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ヤーコン登録4品種に関して種苗法の本格的適用が4月1日から始まったようですが… [ ヤーコンの普及]

 ネットニュースを見て、種苗法の本格的適用が4月1日から始まったようである。なお、種苗法の改正については、ずっと前にあり、2013年4月6日に次のとおり投稿した。 
 ヤーコン新品種の種芋や苗の値段が高い理由が分かりました
 そのときと今回の規制とどう違うのか、それはよく知らないが、今まで法を無視してやっていたが、育成者権の農研機構のサイトをじっくり眺めたところ、困ったことになった。

 先ずは基本的な事柄は次のとおり。
 ヤーコンの次の4つの新品種は農研機構が開発したものであるから、その栽培には種苗法上、原則として農研機構の許諾を必要とする。
 アンデスの乙女(登録年月日2014/2/12  育成者権の満了年月日 2039/2/12) 
 アンデスの雪(登録年月日2005/12/7 育成者権の満了年月日 2030/12/7)  
 サラダオカメ(登録年月日2005/12/7 育成者権の満了年月日 2030/12/7) 
 サラダオトメ(登録年月日2005/1/19 育成者権の満了年月日 2025/1/19)

 で、農研機構のサイトを見てみたら次のようであった。
 農研機構育成の登録品種の自家用の栽培向け増殖に係る許諾手続きについて (農業者向け)
 種苗法の一部改正により、令和4年4月1日以降、許諾を得て登録品種の種苗を生産・販売している種苗業者、生産者団体等(以下「利用許諾権者」とします。)を通じて正当に入手した種苗から得た収穫物を自己の農業経営において更に種苗として利用する行為(農業者が登録品種の種芋、親株や苗木等から採ったツル苗や穂木等を種苗として利用することを含めて、以下「自家用の栽培向け増殖」とします。)は、育成者権者の許諾が必要となります。
 農研機構が単独で育成した登録品種(出願中の品種を含みます。以下同じ)の自家用の栽培向け増殖に係る許諾の手続きは下記のとおりです。
 この許諾は自家用の栽培向け増殖に係るものであり、増殖した種苗の他者への譲渡(有償・無償に関わらず)を許諾するものではありませんのでご注意下さい。

 ということである。どうして、こうした厳しい制度になったかというと、農研機構が次のように説明している。
 農研機構育成の登録品種の自家用の栽培向け増殖に係る許諾手続きに関するよくあるご質問(FAQ)
質問) なぜ農研機構は登録品種全ての自家用の栽培向け増殖を許諾制にするのですか?
回答) 農研機構は、シャインマスカットに代表されるように、長年蓄積した高度な知見に基づいて優良な品種を開発し、普及、利用促進を行っていますが、昨今ではその優良性ゆえ登録品種が海外に流出する事例が発生しております。
 農業者の方に農研機構の品種の価値を最大限享受していただくためには、このような海外流出の防止に的確に対応できる体制作りが必要であると考えるため、種苗法改正の趣旨を踏まえ、登録品種の自家用栽培向け増殖を許諾制とします。

 ということであるが、何もかも一律に厳しくしているものではなく、カテゴリーを4段階に分けて、ヤーコンは一番緩やかな規制(カテゴリー1)となっている。
 農研機構によれば、カテゴリー1は次のとおり。
 許諾条件を遵守することにより自家用の栽培向け増殖の許諾手続きが不要なもの
 稲(飼料用米、WCS※含む)、コムギ、オオムギ、ダイズ、サトウキビ、ソバ、ハトムギ、ゴマ、ナタネ、花き、牧草、トウモロコシ等 別紙 【出願中・登録品種(カテゴリー1のみ)】

 ということであり、ヤーコン4品種はカテゴリー1の表に掲げられているから、許諾手続きは、不要となる。
 ただし、カテゴリー1の表を見てみると、ヤーコンに断り書きが次のように付いている。
 自家用の栽培向け増殖許諾管理 増殖可否・ 許諾手続:個別相談
 ※増殖には注意が必要:令和4年4月1日より前に自家増殖が認められていなかった品種やF1(一代雑種)品種のように収穫物が種苗に適さないものなど、増殖の際に個別に確認が必要なもの
 
 これは、どういう意味なのかよく分からないが、ヤーコン4品種は「増殖の許諾手続きが不要なもの」とされているから、先ずはホッと一安心。
 ところで、「増殖の許諾手続きが不要なもの」であっても、守らねばならない事項がある。農研機構によると、それは次のとおり。

