきたな。
四方八方から根も絡むし、葉もひどく重なり合う。

滅茶苦茶暑いわ。うだってしまう。
そこら中、仲間の葉っぱだらけで風も通らん。蒸すなあ。地獄だ。
幸い、高畝にしてもらっているから根腐りだけは避けられそうだが。
これで、粘土質の土だと持たんだろうなあ。
やっと日が傾きかけたか。一息付けるか。
たまらん。西日はきつい。じりじり来るわ。
もろに西日を受ける葉っぱが枯れていく。火傷だ。
あれ、葉っぱの裏側が油でベトベトし出した。
油を出す小動物め。こら、お前。そんなに油を塗りたくるな。
暑苦しい上に息ができんようになるわ。窒息するわ。どっかへ行け。
お盆が過ぎて暑さもだいぶ和らいできた。
油を出す小動物もいつしか自然消滅した。
でも、まだまだ燦燦と日光が降り注ぐ。
茎をもうちょっと伸ばし、葉をもうちょっと生い茂らせよう。
畑に植え付けられてから、ずーと成長しっ放しで随分と図体がでかくなったな。
栄養過剰で大きな分厚い葉っぱが重みとなって茎がしなう。
両隣はもちろん、隣の畝の仲間とももつれ合う。
おまけに肥満児になってしまった。
もうこれ以上大きくなる必要はないな。

日増しに日が短くなってきた。暑さもどこかへ行ってしまった。
こんな経験もご先祖様はしていない。
異常気象が恒常化したのだろうか。
でも、今時分はとても快適な気候だ。
そろそろ子孫を残さなきゃいかん時期だ。種芋を作らなきゃ。
肥満の葉っぱから栄養をドンドン地下へ送ろう。
土を押し退け押し退け、グングン根塊が膨れてきたな。
子孫の成長が楽しみだ。
そうそう、大動物のために食用芋も作らなきゃ。
葉っぱの栄養を送れ、送れ。
伸びる、伸びる。
幸い、土が軟らかいから、どれだけでも大きく作れるわ。
朝晩ちょっと寒くなったが、昼間は十分暖かい。
時折の雨。作業が加速する。
どこまで芋が大きくなるのやら。葉っぱの肥満が大いに役立った。
ドンドン種芋も食用芋も大きくなる。こんな楽しいことはない。
僕の記憶にないほどまでに成長したぞ。
それにしても朝晩は冷えるなあ。日もどんどん短くなるし。寒むー。
忘れてた。花も付けなきゃ。
便秘か。いきんでみても花芽に栄養が行かん。
う、うーん。やっと1つ、2つ、花芽が膨らんだ。
これで花を咲かせることができる。
何の役にも立たんようだが、遠い先祖様は立派な花をたくさん付けていたようだ。
そんな訳で今では形だけの小さなものだが、つい、花を作ってしまう。
それにしてもこの冷え込みはどうだ。
寒くてかなわん。
葉っぱも枯れ始めた。芋の成長も止まった。
老い先短いな。
振り返ってみるに、実にいい人生だったなあ。堪能できたよ。
今日は風がないな。空気も異常に乾いている。
今夜は今までに経験したことのない、ひどい冷え込みになりそう。
案の定、深々と冷えてきた。
空気の冷える音が聞こえるぞ。土の冷える音も聞こえるぞ。
ピシッ、パシッ。こんな音は初めての経験だ。
葉っぱが痛い。茎が痛い。
地上に飛び出している僕の作った種芋も痛がっている。
あーっ、記憶が薄れて行くー。今日が最後の日になるのかな。
少し物悲しいが・・・
記憶がとぎれとぎれになってきた。
あれー、痛みが和らいできたぞ。
凄くいい気分。
恍惚とはこのことか。
真っ暗闇が優しく僕を抱き抱えてくれる。
空を仰いでみよう。
どこまでも、どこまでも、果てしなく暗闇が続く。
あっ、光った。星だ。3つ、明るい星が斜めに並んでいる。
少し離れてもっと明るい星が4つ、優しく3ツ星を取り囲んでいる。
何て、綺麗な眺めだ。皆、キラキラ輝いている。
いつ迄も、ずーと、眺めていたい。夜明けよ、待て。時間よ、止まれ。
あー、記憶が、薄らぐ。
空・が・白・ん・で・来・た。
星・が・消・え・て・い・く。
と・・・お・・・と・・・お・・・、消・・・え・・・た・・・あ。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・。


神への反乱 

痛てぇ。親父の亡骸が俺の上に落っこちて来やがった。
親父もとうとう昇天したか。
うわ言で星が見えるとか何とか言ってたが。
歳を食うと駄目だな。恍惚の人だ。
おかしなことを口走りやがって。
完全に凍て付いていやがる。
夕べの冷え込みで全身凍り付き、俺の上に崩れてきやがったのだ。
俺も凍傷を受けてあちこち疼くわ。
俺の一卵性双生児のほとんどは地中にあって幸い凍傷は免れたが。
俺だけ地上に顔を出した種芋だ。
貧乏くじを引いたわ。
今晩はどうなる。また冷え込むのか。
たまんねえな。俺まで死んじまう。
親父のように我が世の春を楽しみてえ。
何とかしてくれ。
あれ、親父の亡骸がどっかへ運ばれて行っちゃった。
ドサッ、ドサッ。土を掛けられちゃったぜ。
パサッ、パサッ。何だ。何だ。臭いからすると籾殻か。籾殻を乗せやがったな。
シュルシュル。これまた何だ。ビニールシートとか言うやつか。
何でえ、俺たちを封鎖するのか。
禁固刑にしやがって。
俺たちが何んか悪さでもしたって言うのか。
この糞馬鹿野郎が。誰だ。こんなことをしやがるのは。
そう言やあ、親父が、神の手、神の手と何遍も言ってた記憶があるな。
親父は新興宗教にはまっていやがったのと違うか。
とんでもねえことをしやがる悪神だ。
クッソウ、俺の力じゃ、どうにもなりゃしねえ。

真冬は結構寒かったが何とかしのげた。
雨や雪が降っても水が全然浸み込まんかったから。ほっとしたよ。
春が来たか。温くうなった。ちょっと暑いぜ。
ビニールシートとか言うやつを外してくれ。息苦しーい。
そろそろ芽を吹きたいが、これじゃ地上に芽を出すのはしんどいぞ。
弱ったなあ。
オッ、土を撥ね退けていやがる。助かる。芽が出せる。
アレレッ、掘り起こしやがる。何すんだ。
種芋と食用芋と切り離すし、俺たちを箱に入れてどこかへ運んで行く。
オッ、神の手だ。俺たちをバラバラに切り離し始めたぞ。
そうか、そうか、神が食用芋を畑で貯蔵していたのか。
えろう気をもませやがって。
終身刑にされて種芋のまま微生物に食い尽くされるかと思ったぜ。
後は分かった。親父から聞いておる。
ちゃんと手をかけろよ。俺たちを肥満体に育ててくれ。
そうすりゃ、どでかい食用芋を作ってやるぜ。

