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ヤーコン栽培年間スケジュール(旧版) [ 年間スケジュール]

 ヤーコンの概要
 人の背丈より高くなるヤーコン。DSCN0233.JPG
 葉っぱは糖の吸収抑制作用があり、高血糖の改善に効果が高いです。乾燥させてお茶として使うと良いです。
 地下の芋はオリゴ糖たっぷりで、整腸作用が抜群です。低カロリーですからダイエット効果が期待できますし、糖尿病の養生食に最適。
 栽培はいたって簡単ですが、芋の収穫量を上げるにはそれなりの工夫が必要です。
 ポイントは牛糞堆肥をたっぷり入れること。
 なお、種芋は地面に隠れて見えませんが、茎の直ぐ下、食用部(さつまいもの形のもの)との間にある根塊です。それを切り分けて植えます。



(写真は2013年11月24日うちの畑で土をのけて撮影)


 ヤーコン栽培の年間スケジュール(旧版)<2014年まで>
(2014年5月24日改定) (2013年3月 6日改定) (2012年3月 2日改定)

 うちで10年来行ってきた、ごく一般的な畑での栽培法で、追肥しながら土寄せするというものです。
(備考)これに対して、2015年からは、畝作りのときに肥料をたっぷり敷き込んで、追肥も土寄せもせず、雑草を繁茂させ、ヤーコンが雑草に負けそうになったらザッと草刈機で草を刈るという方法を取っています。これにより、猛暑でも地温が上がりすぎず、暑さに弱いヤーコンも耐えてくれ、芋が高収穫になりました。猛暑にさらされる地域では新版を参考になさってください。
 ヤーコン栽培の年間スケジュール(新版) 

 当地は、岐阜市近郊、濃尾平野の一画にあり、海抜10メートルの沖積層の土壌です。3月下旬からヤーコンの作付け準備に取り掛からねばなりません。
 うちでは約100㎡に7畝を作付けし、例年11月末から順次掘り始め、3月に最終収穫しています。
 そして、2月までに掘ったヤーコンの種芋(上部の凸凹した塊)は、その都度1か所に集めて土を掛け、春の苗作りに向けて畑で保存しています。
 うちで今まで行なってきたヤーコンの栽培スケジュールの概略を紹介しましょう。
 栽培法の基本は、里芋と同じと考えて良いです。ただし、ヤーコンは暑さに弱いですし、湿り気にも弱いですから、それなりの対応が求められます。

3月下旬 *冬越しさせたものを最終収穫
      上部の凸凹した塊が種芋、下部は食用芋です。
ヤーコン種芋イラスト.jpg
(写真挿入:2013年11月24日)
DSCN0236.JPG
(写真説明) 下部の食用部を千切り取ったあとの種芋部分です。
      小さい丸で囲った種芋は小さすぎるので捨てます。
      中ぐらいの丸で囲った種芋はちょうど良いです。
      下側に大きな塊になっているものは切り分けて種芋にします。

   *種芋の塊を20グラム程度に切り分け
     1株から種芋が少なくとも20個は取れます。
     でも、種芋が5グラム程度ですと、収穫量が落ちます。
     50グラムという大き過ぎる種芋ですと、芽が幾つも出て競合し、
     やはり収穫量が落ちるような気がします。
     20グラム程度がベストです。
     なお、冬越ししたものを放置しておくと、4月には芽が地上に出て、
     バラバラに分かれ、それを苗にできますが、芽吹いた種芋が小さい
     せいか収穫量が落ちると思われます。

    *切り分けた種芋を2、3日陰干し
     切り口に藁灰(木灰でも可)を振っておくと腐り防止になり、また、
     ミネラル補給にもなり、成育が良いです。
     なお、芽が伸びすぎているものは傷が付いていることが多く、綺麗
     な成長が期待できませんので、欠き取っています。
     別の箇所から新たに芽が出ますから心配ないです。