 農研機構が育成した上記の登録品種(カテゴリー1)については、種苗更新を奨励しますが、自己の農業経営で行う農作物の生産を目的にした増殖の場合、品種の特性を損なわないように適切に管理・利用すること等下記【遵守事項】を条件に無償で許諾致します。許諾に伴う手続きは不要ですが、自家用の栽培向け増殖を行った時点で、下記【遵守事項】に同意したものとみなします。
 この許諾は自家用の栽培向け増殖に係るものであり、増殖した種苗の他者への譲渡(有償・無償に関わらず)を許諾するものではありませんのでご注意下さい。
【遵守事項】
① 当該登録品種の種苗を用いて得た収穫物を種苗として有償・無償に関わらず第三者に譲渡しないこと。
② 当該登録品種の種苗を海外に持ち出さないこと。
③ 収穫物や植物体の一部を種苗として用いる際は、当該登録品種の特性を著しく損なうことのないよう、適切な種苗を選別し利用すること。また、利用した種苗によって本登録品種の特性が損なわれる等の問題が発生した場合には、遅滞なく当機構に報告すること。なお、F1品種のように収穫物が種苗に適さないなど、増殖の際に注意が必要なものがありますので個別にご相談ください。
④ 本許諾に基づき準備した種苗のうち自己の農業経営において種苗として用いなかった種苗は、遅滞なく廃棄又は食用とすること。なお、果樹及び茶の場合、剪定枝は焼却等を行い確実に廃棄処分すること。
⑤ 本許諾に関連する書類やほ場について、必要に応じて当機構が調査することを認め協力すること。
⑥ 第三者から本登録品種の種苗を用いて得た収穫物や植物体の一部を種苗として譲り受けたい又は譲渡したい旨の申し出があった場合は、遅滞なくその旨を当機構に報告すること。
⑦ その他本許諾に関係する事項について当機構の指示に従うこと。

 以上のとおりとなっているが、まあ、これは真面目に栽培に取り組んでいれば問題ないということでクリアできよう。

 しかし、小生の場合は、かなり積極的に種芋や苗の無償譲渡を行っているから、問題が生ずる。そこで、農研機構のQ&Aを見てみると、
質問) 無償であれば、自家用の栽培向け増殖を行った種苗を他者へ譲渡できますか?
回答) 自家用の栽培向け増殖を行った種苗を、他者へ種苗として譲渡する場合は、有償・無償に関わらず、別途団体等を通じた利用許諾の契約手続きが必要となります。(下記の品種の利用許諾 HP をご参照ください)
なお、農研機構では、個人の方との利用許諾契約は行っておりませんので、許諾を希望する場合は、団体様の名義で申し込み下さい。

 小生は全くの個人であるゆえ、このQ&Aからして、申し出はできない。よって、栽培したい人に無償譲渡させてもらえないことになってしまう。
 何か抜け道はないか。小生はヤーコン栽培の規模がけっこう大きいが、採れた芋を売る農業者ではない。家で全部は食べきれないから知り合いに差し上げている程度で、家庭菜園での栽培ともいえる。
 で、そうしたQ&Aを見てみると、
質問) 家庭菜園は「自家用の栽培向け増殖」に該当しませんか?
回答) 自ら増殖した種苗や、自ら増殖した種苗から得られた収穫物を他者に種苗として譲渡することがない(有償・無償は問わない)、個人の趣味による栽培や自家消費用の利用は種苗法で制限されておらず、今回お示しした「自家用の栽培向け増殖」にも該当しませんので、許諾は不要です。但し、個人の趣味による栽培や自家消費用の利用において増殖した種苗を他者に譲渡することは育成者権の侵害となります。優良な品種の海外流出につながらないよう、適切な種苗の管理をお願いします。

 家庭菜園であっても、他人に無償譲渡することは「育成者権の侵害となります」とあり、抜け道もなくなってしまう。弱ったことになった。
 加えて、小生が栽培を希望する方に種芋なり苗を差し上げると、受け取った方は「【遵守事項】⑥ 第三者から本登録品種の種苗を用いて得た収穫物や植物体の一部を種苗として譲り受けたい又は譲渡したい旨の申し出があった場合は、遅滞なくその旨を当機構に報告すること。」に従わねばならなくなる。