どうしてこんなに糞暑いのだ。おまけに蒸しやがる。雨もよう降る。
俺たちのご先祖様は年中気温の変化が少なく、乾いた空気で快適この上なし。
そんな環境で育ったと言い伝えがある。
それがどうだ、ここは。
あーあー、隣の仲間が根腐されしちゃって。とうとう死んじまった。
何だ、何だ。葉っぱの裏にちっこい虫がいっぱい這いずりやがる。
油でベトベトだぁ。葉っぱ全部に広がりやがった。窒息するー。
せっかく大きくした葉っぱが台無しだ。
たまらんなあ。いつまでこんな過酷な環境で暮らさないかんのか。
神の仕業に違いない。
この悪神め。一生恨んでやる。
やっと暑さも峠を越し涼しくなったなあ。
とにかく種芋を大きく育てなきゃ、いかん。全精力を注ぎ込もう。
食用芋なんて放っとけ。地中深くに少しだけ作りゃええ。
どんな動物か知らんが、深く掘って種芋を遠くへ蹴飛ばしてくれよなあ。
そう願っておる。
俺の子孫がここより少しはましな環境で生き延びられるだろう。
俺は損な年回りだなあ。親父は極楽生活。俺は地獄。
運命と思って、ここは子孫のために一苦労するしかないか。

何とか少ない葉っぱで頑張って種芋は俺が誕生したときの大きさ以上に成長した。
幸い秋の長雨で種芋の成長に好都合だったし。
食用芋はウーンと深い所に細長いのを少しだけ縦に伸ばしておいてやった。
準備万端相整った。
さあ、掘ってくれ。深ーく掘らんと食用芋にあり着けんぞ。
後はどんな動物が来てくれるのか。運に任せるしかない。
オッ、来やがった。
さあ、掘れ。蹴飛ばせ。
こんな環境からおさらばじゃ。
何だ、えろう静かに持ち上げやがるな。
しげしげと俺を眺める視線を感ずるぞ。
どうなってるんだ。
ゆっくりと種芋と食用芋の切り離しにかかったな。
また、しげしげと俺を眺めていやがる。
なんでえ、なんでえ。持ち上げたんなら、早く放り投げろ。
どうして蹴飛ばさん。どうして放り投げん。
あれー、お前、泣いてるんか。ピチャと滴がかかったぞ。
そうか、俺に食用芋がほとんど付いてなくて悲しいのか。
ご愁傷様。俺が悪いんじゃねえぞ。環境が悪いんだ。
さあ、早く、遠くへ放ってくれ。
いつまで眺めていても、らちが開かないよ。
なあ、お前。来年まで待てや。
いい環境なら、来年、たんと食用芋を作ってやるからさあ。
いつ迄も泣くんじゃねえよ。
未練がましいったら、ありゃしねえ。
早く放れってば。
やっと諦めが着いたか。
おいおい、何でここに置いておく。ここは駄目だと言ったろ。
この馬鹿野郎が。
参った、参った。来年もここかあ。
腐るなあ。この運の悪さ。
まだ秋だ。今日は天気がいい。ジリジリと暑くなって来たぞ。
いくら大きな種芋の塊とはいえ、放っといたら干からびるぞ。
おまけに、このままじゃ、真冬が越せそうにもないし。
俺はこの冬にご臨終か。
種芋のままでも恍惚が楽しめるのかなあ。
星が見えると親父が言ったが俺も死ぬ前にいっぺん星を見てえが無理だろうな。
日が少し傾きかけたな。
アレッ、親父から聞いたことと同じことを始めやがった。
何だ、何だ。神の手が種芋の冬越しをさせてくれるのか。
ちょっと待てよ。これは神の手じゃねえぞ。
さっきまで泣いていた動物だ。
器用な動物もいるもんだなあ。神の手と全く同じことをする。
待てよ、待てよ。頭が混乱してきた。
良く整理して考えてみよう。

分かった。
親父が神の手、神の手と騒いでいたのは、全部この動物のことよ。
そうだよ。間違いない。
種芋を切ったり、植えたり、いろいろしてくれた。
あの時、かすかな臭いがしたのを思い出した。全部同じ臭いだ。
この動物が神だ。
いや、神はいない。おかしな動物が全部やってくれていたのだ。
この動物が考えていることも分かったぜ。
来年も、ここで俺たちを栽培し、食用芋を収穫したがってるんだ。
劣悪環境だが来年はきっと何か工夫して環境改善に取り組んでくれるに違いない。
俺に声が出せたらなあ。
お前は少々欲が深すぎるんだよ。
畝幅を狭くしすぎだ。お日様が当たらんし、地面も乾かん。密に植えては駄目だよ。
もっともっと、言いたいことが山ほどある。
くやしいが伝えれん。
これからは毎日のように畑へ来てくれ。
俺たちは全身で表現するから感じ取ってくれ。俺たちの望むことを。
俺は、あんたが好きになった。俺たちを守ろうとしてくれているからな。
種芋はそんなにいらんだろうから、食用芋を肥え太らせるように頑張るよ。
冬篭りの間に、どうしたら食用芋を大きくできるか、俺なりに考えておくわ。
これからは、あんたに全面的に頼るしかない。
おっと、あんたでは失礼。いや、失礼いたしました。
あなたの「種」に名前を付けさせていただきます。
霊長類「ヒト」ではいかがでしょうか。
これでは、ちょっと生意気すぎますね。すみません。
以後、「人間様」と呼ばせてください。
人間様、孫末代までずーとご面倒をみてくださいますよう、よろしくお願いします。


植物の家畜化

人間様は家畜とか言う動物を飼っておみえです。
家畜はとっても人間様に従順です。
外敵から守ってくださるし、餌も欠かすことなく与えてくださいます。
加えて、子孫を繁栄させてもくださいます。
極楽のような一生が楽しめるのです。
感謝感激、雨あられ。
ですから、家畜も人間様を神様のように慕っています。
一方、私たち植物には感情がないから家畜化できないと皆さん思っておみえです。
私たち植物を人間様に従順させることはできないとお考えです。
単に品種改良を重ねて利用価値を高めた植物が野菜だと片付けておられます。
これは大間違いです。
私たち植物は、家畜以上に人間様に従順であると断言できます。
私たち植物は、多くの動物の手助けで生きており、そのお礼もきちんとしています。
私たち植物は、動くことができず、厳しい自然環境に身を任せるしかありません。
そんな中で、至れり尽くせりの手助けをしてくださるのは人間様だけです。
そんな人間様に、どうして義理を欠くことなどできましょうや。
私たち植物にも鋭敏な感覚器官があります。
その感覚器官を総動員すれば人間様の意思をはっきりと知ることができるのです。
さらに、これを理解してくださる人間様とは、お話をすることもできるのです。