    *苗床(露天)に埋め込み
     台形の畝を立て、無肥料でよいです。
     ポット苗にするときは、約6cm間隔(ビッシリ芋を並べて良い)で並
     べ、土を2cm程度かけます。
     苗床から直接定植する場合は、倍の間隔が良いかと思います。
      水やりは、あまりしなくて良いです。
     量が少なければ、穴を十分に空けた発泡スチロール箱で可。
     なお、2010年、2011年は、4月の異常低温で発芽が遅れました。
     遅霜に注意。氷点下になると芽が全滅します。
     霜が降りなくても冷え込みが予想されるときは、夜間むしろなどで
     覆うと発芽が早まります。
     ビニールトンネルでの育苗が良いようですが、2012年は急に暑く
     なった日に覆いっ放しにしておいたら、芽がゆだって溶けてしまい、
     失敗しました。この点は里芋と大違いです。          
     冷涼地では早期育成が収穫量を上げるコツとのことで、ビニール
     トンネルさらにはハウス育苗がおすすめです。

苗の管理 *芽が複数出たら、芽掻きし、1本立てに
      主茎が1本ですと、太く高く生長するようですし、収穫量が上がる
      と思っています。
      なお、うちでは、皆さんに苗を差し上げるために、少し芽吹いたら
      ビニールポット苗にして育苗しています。(ポットは小でよい。)
      また、苗のうち1割程度は綺麗な苗になりませんから、収穫量も落
      ちると思われます。よって、ポット苗づくりすると、定植した大半
      の株の生長が良く、高収穫になると思われます。

 DSCN0390.JPG                             

4月 *定植場所に牛糞堆肥をたっぷり鋤き込んで畝立て
     ヤーコンは有機肥料、特に牛糞を好むようです。
    畝幅は120~180cm(150cm程度が良いようです。)
    湿り気の多い畑は高畝にし、畝幅を広くします。          
    これは、秋に湿り気が多いと、種芋が大きくなり過ぎてしまって
    肝腎の食用部の成長があまり進まないです。
    (注)初めから高畝にせず、土寄せで順次高くします。

5月中旬  *畑に定植
      背丈が5センチになれば定植して良いです。
      株間は60~70cm。密植すると1株当たりの収穫量が落ちます。
      生長の悪いものがあったり、ネキリムシか何かに株元を食いちぎら
      れることがあり、予備苗を1割程度畝間にでも植えておくとよいです。

6月    *第1回施肥(種粕・化成肥料<8・8・8>混合)
      窒素が多いと、芋にひび割れができやすいですから注意。
      鶏糞は避けた方が良いようです。堆肥+牛糞が最も良いとのこと。
      化成を使うなら、窒素を抑えた8・8・8が良いです。
      畝の片面に施肥、土寄せ。もう片面は削りこみ。
      なお、苗が1本立てであっても、後から新芽が種芋から伸びてきて
      複数立てになることがあります。この場合、芽欠きしたほうが収穫量
      が上がる感じがします。土寄せの前までに行うと良いでしょう。

  <食べられる葉と茎>
    なお、芽欠きした葉と茎は、味噌和えにして食べられます。
   苦味が強く、ゆでた後、2、3時間水にさらすと良いです。
    葉っぱのお茶より効き目があります。糖尿病の方におすすめ。
    ただし、量多く食べると、低血糖になることがあるようです。

7月   *畝のもう片側に第2回施肥
      ぐんぐん生長を始め、脇芽がどんどん出ますが、脇芽は放置し、
      芽きしません。ここは里芋と違います。
      施肥してない側に施肥し、土寄せ。片側は削り込み。
     <本格的に葉と茎が食べられるようになります>
      2割程度脇芽を取っても芋の収穫量に差は出ないようです。
      糖尿病の方は葉を味噌和えにし、また、茎はフキと同様にして食べ
      られますが、苦味が強いです。