 小生が毎年差し上げている「アンデスの雪」「アンデスの乙女」ともに、いかんともしがたい情勢になってしまった。
 さ~て、どうするか。このブログそしてホームページで、今まで(今年のゴールデンウイークも)「アンデスの雪・アンデスの乙女の苗を無償提供します」としてきたが、そう書くことはできなくなり、文言を修正せざるを得ないだろう。
 しかし、ヤーコンの普及活動はしたい。もぐりでやる良き方法を見つけ出したいものだ。何か方法はあろうから、よ~く考えてみよう。
 たとえ農研機構に見つかったとしても損害賠償なんてしてこないだろうし、種苗法違反でお縄になることもなかろう。中国や韓国に流出したシャインマスカット問題で法改正があったんだから、今後の類似した事犯を防ぐのが目的なんだし…。
 それを考えれば、ヤーコンの4品種なんて問題外であるのだから。

(6月3日追記)
 無い知恵はいくら絞っても出てこない。よって、ブログやホームページには「ただし、2022年からは種苗法の規制がかかり、登録品種は無償であっても譲渡できなくなりました。」と書き添えるしかなくなってしまった。

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12.5 たまげたなあ、ヤーコン1株5kgの収量 [ ヤーコンの普及]

別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事で、ヤーコンに関するものは、このブログで再掲することにします。

 隣町に住んでおられるAさん、小生の別立てブログを見て、昨年からヤーコン栽培を始められた。初年度は種芋保存に失敗し、今年の初夏に再び苗を差し上げた。そして、2年目の今年、まず1株収穫したからと、それを持ってこられた。
 良品の芋が10個強あり、籠に入れられたそれを持ってみると、5kgはあろう、高収穫だ。“恐れ入りました”と脱帽。幾つかの大きな芋は、縦に走る小さなひび割れができていて、Aさんは気にしてみえたが、“窒素肥料が強いとひび割れができやすい”とお話しすると、“牛糞堆肥をたっぷり入れただけ”とのこと。残留肥料なのか、よほど大量に牛糞堆肥を入れられたのか、よく分からないが、そうたいしたひび割れではなく、調理するときの皮むきで消えてしまいそうな程度であり、立派な良品の範疇に入る。
 Aさんの畑には、まだ20株はあろう。全部が同程度の収量と思われる。交際範囲の広い方であり、多くの方に賞味してもらうよう、お願いしておいた。
 これで、また、ヤーコンの輪が広がることだろう。なお、今年こそ種芋保存に失敗しないよう、畑での冬越し法をていねいにお話ししておいた。これでAさんも独り立ちし、ヤーコン栽培を広げてくださるに違いない。そう願っている。
 ところで、Aさんに比べると、うちの畑のヤーコンはめちゃ出来が悪い。先月末に1畝掘ったのだが、1株1.5kgしかない。豊作のとき(3年前までの有機肥料栽培)でも3kgしかないが、ここ3年は不作だ。主な原因は無肥料栽培にしたからだが、ヤーコンの場合、どうやら無肥料栽培は成功しそうになく、そろそろこれはあきらめて、有機肥料栽培に戻したほうがいいかもしれぬ。
 やはりヤーコン栽培には牛糞堆肥をたっぷり入れなきゃ、高収穫は望めないことを改めて思い知らされた、今年のAさんのヤーコン。

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11.30 ヤーコンの輪がまたまた広がりそうだ [ ヤーコンの普及]

別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事で、ヤーコンに関するものは、このブログで再掲することにします。

 数年前に、岐阜市のⅠ地区のグループの方にヤーコン栽培を伝授させていただいた。でも、残念ながら土壌条件が悪くて今年あたりはほとんど作付けされていないようだ。でも、その地区にオピニオンリーダーがいらっしゃって、その方の声掛けで、大垣市で手広く農業をやっておられる方もヤーコンを栽培されだした。
 大垣市の方は、大量作付けして出荷もしておられるし、直販もしておられる。頼もしい方だ。そして、その方から、今日メールが来た。
 直販場の輪之内町や、経緯は不明だが根尾村でも、何人かの方がヤーコン栽培を始められたとのこと。その方は、「今だいぶ『布教』活動いたしております。」と書いておられた。なるほど、ヤーコンの普及活動=布教活動だわい。
 もう20年になろうか、小生も細々とヤーコンの普及活動をしているが、これからは『布教』活動と言うことにしようか。なんせヤーコンに惚れ込んで、ヤーコンの良さを信心する境地に至っている小生ゆえ。

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ヤーコン栽培、新聞に載った方あり [ ヤーコンの普及]