人間様とお話をさせていただいていると、いろいろ分かってきました。
どうも私たちは遠い遠い大陸から、はるばる運ばれてきたようです。
着いたところは、小さな島国で自然環境が完全に違っています。
ご先祖様がいらっしゃった所は、なんでもアンデスとかいう赤道直下の高地。
空気が少し薄く、陽射しは強いが年中涼しくてさわやか。
一方、この島国はモンスーン気候とか言って、寒暖の差が激しく、酷く蒸します。
どうしたら、すくすく成長し、食用芋をたくさんお作りさせてもらえるのか。
ここへ来て、まだ何年も経っていませんから、試行錯誤の連続です。
人間様も迷っておられるし、私たちとて妙案は直ぐには見付かりません。
でも、食用芋を作るのは私たちですから、私たちがちゃんとしなきゃいけません。
全神経を集中し、食用芋をたくさん作れるよう、毎日毎日考えて工夫しましょう。
人間様もよろしくお願いしますね。
あなただけが頼りですから。
私たちの欲しがる栄養を過不足なく与えてくださいね。
水は適度にお願いしますよ。
病気したり、怪我したときは看病してくださいね。
嬉しいですねえ、人間様は。
私たちの願うことを全部聞いてくださる。
神様みたいです。
大いに甘えさせていただきまーす、人間様。

一番の苦難は真夏の蒸し暑さです。
そこで、人間様も私たちを育てる場所は風通しの良い場所を選んでくださいます。
私たちも工夫しなくてはなりません。
梅雨明けからお盆の頃までが一番蒸し暑くなります。
この1ヶ月弱をいかに乗り切るかです。
梅雨の間は直射日光が弱くて光合成がはかどらず、成長が鈍ります。
今まで、この時期も早く大きくなろうと、懸命に背を伸ばし、葉っぱを付けました。
これがいけなかったのです。
梅雨時は体の成長を休憩させることにしました。
とはいっても、光合成を止めた訳ではありません。
茎を太くし、葉っぱを分厚くすることに専念したのです。
こうすると、梅雨明け後に蒸し暑さが来ても、ある程度はしのげます。
葉っぱが分厚い分、水蒸気を蒸散させやすく、自分の体がゆだるのを防げます。
畝と畝との間の風通しも良く、根っこの根腐れも防げます。
つまるところ、梅雨で余りにも多過ぎる水分をいかに排出するかが鍵です。
そして、梅雨が明けると地面から水分の大蒸発が始まります。
暑さよりも蒸すことにより、体がくたばってきます。
抵抗力がガクンと落ちたところで、アブラムシとかいう小昆虫が大発生します。
葉っぱの裏側で大繁殖し、私たちの呼吸を止めてしまいます。
風通しが悪いと葉っぱの表にも茎にもビッシリ着きます。
これを排除するには私たちの免疫力だけではどうすることもできません。
人間様の農薬噴霧に頼るしかないのです。
そして、脇芽から伸びて畝と畝との間に垂れ下がった小枝を切ってもらいます。
こうすると風通しがよくなり、アブラムシの繁殖を抑えることができます。
でも、大きな枝は切らないでくださいね。
体力がガタンと落ちて、後日の食用芋の成長に影響しますから。
何にしても畝幅をたっぷり取っていただくことが肝腎です。
アブラムシとの戦いはお盆の頃まで続きます。
お盆を迎えるとアブラムシが自然消滅し、土も適度に乾燥してきます。
こんな頃、朝のさわやかさが訪れます。
さあ、遅れを取り戻そう。
幸い、まだまだ陽射しは強く、光合成がはかどります。
一段と背を伸ばし、たっぷり葉っぱを付け、肥え太ろう。
数年間の経験で私たちが身に付けた生活の知恵です。
人間様は、梅雨明け以降の私の成長が悪く、心配される向きもあります。
でも、人間様も、ついに私たちの努力と私の編み出した知恵を理解されました。
人間様にご理解いただき、こんな嬉しいことはありません。
お盆すぎからは食用芋づくりに専念させていただきます。

今年、私たち在来種の畑に新品種「アンデスの雪」が植えられました。
少し遅れて定植されましたので、私たちより遅れて成長していきました。
私たちは今述べましたように、梅雨からお盆の頃までは成長を鈍らせます。
ところが、新品種はこの間も成長を続け、お盆の頃にはほぼ同じ背丈になりました。
ヒヤヒヤしていましたが、アドバイスの方法がなく、ただ見守るしかありません。
幸い、人間様が手厚く介護され、完全なるアブラムシ対策もされました。
また、畝幅をたっぷり大きく取ったり、こまめに溝をさらえたり、湿気対策も万全。
少々ひがみたくなる可愛がりようでした。
彼らもこの夏の蒸し暑さを経験しましたから、来年は私たちの真似をするでしょう。
でも、人間様があまりにも手をかけられましたから、それに頼りっきりになるかも。
その点が心配として残ります。
一方、人間様が別の畑で試験導入された新品種「サラダおとめ」は可愛そうでした。
そこは、私たちの畑以上に湿り気が多く、かつ、風通しの悪い場所です。
梅雨明け後の蒸し暑さで次から次へと根腐れを起こし、全滅してしまいました。
根本的原因は人間様の煩悩です。
苗が高価につき、今年はわずかな本数で種芋をたくさん取ろうと考えたからです。
種芋の成長しやすい湿り気が多い畑を選んで見事に失敗。
何ごとも欲を出しては本質を失います。
全滅しては元も子もないのですから。
人間様もいい経験をなさったことでしょう。
こうして見ると、私たちを取り巻く自然環境はたいそう悪いと言えます。
私たちのご主人、人間様が種や苗を遠方から購入され、ここの畑で育てられます。
初めての年は真夏の蒸し暑さで生死の境をさ迷うほど過酷でした。
種や苗が育てられている遠方の自然環境が羨ましく思えます。
でも、こんな考えは捨てなければいけません。
私たちのご主人、人間様なくして、私たちの子孫の繁栄はないのですから。
金輪際、このような戯言は申しません。
人間様、お許しください。