梅雨明け後  *必要に応じて熱射、乾燥対策
       暑さに弱いヤーコン。畝の法面に藁や雑草などを敷くとよいです。
       真夏の熱射を防げますから、ヤーコンのダメージが減ります。   
       そして、藁や雑草は最終的に堆肥になります。
       ビニールマルチを張っておられる方は、ここで外さないと、根がゆだ
       ってしまい、根腐れして枯れてしまう恐れがあります。
       乾燥にも弱いですが、里芋と同程度です。
       場合によっては、水やりが必要になります。

8月下旬  *農薬散布の要不要
        アブラムシが付くことがありますが、自然消滅するでしょう。
       密植状態になると、アブラムシが大量に増殖し、農薬散布の必要が
       ある場合もあります。

9月下旬  *必要に応じて湿気対策
       真夏の間は生長が鈍いですが、この頃からぐんぐん伸び始め、脇
       芽もどんどん出て伸びます。
       湿り気の多い畑は、水はけを良くするために、畝の削り上げを十分
       に行い、高畝にし、雨水が流れ去りやすくします。
       垂れ下がった枝を一部刈り取っても良いです。これは、乾燥させて
       お茶にします。糖尿病の方におすすめ。

11月下旬~ *順次収穫し、種芋は別途保存
       10月下旬には芋がだいぶ大きくなっていて、一部収穫して良い
       ですが、芋はまだ成長中です。
       葉の元気さがなくなったら、そろそろ収穫時期です。
       食用部はさつまいもの形をした部分です。
       収穫量は1株当たり3キログラム以上になります。条件が整えば
       5キログラム程度にもなります。
       痛みやすい芋ですから、長期保管が難しいです。
(写真:上側が「アンデスの雪」、下側が「アンデスの乙女」)
 DSCN0441.JPG 
  <大量に収穫したとき>
   収穫後、呼吸が落ち着いてから、さつまいもと同じ方法で貯蔵すればよい
   とのことです。
   大きな箱に籾殻を入れて保存しても良いです。
   新聞紙で囲みこんでもかなり持ちます。
   乾燥に弱いのがヤーコン芋です。

<種芋の保存>
   種芋を畑の一角に積み上げ、土を掛け、ビニールシート(肥料袋で
   よい)で上部を覆い、雨水が染み込むのを防止し、冬越しさせます。
   里芋より若干寒さに強いです。

12月 *地上部を刈り取り、シートを掛けて、冬越し
     雪や雨で、芋が凍みることがありますから、必須です。
     雪が降らない温暖地では土寄せだけで良いようですが。
    こうして、2月、3月にも収穫できるようにしておきます。
DSCN0079.JPG
(2013年3月撮影 5畝は収穫済み、残りは2畝)

 3月に収穫した芋を籾殻の中で保存すると5月中旬までは持ちます。
 冷蔵庫保管なら夏まで持ちますが、乾燥しやすいです。
DSCN0401.JPG
  これは店内に置いて、お客様に少しずつ差し上げています。
   倉庫には、大きなダンボール箱に入れて保存しています。

備考:連作障害について
 連作は可能ですが、収穫量が年々落ちます。安定した収穫を得るには、堆肥、特に牛糞で肥沃にするのが理想的です。
 うちでは長年連作していますが、牛糞をそうたくさんではありませんが意識して使うようにしており、収穫量は落ちません。
 なお、ヤーコンの跡にトマトを栽培すると全滅することがあります。ナスも出来が悪くなる傾向にあります。(ヤーコンの根に毒がありそうです。) 

 以上の栽培方法は、当地(濃尾平野の一角で夏は猛暑。やや湿り気のある土壌)での方法です。地域や土壌の違いで、やり方がかわります。
 なお、ヤーコンはまだまだ原種の力を持っていますから、環境適応力が強く、1年目が失敗に終わっても、その地域の気候と土壌を学習し、2年目、3年目と収穫量が上がってきますから、種芋を保存し、あきらめずに栽培を続けてください。
 皆さんのヤーコン栽培の成功をお祈りいたしております。
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