 今年の3月に超遠方(北陸:能登半島)から、ヤーコン栽培のノウハウを教えてもらいたいと訪ねていらっしゃった方があった。本格的にヤーコン栽培を考えておられるこの方には、3月末に種芋2品種をどっさりお送りした。
 さて、昨日、その方から郵便が届いた。開けてみると北國新聞と礼状が入っていた。だいぶ前に取材があり、やっと先日新聞に掲載されとのこと。いただいた6月30日のその新聞を開いてみると、地方版にでかく紹介されていた。残念ながら(当然ではあるが)小生のことは書かれていなかった。
 もう20年以上、ヤーコン普及活動をしている小生であるが、まだ一度もマスコミに取り上げられたことはない。うらやましいかぎりだ。
 ねたみはそれくらいにして、彼は脱サラ就農者であり、流通ルートづくりもしておられる営農のホープ。農業でちゃんと食っていける、その見本を示してもらいたい。そう願いつつ、ヤーコンの輪が広がることを夢見ている小生である。
 うちの畑のヤーコンもすくすくと生長している。雑草が繁茂しだし、少々窮屈そうであったから、今日、ざっと草刈りしておいた。

ヤーコン能登.jpg


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12.24 ヤーコン栽培のオピニオンリーダー現る [ ヤーコンの普及]

別立て「一楽日記」で投稿した記事ですが、このブログに密接に関係する内容ですから、再掲することとします。

 今年の5月にヤーコン苗を2品種各10ポット差し上げたY市に在住の方から電話があった。これから報告におじゃましたいとのことであった。
 車で3、40分ぐらい所であり、1時間もしないうちにお出でになった。栽培にけっこう熱心に取り組んでおられ、写真も何枚か撮ってファイルに貼り付けたりしておられたりし、また、全国の栽培状況を調べたり、産業おこしにも興味を持っておられた。
 地元の皆さんはヤーコンを全くご存じないようで、ヤーコンが成長して目立つようになると、“何だ、これは?”と聞く方が幾人も現れ、“収穫出来たら教えてやるよ”と、もったいぶり、先日、全部収穫して皆にヤーコン芋を配り、その効能と調理法を書いたメモ(小生が差し上げたもの)をコピーして渡されたとのこと。
 その方、まずまずヤーコン栽培に成功し、来年は規模拡大するとともに、苗をたくさん作って隣近所の農家の方に栽培を勧めようと考えておられる。道の駅などの販売所もあるようで、そこでの販売も画策しておられる。
 ご指導させていただいた県内のIW地区やIT地区が苦戦するなか、新たにグループ栽培が始まろうとしているY地区の成功を祈りたい。
 ヤーコンに惚れ込み、ヤーコン栽培が大きく普及することを夢見ている小生である。先日、N県でもオピニオンリーダーになられそうな方が登場した。既存の地区を含め、どこもかもグループ栽培がうまくいってほしいものだ。

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私とヤーコンとの出会い [ ヤーコンの普及]

(2010年11月5日)
 小生は、今、薬店を経営しています。ヤーコンとの最初の出会いは、全薬工業さんが発売された健康茶「ヤーコン」です。当店でもそれを販売し、ヤーコンの葉っぱが糖尿病にとても良いことを実感しました。
 そして、平成9年に全薬工業の社員さんからヤーコンの苗を3株いただき、ヤーコン芋が腸内環境改善にとても良いことも知りました。つまるところ、お通じがとても良くなるのです。
 また、平成11年に同社から書籍「奇跡の健康野菜 ヤーコン」(監修 月橋輝男 茨城大学農学部教授、取材協力 渡辺最昭さん 廣済堂出版)もいただきました。
 これを契機に、ヤーコンを本格的に栽培しようと考えました。

 幸い、約40年前までは専業農家でしたので、今でも畑は十分過ぎるほどにあります。小生のおふくろが熱心にヤーコン栽培に取り組んでくれ、平成12年秋には、おふくろ(当時82歳)が、何と「先進地視察をしなあかんわ、探し出して連れて行け。」と、申すものですから、先の書籍から、三井ヘルプ株式会社社長の渡辺最昭さんを知り、はるばる岐阜から山口県光市を訪ね、渡辺さんから栽培ノウハウをご伝授いただきました。
 その後も、渡辺様からは、お手紙などで栽培の留意点などを教えていただいています。昨今は、三井ヘルプさんのホームページ「ヤーコンドットコム」の社長日記で、時々栽培のノウハウが紹介されますので、それを覗いて参考にさせて頂いています。この場を借りて、改めて、渡辺さんには深く感謝申し上げます。