9月上旬まで私たちは成長し続けます。
この間、全く雨が降らないことがあります。
立ち枯れの恐れがありますが、幸い私たちの畑は湿り気が多くて心配ありません。
注意している点は、一番西の畝は西日が強烈に当たり、葉っぱが焼けます。
ですから、西日が強いと感知したら上への成長を落とします。
そして、葉っぱも分厚くすることで水分蒸散を盛んにし、焼けるのを食い止めます。
こうして、一番西の畝の被害を最小限に食い止めています。
9月中旬からは本格的に種芋、食用芋づくりに入ります。
先程申しましたように食用芋の大成長を頭に置きながら綿密に段取りします。
10月初めには、種芋、食用芋とも小さいながら格好が付いてきます。
問題はここからの天気です。
雨が多いと種芋の成長にブレーキがかかりません。
湿気を嫌う本能がそうさせてしまうのです。
いや、湿気があると私たちの子作り煩悩が強くなると言った方が正解でしょう。
私たちの子孫繁栄を約束してくださる人間様には誠に申し訳なく思っております。
ひたすら秋晴れが続くのを神に祈るのみです。
11月中旬まで食用芋をたくさん大きく成長させようと頑張ります。
人間様も同様な思いで、夏に追肥をなさいます。
化成肥料がてっとり早く、安価ですので盛んに使われます。
確かに効果絶大ですが、ひび割れを起こしてしまいます。
私たちには理解できないのですが、これでは駄目とのことです。
ひび割れしたものは商品価値が全くないとのこと。
食べられる量に変わりはなく、私たちには何のことかさっぱり分かりませんが。

今年も秋の長雨で畑がほとんど湿りっ放しでした。
そのために種芋ばかり成長し、食用芋は大変な不出来でした。
人間様には、誠に申し訳なく思っております。
でも、水捌けの良い所は食用芋をたくさん付けたつもりです。
来年は蒲鉾型の畝づくりなど、水捌けを良くする工夫をなさってくださいね。
それでは、また、来年、よろしくお願いします。
お休みなさい、人間様。


別離

この地へ来て早7年になります。
濃尾平野の奥の方にあり、蒸し暑さでは有名で名古屋と同程度です。
ここへ来る前は山口県光市でした。
平坦部から山間地へ入って直ぐの所で、三方を小山で囲まれた洞にある畑です。
朝日は直ぐに射し、西日は山で遮ってくれ、風通しもまあまあです。
海にも近く、夏の蒸し暑さは当地に比べ、うーんと楽です。
それに比べ、当地はずーと広がる沖積平野で海抜10m。粘土質主体の土壌。
1年目、2年目はとてもきつかったです。
10株のうち、1株は全く芋を付けることができませんでした。
種芋、食用芋ともに出来が悪く、期待を裏切ってしまいました。
観賞用に鉢植えにされたものは、真夏には茎がグターッと曲がってしまいました。
人間様が、慌てて室内に避難させてくれるものの、その連続の毎日。
3年目から何とかしのげるようになり、鉢植えもグターッとならなくなりました。
畑の方も食用芋がまずまずの出来となってきました。
4年目、5年目は夏から秋の降雨がほど良く、大収穫で喜んでいただけました。

7年目の今年も厳しい梅雨明けの時節となりました。
慣れては来たものの、今年も相当の覚悟がいります。
畝幅も大きく取っていただき、どれだけかの助けになります。
去年は夏に雨が多く降り、延々と蒸し暑さが続き、土も湿りっ放し。
そして、台風と秋の長雨。
今までで最悪の年で、食用芋は前年の半分の出来でした。
あんな過酷な自然環境は二度と経験したくないです。
今年は、去年に比べれば少しはましな気候になるだろうと思っていましたが、
全然駄目でした。
去年と同じ。秋の長雨にも閉口しました。
子作り煩悩を必死に抑えながら、食用芋づくりに一生懸命取り組もうとしました。
しかしながら全く駄目でした。
根が呼吸困難になるなど、あまりにも体力不足になってしまいました。
地下最下部に育つ食用芋に十分な栄養を運び込むことができませんでした。
秋が深まりかけた頃、食用芋づくりを放棄せざるを得ない状態になりました。
精神的な病、ノイローゼにかかったのかもしれません。
こんな畑、嫌だ。場所を変えてくれ。
知らず知らず、こんな言葉を発していたのかもしれません。
そして、だだをこね、食用芋を作らなかったのかもしれません。
食用芋の出来は不作の去年のさらに3割減になってしまいました。
申し訳ありませんが、種芋だけはしっかり作ってしまいました。
また、こんなこと考えたくないですが、新品種へのひがみがあったかもしれません。私たち在来種は食用芋のひび割れが7割にも達します。
それに比べ、新品種「アンデスの雪」はひび割れがほとんど発生しません。
人間様にとても重宝されるとのことです。これで商品価値が出たと。
そして、今年、彼らは私たちよりも食用芋を多く付けました。
さぞや、人間様は、新品種「アンデスの雪」にお喜びでしょう。
人間様の手厚い愛護を受けた彼らはとっても幸せものです。
新品種「アンデスの雪」に比べ、私たち在来種は放ったらかしにされました。
隣の畝でしたから十分察知できています。
そんなひがみから、無意識のうちに食用芋づくりを放棄したのかもしれません。
人間様に対し、あまりにも恐ろしいことで、否定したいのですが。
でも、全く有り得ないと言い切る自信もありません。
胸が苦しくなります。
人間様への大いなる裏切り行為です。
人間様を裏切ったらどうなるか。
殺されて当然です。
いや、自ら進んで殺していただくようお願いするしか術がありません。
私たちにとって、裏切り行為は取り返すことが出来ない、最も重い犯罪ですから。

私たちに天罰が訪れようとしています。
新品種「アンデスの雪」は、今年、種芋もたくさん付けました。
来期の植え付けは間違いなく、新品種「アンデスの雪」になることでしょう。
人間様が、私たちの子孫、在来種の種芋で苗をお作りになることは有り得ません。
私たちの繁栄は今期でプッツリと断たれ、静かに消え去って行く運命です。
自分で撒いた種ですから潔く受け入れなければなりません。
人間様には7年にもわたり長く私たち在来種に過分のご愛護をいただきまして、
衷心よりお礼を申し上げ、これにてお暇させていただきます。
さようなら、人間様。


結び

新品種「アンデスの雪」は、なんと素晴らしいことか。
小生、惚れ込みました。
食用芋にひび割れを起こすことがほんとに少ない。
まれにしかひび割れが無い。在来種と大違い。びっくり。
おまけに在来種より収穫量が5割多かったし。
もっとも栽培本数が少なかったので収穫量比較はあまり意味を持ちませんが。
そして、芋を切ってみると色白でいかにも美味しそう。
これで商品価値がグーンとアップする。
当店のお客様に胸を張ってプレゼントできる。
この芋、体にいいよ。美味しいよ。調理が簡単よ。食べてくださいね。
また、多くの農家の方にもお勧めできる。
当店が毎月発行の新聞、正月号で「アンデスの雪」元年とPRしておいた。
さて、何軒の農家が「アンデスの雪」の苗を取り寄せられるか。
うちの畑の作付けは「アンデスの雪」に100パーセント決まり。
今から今年の収穫が楽しみで、ワクワク、ワクワク。
そして、来年は収穫した「アンデスの雪」の種芋から育てた苗を皆に差し上げよう。
随分先のことだが、きっと皆さん喜んでくださるだろう。
在来種を切り捨て、新品種「アンデスの雪」に全面的に切り替え。
営利目的のヤーコン栽培、「アンデスの雪」。
何の抵抗もなく、無意識に小生の煩悩が働きました。
でも、これでいいのか。かようなことは一切考えもしませんでした。
「アンデスの雪」の収穫から1か月が経ち、在来種の収穫を行いました。
いやになるほど大きく、大きく成長した在来種の種芋。
「こんな種芋、処分に困るなあ。」
「この畑は小さいから堆肥場がないし。」
「みっともないが、隣の休耕田に放って腐らせるか。」

そんなことを考えながら在来種の種芋を手に取って眺めていましたら、ふっと、
「俺って、大変な殺生をしているんと違うか。」
と、小生の心を過ぎりました。
「在来種だって立派なヤーコンだ。生き物だ。」
「今まで俺にどれだけ奉仕してくれたことか。」
「ヒトの健康に何て良い食べ物かを教えてくれた。」
「俺に農業は何て楽しいかを教えてくれた。」
その敬うべき、尊い「生き物」を俺は、今、抹殺しようとしている。
栽培植物が家畜と同じ心を持っていることは既に書物で知っているだろうに。
これは俺を頼ってくれた在来種への大いなる裏切り行為だ。
裏切り行為は取り返すことが出来ない最も重い犯罪だ。
「誠にすまん。詫びる。許せ。」
「僅かばかりで申し訳ないが、毎年2畝程度を作付けさせてもらうよ。」
「細々ながら君たちの子孫を残させていただく。」
「ヤーコンとの出会いも、君たちがいて、はじめてかなったのだから。」
「俺の命が続く限り、共に生きようではないか。」


あとがき
 小生は、今、薬店を経営しています。ヤーコンとの最初の出会いは、全薬工業さんが発売された健康茶「ヤーコン」です。当店でもそれを販売し、ヤーコンの葉が糖尿病にとても良いことを実感しました。そして、平成9年に全薬工業の社員さんからヤーコンの苗を3株いただき、ヤーコンが腸内環境改善にとても良いことも知りました。
 また、平成11年に全薬工業さんから書籍「奇跡の健康野菜ヤーコン」(監修:月橋輝男、茨城大学農学部教授 取材協力:渡辺最昭さん 廣済堂出版)もいただきました。これを契機に、ヤーコンを本格的に栽培しようと考えました。小生のおふくろが熱心に栽培に取り組んでくれ、平成12年秋には2人で、三井ヘルプ㈱社長:渡辺最昭さんを山口県光市に訪ね、長時間にわたって栽培ノウハウをご伝授いただきました。その後も、渡辺最昭さんには、お手紙や電話で栽培の留意点などを教えていただいております。
 毎年、うちの作付けは僅か100㎡程度と小規模ですが、薬屋稼業の傍らヤーコン栽培を楽しませていただいており、小生の生き甲斐にもなっています。
 末筆ながら、ヤーコンとの出会いを作っていただいた全薬工業さんと、小生ごとき取るに足りない者にもお忙しい中懇切丁寧にご指導くださる渡辺最昭さんに、深く感謝申し上げます。また、想像するに極めて難しいと思われるヤーコンの品種改良を見事になさいました元農林省四国農試の中西建夫先生に深く敬意を表します。

   2006年3月
                           永築當果


<参考文献、記事>
・ヤーコン社長の人生日記
 (三井ヘルプ㈱社長、渡辺最昭氏 gooブログより抜粋)
 Vol.26 ヤーコンの新品種に期待ふくらむ
 ヤーコン・・・10年以上の栽培経験から、アンデス生まれの在来種は日本の気候に適応しにくいのではないかとの感想(直感)を持っていました。
 一方では、植物って不思議な力を持っており、年輪を重ねるにつれ、徐々に環境になれ、順応していくようです。1年目よりも、2年目、3年目の方が形の良いものになったという、農家の話を聞きました。
 しかし、ヤーコンの語りかける悲鳴の方が強いと感じます。「僕はアンデス生まれ。日本の暑い夏には閉口するよ。霜は勿論のこと、雪が降ると死んじまう」と。
 アンデス地方は赤道に比較的近いとはいえ、標高1500~2500mの高地に自生してきました。日本のような四季はなく、一年中、秋なのかもしれませんね。

・世界の歴史1 人類の誕生
 (著:今西錦司氏ほか 河出書房新社)
 文明への序曲 植物が人間に歩み寄る(抜粋、一部要旨)
 野生の禾本科植物は、実るとその穀粒がひとりでにパラパラと地に落ちる性質がある。初めの頃は、この穀粒を何かですくい集めていた。でも、待ちきれないときがあるであろう。そんなときは、鎌を用いて穂を刈り集めた。すると、地面に落ちる穀粒がなくなるから、全部食べてしまわないで、翌年の雨季の前に播種する必要が生じてきた。こういうことが繰り返されると、穀粒が熟してパラパラと地に落ちる、という野生植物に備わっていた適応性が無意味なものになってしまう。そこで、いつの間にか穀粒の脱落性が非脱落性に変わっていったのである。
 ここで注意すべきことは、脱落性の野生種の中から、たまたま突然変異で生じた非脱落性のものを見付け出し、それを選択的に栽培することによって意識的に増やしたものでは決してないということである。事実は、脱落性の穀粒も非脱落性の穀粒も同じように穂刈りされ、区別せずに播種されていたにもかかわらず、次第に非脱落性に変わっていったというのだから、これは、むしろ植物の方で自ら進んで変わったのだ、と言った方が正しいのである。
 この非脱落性は、結果においては、人間と栽培植物の相互適応と言って良いかもしれないけれど、ことの起こりは、植物の方から始まった人間への適応だったのである。なお、人間への適応には、人間の営みによって改変を受けた環境・・・いわば人間的環境とも言うべきもの・・・に適応することも含まれる。
 特に、砂漠オアシス地帯の一年生草本の中には、こういった経路を経て栽培されるに至ったものが意外に多く、エンバク、ライムギ、ナタネなどは、そのほんの一例にすぎない。

・内臓が生みだす心
(著:西原克成氏 NHKブックス)
 生命現象と電気現象ほか(抜粋、一部要旨)
 生命現象は、水溶液内における純然たる電子(イオン)の受け渡し、つまり、電気現象の仕組みです。宇宙における最も繊細な電気反応系ですから、当然、生命には、目的も目標もありません。
 リモデリング(新陳代謝=細胞の生まれ変わり)と共役したエネルギー代謝、つまり、水溶性コロイド内での新陳代謝とともにエネルギーの渦が巡るのが生命です。
 本来、無目的に生きるのが生命体ですが、単細胞で生きている原生動物の時代から、一粒の細胞の生命体は、リモデリングに無常の悦びを感ずるように細胞の構造と機能が作られていて、これが次代、次々代へと伝えられ、累代に及ぶように記憶されています。
 そして、特定の栄養物質や酸素・塩類等に対するケモタキシス(化学走行性)をも記憶しています。このケモタキシスとは、好き嫌いという機能、すなわちエネルギーの一つの形です。好き嫌いとは、まさに心のはじまりですから、単細胞生物にも、すでに心があるのです。