 毎年、うちの作付け面積は、約100平方メートルと小規模ですが、薬屋稼業のかたわら、ヤーコン栽培を楽しませていただいており、これは小生の生き甲斐にもなっています。
 うちで栽培していたヤーコンは、当初は在来種でしたが、平成18年からは、新品種「アンデスの雪」に切り替えました。まだまだ、十分に普及していないようですが、「アンデスの雪」は、素晴らしいです。在来種で栽培されている方は、切り替えをおすすめします。
 比較実験しましたが、収穫量が5割程度多いですし、なんと言っても「ひび割れ」がほとんど無く、商品価値が高まりますし、何よりも調理がし易いと女房が喜んでいます。
 なお、味の方は一長一短があり、在来種も捨てがたいところがあります。

 ヤーコンは、新品種と言えども、原種のたくましさを持っていまして、環境適応力がかなりあるのを実感しています。赤道直下のアンデスの高地にしか自生していない種ですから、年中涼しいところが適地になり、日本では、中山間地が良いようで、うだるような暑さに見舞われる当地、濃尾平野は、あまり条件が良くないようです。
 でも、最初の夏は、ぐったりとし、とろけて死んでしまいそうになったのですが、3年もすると、猛暑に耐えてくれるようになりました。芋の収穫量も、年々増えてきます。
 問題は、冬の寒さです。日本の冬は厳しすぎると、ヤーコンが悲鳴を上げています。もっとも、それまでには、芋が十分に成長しきっていますし、種芋が雨や雪でしみないように管理してやれば良いです。
 環境適応力につては、折を見てご紹介することにします。

 ヤーコン芋は、通信販売か、道の駅あたりでしか手に入らないのが現状ですが、「アンデスの雪」の栽培が普及して行けば、市場にも出回るようになるのではないかと、期待しているところです。
 なお、道の駅や野菜の産地直売場にヤーコン芋が置いてなかったら、大きな声で、「ヤーコン芋、ないの!」と叫んで下さい。そうすれば、多くの販売者や生産者の耳に入り、自家用にしかならないと思っていた生産者が、出品してくれるようになります。対面販売の良さがここにあります。
 濃尾平野のあちこちで、小生が苗を差し上げた「アンデスの雪」が栽培されていますから、ひょっとしたら、あまりヤーコン栽培が進んでいない濃尾平野の道の駅でも、ヤーコン芋を出品してくれるようになるかも。

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ヤーコン博士にお出でいただく [ ヤーコンの普及]

(2011年5月18日)
 5月17日、山口県から、はるばる当地岐阜へ、北陸と滋賀県のヤーコン栽培地の視察のついでとはいえ、ヤーコン博士にお出でいただきました。

 ヤーコン加工食品のトップメーカー、三井ヘルプ㈱渡辺社長さんです。なお、ご自身も、大規模なヤーコン栽培に長く取り組んでおられます。

 午後4時に、渡辺御夫妻に当店(薬屋)へお出でいただき、10時までの6時間、途中でうちの畑を見ていただきながら、懇談させていただきました。

 博士が、ゼロから始められたヤーコン栽培。一切の文献がない中で、手探りの栽培そして加工、製品化。並々ならぬ苦労をされて、やっと今日、どれだけか加工食品の商品化を軌道に乗せることができたといった、お話をお聞きしながら、小生の取り組み状況などを報告し、日本のヤーコン栽培がもっともっと広まるには、どうしたら良いだろうと、情報交換させていただきました。

 ヤーコン博士と小生の出会いは11年前。ヤーコンに惚れこんだ小生のおふくろが、先進地を視察して栽培法を勉強したいと言うものですから、当時、山口県のヤーコン協同組合代表理事をやっておられた渡辺さんを知り、遠路2人で押しかけ、長時間にわたり、栽培ノウハウをご伝授いただいたのが最初です。

 その後は、お会いする機会がなく、電話や手紙、ブログへの投稿で、ご指導いただいたり、情報交換していました。

 一度お会いしたいなあ、という思いが強まっていたところ、タイミング良く、ご訪問いただけることになり、天にも昇る嬉しさでいっぱい。そんなことから、長旅でお疲れのところ、長時間引止めてしまい、申し訳なく思っています。

 さて、共通の課題となっているヤーコン栽培の普及。新品種「アンデスの雪」の登場により、放っておいても大きく広まると期待していたものの、さにあらず。

 在来種に比べ、ひび割れがうんと少なく、収量も多い。これによって、見た目にも良くなり、調理しやすい。また、加工での歩留まりもアップする。

 しかし、どうやら期待していたようには進んでいないようです。

 オリゴ糖高含有で整腸効果が高いという“健康”だけを売り物にしていては、限界がありそう。ジャガイモにはジャガイモならではの美味しい料理があるように、ヤーコン芋ならではの美味しい料理、これを発掘しなければ、大きく普及しない。