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11月に入れば間もなくヤーコン芋の収穫時期になります [ヤーコン芋の収穫]

(2016年11月14日)
 約100平方メートルのヤーコン専用畑。5月8日に6畝(アンデスの雪:3畝、アンデスの乙女:3畝)を作付けし、畝幅約150センチ、株間約70センチ。1畝(約10メートル)13株の栽培です。
 アンデスの雪はアンデスの乙女に先行して既に花が咲きだしており、収穫間もない感がしますが、まだまだ芋は生長中です。
 昨年は異常ともいえる暖かな11月でしたが、今年は昨年ほどのことはないものの平年を上回る温かさが続きそうです。
 畑のヤーコンの葉っぱもまだ青々としていますから、葉っぱで光合成されたブドウ糖や果糖が順次地下の芋に送られ、芋は生長を続けているのです。
 厳しい冷え込みがあって、葉っぱが凍みたりして元気さがなくなれば、もう芋は生長してくれません。そうなってから掘るようにしています。
 もっとも、うちは大量に栽培していますから、どなたかに進呈せねばならないときは10月末から必要な分を掘りますが、早掘りはやはり収穫量が少ないです。

(11月17日追記)
 遠方のお客様からヤーコン茶ほかの商品注文があり、発送するに当りヤーコン芋を進呈しようと、角の1株(いつも高収穫)を掘ってみました。
 計量したら3.3kgとまずまずの成績です。
 葉っぱはまだまだ青々としており、まだまだ芋は生長するでしょうね。
(11月21日撮影:ヤーコン畑全景)
DSCN0482.JPG

(11月21日撮影:アンデスの乙女<茎が全般に赤っぽいです>)
DSCN0484.JPG

(11月21日撮影:アンデスの雪<茎が全般に淡緑色です>)
DSCN0485.JPG

(11月21日撮影:ヤーコンの花。左:アンデスの乙女、右:アンデスの雪)
 微妙に違います。花弁の色は実際はアンデスの乙女のほうが少し濃いです。
DSCN0483.JPG

<今年のヤーコン掘り(予定)>
 たぶん平年並の気温になって、葉っぱの元気さがなくなってくるであろう、当店(薬屋・化粧品店)の連休日(11月27~28日)にまず1畝を掘り、12月1日からの当店セールでお客様にも差し上げようと考えています。この畝はアンデスの雪です。
 12月終わりには第2畝(アンデスの乙女)を掘り、正月セールでお客様にも進呈。
 そのとき、第3畝~第6畝(交互に2品種植栽)の上部を刈り取り、ビニールシートを掛け、刈り取ったヤーコン地上部を乗せ、芋が凍みないように措置しています。
 そして、毎月、月末頃に同様に1畝ずつ掘り出します。なお、3月は2畝を掘り、半分は自家用とし、冷蔵庫保管して秋までいつでも食べられるようにしています。

 ヤーコンの栽培を始めたばかりの方で少量栽培の場合は、「芋の収穫は霜が降りて葉っぱがグンナリしてから」となさってください。里芋栽培の経験のある方は、里芋と一緒の収穫方法、保存方法だな、と考えてくださってよいです。

 今年はさしたる猛暑はなく、夏の日照りもなく、10、11月の多雨もなく、ヤーコン芋にとっては最高の気象条件が整いました。昨年同様に史上最大の収穫になりはしないかと期待しているところです。
 というのは、ヤーコンはアンデス原産で、品種改良されたものであってもまだまだ原種の域を脱しておらず猛暑に弱いです。そして、夏の日照り続きで乾燥すれば水不足で枯れるのは必然です。
 あまり知られていないことですが、食用部の芋の生長が著しい10、11月に多雨となると土壌が湿りがちとなり、食用部の芋の生長が妨げられる反面、種芋部分の肥大が著しくなっちゃいます。
 うちの畑は湿り気がけっこうあり、夏に枯れることはないですが、毎年、種芋部分の肥大がけっこう進みます。そのため畝幅を広く取り、高畝にしているところです。
 来年の栽培の参考となさってください。
 なお、ヤーコン芋の収穫時に捨てることとなる種芋部分は、畑の水はけのいい箇所に積み上げ、土を掛け、シート(肥料の空き袋)で覆っておけば積雪地帯でないかぎり、凍みることはないでしょう。越冬させて、3月中下旬に掘り出し、切り分けて種芋にし、芽吹かせれば苗がたくさん出来上がります。

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2018年産ヤーコン芋の第6回(1畝)最終収獲 [ヤーコン芋の収穫]

(2019年3月18日)
 2018年産ヤーコン掘りの第1回は、地上部がまだ青々していた11月25日に1畝行いましたが、その後、霜が降り、地上部は凍みて枯れ、これで芋の生長はストップ。12月16日に第2回、12月31日に第3回、年が明けた1月30日に第4回、2月25日)に第5回、そして今日(3月18日)に第6回目のヤーコン掘りを行ない、これで全部の収穫が終わりました。
 うちでは、約100平方メートルのヤーコン専用畑で毎年連作しています。
 例年7畝の栽培でしたが、一昨年から前年作付けの畝間を利用しての作付けにし、1畝減らして6畝(畝幅は約150センチ)とし、今年も同様に6畝としました。
 なお、1畝(約10m)に13株(株間約70センチ)の栽培です。
 2018年産の作付けは、前年同様2品種ですが、アンデスの雪のほうが評判が良く、種芋や苗を皆さんに差し上げるために、アンデスの雪4畝、アンデスの乙女2畝の栽培としました。

 西から第1畝 アンデスの雪  (11月末収獲予定)→11月25日
     第2畝 アンデスの乙女 (11月末収獲予定)→12月16日
     第3畝 アンデスの乙女 (12月末収獲予定)→12月31日
     第4畝 アンデスの雪   (1月末収獲予定)→  1月30日
     第5畝 アンデスの雪   (2月末収獲予定)→  2月25日
     第6畝 アンデスの雪   (3月中旬収獲予定)→3月18日

 以上の作付けとし、品種別・畝別の栽培比較をすることとしています。
 そして、毎月下旬に西から1、2畝ずつ掘っていき、3月に掘り終えます。
 なお、第4畝から先は真冬における芋の凍み防止のため、12月16日にビニールシートで覆っておきましたが、2月25日、この先暖かい日が続く予報なので、第6畝のシートを外しました。

<今期の第6回ヤーコン掘り:3月18日>
・西から第6列(アンデスの雪)
 どの列も例年より全般に非常に育ちが悪いです。原因は、無肥料栽培としたこともありますが、何よりも今夏の例のない猛暑によるダメージが大きいでしょう。枯れるものもけっこうあり、今回の畝は4株が無収穫となりました。
 これでは芋がほとんど採れないと思われたのですが、なんとか11.8kgの収穫がありましたが、平年作の3割と、みじめなものです。
 なお、全収穫量は71kg。平年作の26%の出来で終りました。
 種芋の生育も、平年よりずっと悪かったです。

<収穫と同時に来季の畝づくり>
 最盛期には7畝栽培(約100平方メートル)でしたが、2016年から6畝、2019年から5畝と順次縮小。これは、当店(薬屋)のお客様が減り、もらっていただける方が少なくなって芋が余るようになったからです。
 よって、ヤーコン第6畝は、今年新しく作付けするアスパラガスと、お客様に好評な山芋を各1畝に作り直すことにしました。
 どちらも無肥料・無農薬栽培の自然農法とし、ヤーコン第6畝の枯草のみ埋め込むことにしました。

<収獲した芋は水洗い>
 収穫量が少なかったので、本日、ジェット水流で泥落し。
 豊作のときは、大きなプラスチック桶に2回くぐらせるのですが、これでほとんどきれいに泥を落とせます。水洗いすると、日持ちが悪くなるかと思いますが、大半を、といっても今年は自家消費が半分近いでしょうが、当店のお客様に差し上げるものですから、泥付きだと扱いにくいですし、見た目にも悪いですからね。

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使用済「使い捨てカイロ」をヤーコンの肥料に! [ 畑に鉄分補給を]

(2011年2月27日)
 土壌中に鉄分が十分にあると、ヤーコン芋が腐りにくい。
 これは、ヤーコン博士の渡辺最昭さん(ヤーコン加工品のトップメーカー、三井ヘルプ社長)が、各地からヤーコン生芋を仕入れる中で、発見された事実です。
 これを、渡辺さんから教えてもらい、昨年に引き続き、今年も、ヤーコンの畑に鉄分の補給をすることにしました。

 でも、肥料屋さんに、こんなものは売っていません。
 まとまった量の鉄を手に入れるには、市町村の資源回収で、金属類のときに出される使用済みの「使い捨てカイロ」をいただくことです。
 中身は、酸化鉄ですから、植物の吸収が早いです。
 我が岐阜県岐南町の当地区は、奇数月の中旬に金属類の回収があります。1月に金属類を出しに行ったら、小生が「使い捨てカイロ」を欲しがっていることを知っている人も、ちょうど金属類を出しに来ていて、「使い捨てカイロ、もらってかなあかんぞ。」と、言ってくれました。そのとき、係の環境美化監視員さん(彼も「使い捨てカイロ」を野菜一般の肥料にしてみえる)が、すでに自分用にゲットしておられた「使い捨てカイロ」を小生に差し出し、「持ってって。」とおっしゃいます。新年度から、その方に頼まれて小生が環境美化監視員になることにしていますから、気を利かせてくださったのでしょう。そんなことから、有り難く頂くことにしました。

 その使用済みの「使い捨てカイロ」ですが、硬く固まったものが多いです。
 これは、袋を金槌で叩いて崩した後、袋を鋏で切って取り出します。けっこう手間がかかり、30分ほどで、やっと浅めのバケツに半分ほどになりました。
 その作業をやったのが、2月27日。3月にヤーコン畑に散布する予定です。
 約100平方メートルもある畑ですから、この程度の量(昨年もほぼ同量)では、きっと不十分でしょう。来年も再来年も、やらなきゃいかんでしょうね。そのときは、環境美化監視員という役得で独り占めしようか、なぞと悪巧みしています。
 なお、昨年の今時分に第1回目の鉄分散布を行い、今冬にヤーコン芋を収穫しているのですが、その成果は、まだはっきりしません。もう1シーズン経ったところで、感想を述べることにしましょう。

(2012年4月追記)
 2年連続で鉄分を散布したのですが、畑にビニールシートで冬越しさせておいたヤーコンを4月に収穫するも、凍みたものがほとんどありませんでした。前年は、どれだけか凍みたものがあったのですが、明らかに差がでました。
 その原因は、ビニールシートを更新し、幅広にしたことも関係していると思われますが、鉄分散布も効果があったのではないかと思っています。
 今冬も使い捨てカイロが大量に入手でき、これを散布したところです。

 「使用済み使い捨てカイロ」は、まだまだ捨てるだけの地区が多いと思いますので、ヤーコン栽培をなさっている方は、資源回収日(金属類)に、もらって来られることをお勧めします。
 もっとも、土壌が赤土であれば、たいていは鉄分がたっぷり含まれていますから、その必要はありませんが。

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2014年8月10日の台風で、風にもまれたヤーコン [ 暑さ、寒さに弱いヤーコン、風も]

 8月10日、大した台風ではなかろうと思っていましたが、さにあらず。けっこう強風が吹き巻くった台風でした。
 岐阜気象台(当地の西3km)の観測では、1時間の平均風速が12~14m強が5時間にわたって続き、瞬間最大風速は26.7mを記録しました。
 風が弱まった夕方、約100㎡のヤーコン畑を見に行ったら、やはり風にもまれて、主軸が傾いたものが少しあり、脇枝が大きく曲がったものがけっこうありました。
(8月13日撮影)
DSCN0330.JPG

 幸い、葉っぱが千切れるようなことはなく、成長に全く支障はないでしょう。
 なお、畝の法面には藁や休耕田で刈り取った雑草をしっかり敷いて熱射・乾燥を防止してありますが、強風で飛ぶこともなかったです。
 8月13日現在、これから1週間の予報は小雨や曇ばかり。7月下旬の38度、37度という猛烈な暑さはもう無さそうですし、35度超の猛暑日も少ないことでしょう。
 今後は雨に恵まれ過ぎるくらいですから、枯れる心配は全くなく、昨年のような大不作には決してならず、平年並み以上の収穫が期待できそうです。
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2018年猛暑で緊急告知、暑さに弱いヤーコンの根っこ、法面の保護を [ 暑さ、寒さに弱いヤーコン、風も]

(2018年7月23日)
 今年は、過去に例のない猛暑が続きます。
 暑さに弱いヤーコンの根っこです。法面の保護をしましょう。
 下の写真は、年に何度か法面を削り上げて雑草が生えないようにする栽培法をとっていた時期の状況で、猛暑到来により、法面に休耕田で刈り取った雑草を被せ、反対側の法面にはイチゴに使った敷き藁でもって覆い、熱射を防いだ例です。
(2014年8月13日撮影)
DSCN0330.JPG