 さて、どんな料理があるか。

 小生は、“おでん”の具として大根に勝るヤーコン芋と考えるし、ヤーコン芋だけを水煮してフカひれスープを混ぜた“ふろふきヤーコン”が美味いと考える。

 つまり、ヤーコン芋は“アンデス大根”とPRすれば普及すると思うのだが・・・

 次に、加工食品。その道のプロに言わせると、ヤーコンの姿が分かると良いとのこと。だったら、タクワンと同様な姿の漬物を作っては・・・

 いずれにしても、毎日とは言わないものの、頻繁に結構な量を口にすることができるものでないと大量消費につながらない。たくさん食べてもらえることによって、はじめて普及するのでは・・・

 などなど、話は尽きず、アイデア倒れにならないよう、根気良く啓蒙活動を続けねばならないという結論めいたものになりました。

 なお、大量消費の横綱は、糖尿病を大改善された方で、1回に200キロの注文を定期的になさる。ヤーコン芋以外に何も食べないのではと疑いたくなるほどの量。

 “健康に良い”を一歩進めて、“糖尿病治療”のPRも、これからの検討課題・・・

 ヤーコンの魅力に取り付かれた、ヤーコン博士と小生です。話は尽きず、またの再会を願いつつ、別れを惜しんだところです。

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イノシシに食われない芋、ヤーコン芋の栽培をしよう [ ヤーコンの普及]

(2013年12月16日)
 小生、ヤーコン芋の魅力に取り付かれてから、もう10年以上になります。
 全国各地で、地域の特産品にしようと頑張っておられますし、大量作付けされる農家が独力で販売網を広げられたり、契約栽培して加工品の開発・販売に努力しておられる、などなどヤーコンは少しずつ広がりを見せています。
 また、農林省付属の研究機関も、品種改良に努力しておられます。
 でも、まだまだマイナーな作物で、市場に出回るほどには至っていません。
 小生は、毎年苗を1000個ほど作り、そのほとんどを、ある製薬会社を通して東海北陸の薬屋さんの方々に差し上げ、身内やお客様に栽培していただけるよう、地道に普及活動をしています。
 このブログも、どれだけかでもヤーコンの輪が広がらないかと期待し、公開しているのですが、アクセス者数は1日50人程度で、少々さみしい思いをしています。
 しかし、割と近くにお住まいの方の目に小生のブログが触れました。今年の10月のことです。その方のお住まいの地域は山縁にあり、いろんな作物がイノシシの害に遭うことが多く、何かいい作物はないかと探していたら、ヤーコン芋だったらイノシシの害を受けないとの情報を得て、その栽培法をネットで検索したら、小生のブログに出くわしたとのこと。
 そこで、小生に早速電話がありました。

 たしかに、物の本にはイノシシの害はないと書いてあるけれど、イノシシに荒らされたというブログ記事を目にしたことがあり、安心はできないと、小生は申し上げたのですが、物は試しで、来年栽培に取り組んでみたいとのご希望があり、栽培状況を見ていただきました。
 その方は、岐阜大学工学部の名誉教授で人脈が広く、地域の人望も厚い方のようで、えらくヤーコンに興味を持っていただけました。
 そして、11月末に初収穫したヤーコン芋を12月始めに取りに来ていただき、小生お勧めの料理レシピを添えて5キロ程度をお渡ししました。
 そしたら、今日、あれこれ試食したら皆が美味しいといい、農家の方で栽培したいという方も何人か現れ、来年実行に移したいとのことでした。
 ついては、ヤーコンの収穫作業を農家の方と一緒に見せてもらいたいとのご希望があり、年末前には1畝掘る予定ですから、事前に連絡し、見学していただくことにしました。当然、そのときに掘った芋もどれだけかはお渡しし、別メニューの料理を作っていただいたり、他の方に食べていただいたりしてもらおうと思っています。
 あとは3月に切り分けた種芋をお渡しし、多くの方々に栽培していただけることを望んでいます。きっと、たくさん持っていってくださることでしょう。
 こうして、思わぬ近くでヤーコンの輪が広がろうとしています。
 この輪が何とかうまく軌道に乗ってほしいと願っているところです。