 その後、このような栽培法は止めて、畝間も法面も雑草を生やし、ヤーコンが雑草に負けそうになったら、草刈り機でざっと刈るだけにしています。
 下の写真が最近のうちのやり方です。
 なお、この方法ですと、追肥が行えませんから、施肥は最初の畝づくりのときだけにしています。(注:うちでは2018年から無肥料栽培)
(2018年7月2日撮影 草刈り機でざっと草刈りした後の状態)
DSCN0563.JPG
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2018年産ヤーコン芋は大幅な収穫減 [ 暑さ、寒さに弱いヤーコン、風も]

(2018年8月7日)
 史上最大の猛暑。連日、岐阜県各地の最高気温がニュースをにぎやかしています。当地・岐阜県羽島郡岐南町は海抜10mの濃尾平野奥地にありますが、38度、39度を何度も記録し、炎暑の日々が続いています。
 ちなみに西4kmにある岐阜気象台の観測では猛暑日は次のとおり。

           最高気温 最低気温
    7月 11日  35.1   25.3
       13日  35.0   25.9
       14日  37.3   25.5
       15日  37.4   26.8
       16日  39.0   27.1
       17日  38.1   27.9
       18日  39.6   27.7
       19日  37.5   28.6
       20日  36.0   28.3
       21日  36.7   27.2
       22日  38.8   27.1
       23日  39.1   28.2
       24日  37.4   28.1
       25日  37.2   28.3 (夕立あり、まずまずのお湿り)
       26日  35.0   27.4
      (27日から31日まで台風の影響で曇や雨で気温上がらず)
       28日  35.4   25.6
    8月 1日  37.5   26.3
        2日  39.0   27.9
        3日  38.9   27.2
        4日  38.0   26.6
        5日  39.1   27.6
        6日  39.3   28.6
       (7日は曇りがちの一日で、34.6度までしか上がらず)
        8日  37.6   25.1
        9日  37.7   26.7
       10日  37.3   28.0
       11日  37.7   27.6
       12日  36.0   26.0
       13日  36.0   26.0
       14日  35.2   27.0
      (15日は雨模様となって30度を切り、以降しばし猛暑なし)
       22日  35.4   26.9
       26日  36.2   25.9
       27日  36.8   25.9
       29日  35.9   25.7
       30日  35.1   26.0

 2018年の猛暑日の日数は2010年(過去最多で、この年は9月上旬も猛暑日が多かった)の33日より1日多かった。36度以上は2010年の19日より7日多く、37度以上は2013年の10日より10日多く、38度以上は2013年の4日より6日多く、39度以上は6回も記録したが2007年に1回記録して以来のものとなった。
 あまりの異常な酷暑、炎暑となった。こんなことは観測史上初めてのことではなかろうか。なお。岐阜気象台の極値更新速報によると、8月の平均気温は観測史上2位(29.8度)、1位は1995年(30.3度)で、3位以降は1994年、2010年、2013年と続く。

 ヤーコンは南米赤道直下の生まれとは言え、海抜2000m前後に自生し、涼しい気候で生まれ育っていますから、日本の猛暑に耐えるのは非常に難しいです。
 そうしたことから、ここ何年かは雑草を生い茂らせ、雑草に地上・地下とも守ってもらい、難をしのいできたのですが、今年はそれも限界を超えたようです。
 昨日現在、部分的に雑草に埋もれそうになっており、例年なら、草刈り機でざっと草刈りするところですが、今年は当分そのままにしておくことにします。
(2018年8月6日撮影)
DSCN0564.JPG

1週間前には、まだまだヤーコンは頑張ってくれていたのですが、ここへきて、2割程度が枯れそうになってしまいました。
(下の写真:雑草に守られているも、ほぼ枯れてしまったヤーコン。刈れなくても芋は無収穫となることでしょう。)
DSCN0567.JPG

 猛暑に加えて、7月25日以降、雨らしい雨がなく、雑草の繁茂で土の乾きを防いでくれているとは思うも、果たして大丈夫か?と不安にもなります。
 何年か前、日照りが続いたとき、ジョウロで水やりしたことがあるのですが、どれだけかの効果はあったと思うも、この歳(間もなく70歳)では、それも体力的には無理です。台風は東にそれそうで週間予報の傘マークが消え、夕立が来るのを祈るのみです。

(8月22日追記)
 猛暑も去り、ヤーコンが雑草に負けそうになっていますので、そろそろ草刈り機でざっと草刈りしようと思うも、台風の接近で、刈ってしまうと倒れやすくなるから、当面、草刈りは見合わせることにしました。
(8月31日追記)
 台風は小型でそれましたから問題なかったですが、新たに超大型台風が9月4日頃に直撃しそうで、草刈りは当面見合わせます。
(10月6日追記)
 その後、たいした生長をせず、下の写真のとおり、みじめな姿です。
DSCN0568.JPG

 例年なら、下の写真のような状態です。
DSCN0359.JPG

(12月16日追記)
 11月下旬に1畝、今日1畝掘りました。11月に掘ったアンデスの雪は平年作の21%の収量、今日掘ったアンデスの乙女は平年作の16%の収量しかなく、悲惨なものとなりました。

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2018年猛暑でヤーコン芋は不作のところが多いです [ 暑さ、寒さに弱いヤーコン、風も]

(2018年12月27日)
 濃尾平野の奥まった所にある当地岐南町(岐阜市の南東)は、2018年は過去にないすさまじい猛暑に襲われました。全国的に猛暑となったのですが、当地にかぎらず岐阜県下各地は連日、最高気温ベストテンのトップになったり、数地点がランクインするなど、“岐阜は暑い所”として一躍有名になったほどです。
 南米アンデス赤道直下の生まれのヤーコンですが、そこは2千mの高地ですから年中涼しく、最高気温が30度に達することはないです。それが、日本有数の暑さとなる濃尾平野の奥地では35度超えは当たり前のことで、今年は38度台を連発し、39度を上回った日もあったのですから、暑さに弱いヤーコンはたまったものではありません。
 加えて、旱魃もありましたから、ヤーコンは息絶え絶えで、大幅な生育遅れを生じたり、枯れたりした所がかなり多かったようです。
 そうした中でも、平年作のところもあり、状況は様々です。小生思うに、調子が良かった箇所は、丸一日日が射すのではなく、適度に日除けが出来ていたのではなかったのか、過去の経験からして、そのように感じています。
 あまり情報は入ってこないのですが、近隣の作柄を以下に書き留めておきます。

 うちの畑 平年作の2割の出来

 同じ岐南町 Mさん 6株ほど栽培 平年作

       Kさん 10株ほど栽培 やや不作

 各務原市 Cさん 20株ほど栽培 非常に不作

 岐阜市 I 地区 Sさん 1枚の畑150株 全滅
            別の畑 売り物になる良品ゼロ

 岐阜市 I 地区 家庭菜園栽培の方 1株4kgと好調

 大垣市 Kさん 大量作付け 平年作

 関市 I 地区 Tさん 全くの不作

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