(2014.3.27追記)
 今日、名誉教授ともう1名(農家の方)にお出でいただき、残しておいた1畝分の根塊を切り分けて種芋作りをやっていただき、それを持ち帰っていただいたところです。さすが人脈の広い方で、これでも種芋が不足するようですが、当方も必要な分を残さざるを得ず、3日前に切り分けた種芋を少々追加して差し上げ、それでもって我慢していただくことにしました。

(2019年3月28日追記)
 オピニオンリーダーの岐阜大学工学部の名誉教授の力で、もう1地区がイノシシ対策でヤーコン芋の栽培を始められました。

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老人ホームでヤーコン栽培を始められる [ ヤーコンの普及]

(2014年3月25日)
 今年の1月に、小生のこのブログをご覧になって、滋賀県内のとある老人ホームの方から電話がありました。
 ホームの入居者や通いの方にヤーコンを栽培してもらい、そして食べてもらおうと、お考えになり、ついては栽培法など教えていただきたい、という内容でした。
 そこで、種芋の切り分け作業が終わった頃にお出でいただくこととし、今日、理事長さんはじめ入居者で農業経験のある方など、ご一行が岐阜まで来てくださいました。
 先ずは、収穫済みですがうちのヤーコン畑を見ていただき、その後に自宅の納屋へ案内し、昨日切り分けた種芋1000個超をご覧いただき、とりあえず試験栽培に必要な分を差し上げたところです。
 そして、2月末に掘ったヤーコンの残りと一昨日掘ったヤーコンの一部を差し上げ、まずは試食していただくこととした次第です。
 お聞きするところによると、真夏の気温が35度を超えるような猛暑日は少ないようで、当地より条件が良く、また、ヤーコンの肥料に一番良い牛糞堆肥が近隣から極安で入手できるとのことでもありましたから、高い収量が得られることでしょう。

 差し上げた種芋が順調に育ち、晩秋においしいヤーコンがどっさり収穫できるのをお祈りしているところです。
 ヤーコンはすぐれものです。奇跡の健康野菜と言えます。
 葉っぱは乾燥させてお茶にして飲めば、糖尿病の薬と同等の働きをします。糖(ブドウ糖)の吸収をゆっくりゆっくりさせて、高血糖を防いでくれるのです。糖尿病でない方が飲んでも低血糖になることはなく、どれだけかの整腸効果もあります。
 芋の方は整腸効果抜群です。高含有のオリゴ糖の働きです。
 特に、お年寄りの方は腸の働きが落ちてきますから、整腸剤が欠かせません。どの整腸剤よりも確実に良く効くのがヤーコン芋なのです。お年寄りの皆さん、ヤーコン芋を毎日食べることによって、お通じが良くなり、イキイキ元気になります。

 老人ホームに農地があれば、また近隣で借りられるのであれば、今日来ていただいたホームのように、ヤーコンを大量に栽培され、お年寄りの皆さんに毎日召し上がっていただきたいものです。
 今日来ていただいたホームでは、今年収穫したヤーコンから大量に種芋が作れますから、来年はきっと大量栽培されることでしょう。それも、ホームの入居者や通いの方が勤労奉仕して。
 老人ホームにおけるヤーコン栽培は、正に「一石二鳥」でして、お年寄りの「整腸」と「やる気」をアップさせ、心身ともに健康増進に大きく資することができましょう。
 今日お出でいただいた老人ホームを皮切りにして全国の老人ホームにヤーコン栽培が広がることを夢見ています。

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ヤーコンの栽培を始めて早20年 [ ヤーコンの普及]

(2016年4月6日投稿)
(2019年2月14日修正)
 アンデス原産、奇跡の健康野菜「ヤーコン」DSCN0233.JPG
 これの栽培を始めたのが1997年で、今年(2016年)で早20年目を迎えました。
 農業は皆一緒ですが、基本的に1年に1回しか栽培実験ができません。ああしたらどうだろう、こうしたらどうだろう、連作したらどうなるだろう、とやっていたら、あっという間に20年が経とうとしています。
 やっと19年目の昨年(2015年)当地に最も適した栽培法が見えてきました。今年は、もう一工夫して、ヤーコンにやさしい環境を創りだしであげ、より良質な芋がより多く収穫できないかと期待しています。
 そして、より多くの方々に栽培していただきたく、地道な啓蒙活動を引き続き展開して参りたいと思っています。
 今年で20年になるのを機に、過去を振り返り、総括しました。かなりの長文ですが、ご拝読いただけたら幸いです。

<第1期:在来種ペルーA群での栽培>
 ヤーコンとの出会いは、健康食品「ヤーコン茶」を発売した全薬工業から1997年にヤーコンのポット苗をいただいたのが最初です。
 3年間、手探りで試験栽培した後、ヤーコンの素晴らしさを実感し、2000年に34㎡、その後は約100㎡で本格的に栽培を始めましたが、栽培品種は在来種のペルーA群でして、芋のひび割れが多く、調理が面倒でした。また、甘味がけっこうあって生食には最適でしょうが、調理するとなると炒め物はまずまず美味しく食べられるものの、煮物(特におでん)にはあまり適していませんでした。
 本格栽培を始めた2000年には、ヤーコン栽培の先駆者でヤーコン加工食品に力を入れておられる“ヤーコン博士”渡辺最昭さん(光井ヘルプ㈱社長) を山口県に訪ね、栽培法などをご伝授いただき、また氏の手による著「奇跡の健康野菜ヤーコン」から栽培法を学んで行うも、やはりその土地土地で土壌や気象条件が大きく違いますから、当地(濃尾平野の奥:沖積層、海抜10m)では、お盆過ぎに大量にアブラムシが湧いたり、収穫量も思いのほか上がりませんでした。
 これは、第一に当地が真夏に日本有数の猛暑となり、ヤーコンにとって最悪の気象条件であること、第二に収穫量を上げんと欲張って株間・畝幅を狭くしすぎたことが原因していたことを、何年かして知ったところです。
 また、連作するより輪作のほうがいいですから、輪作を続けたところ、ヤーコンの跡作にトマトを作付けしたら実が色付く直前に全部枯れてしまったり、ナスが不作になったり、それも3、4年は続くという予想外の障害も発生しました。

<第2期:新品種の導入>
 2005年に新品種「ンデスの雪」の試験栽培を行い、ペルーA群と比較したところ、新品種はひび割れも少なく、収量も多いことが分かり、2007年には全面的に作付け品種を変えました。
 そして、2007年からはヤーコン専用畑で連作することにしました。その頃には、株間・畝幅ともに大きく取ればアブラムシの発生もわずかになり、かつ、1株当たりの収量が増えて単位面積当たりの収穫量は変わらないことも判明しました。
 なお、肥料は牛糞堆肥が最適と聞いており、これをメインにしてその他有機肥料を足して栽培しています。連作途中で、納屋で見つけた30年以上前の化学肥料(窒素・リンのみ)をメインにしたところ、やはり不作となりました。
 さらに、2013年に最新品種「アンデスの乙女」の試験栽培を行い、2015年には「アンデスの雪」と半々に栽培し、もう1、2年半々で栽培した後、どちらかに絞ろうかと思っています。今のところ「アンデスの乙女」が良さそうな気がしています。

<第3期:自然農法の導入>
 2015年からは自然農法を取り入れようと試み、雑草との共生を図ることにしました。でも、雑草の繁茂が凄まじく、6月に1回、草刈機でざっと草刈しました。梅雨明け前に再び雑草に負けそうになりましたが、梅雨明け後に猛暑になるも雑草が倒れてヤーコンに十分に日が当たるようになって成育に支障がなくなり、かつ、地面が熱くならずヤーコンの根が熱射から守られたのでしょう、大豊作になりました。
 2016年も雑草を繁茂させて栽培し、また、昨年随分と繁茂した雑草が堆肥化するでしょうから、昨年の畝間に植付けすれば肥料も減らせるのでないかと思っています。

<ヤーコン栽培の普及活動>(2019年から縮小)
 本格的に栽培を始めた翌年(2001年)からは、苗をたくさん作り、近隣の農家の方に配ったり、全薬工業を通して東海北陸の薬局・薬店さんに配送していただき、農業をしていられるお客様などに配布していただいてきました。
 これを毎年続ける一方で、2010年に立ち上げたブログや2014年に立ち上げたホームページで栽培を呼びかけ、2015年からは積極的に種芋を全国各地へ無償進呈してきました。
 そうしたところ、グループで大掛かりに栽培したいと希望される地区がでてきたりして、微力ながらけっこう普及できたのではないかと自己満足しているところです。
 しかしながら、寄る年波には勝てず、2019年からは栽培規模の大幅な縮小、それによる全国各地への種芋の送付ができなくなり、取りに来ていただける方にのみポット苗を進呈することしかできなくなりました。
 申し訳なく思っておりますが、体が続くかぎり、細々ではありますが、普及活動を続けていく所存です。

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