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ヤーコンに含まれるクロロゲン酸は邪魔者 [ヤーコンの特性]

(2017年5月6日)
 ヤーコンには葉、芋ともにクロロゲン酸がけっこう含まれています。
 クロロゲン酸は、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、コーヒーで有名になりました。コーヒー生豆には100g中なんと5~10gものクロロゲン酸が含まれていることから注目されたのです。
 そして、クロロゲン酸は糖質分解酵素活性を阻害する、ある種の糖尿病薬と同質の効果が知られており、“コーヒーを飲めばダイエットになる”と一時騒がれました。
 しかし、コーヒー生豆を焙煎すれば熱でクロロゲン酸は大半が分解してしまい、コーヒー1杯に残存するクロロゲン酸は200mg程度しか含まれていません。
 たったこれだけのクロロゲン酸で果たして効果があるのか、大いに疑問です。
 このことについては、UCCコーヒーが行った研究があります。
 脱カフェインコーヒー豆抽出物の糖質分解酵素阻害活性とクロロゲン酸類の寄与
 この中で、生コーヒー豆からカフェインを抜いた抽出物(主成分はクロロゲン酸)を500mg/kg摂取すると、はっきりとした食後血糖値抑制作用があることが動物実験からですが判明しました。ただし、その3分の1量(167mg/kg)ですと、ほんのわずかな効果しか出ないことも分かりました。ということは、ヒトにあっては、コーヒーを100杯、200杯と飲まなきゃ効果がないということになります。
 さて、クロロゲン酸は冒頭で言いましたように、ヤーコンには葉、芋ともにけっこう含まれています。芋の場合は100g中200mg程度です。一度に食べられる芋の量は200g程度のものでしょう。クロロゲン酸はコーヒー2杯分といったところです。これでは、糖質分解酵素活性を阻害する力はとてもありません。
 一方、葉にもクロロゲン酸がけっこう含まれているようですが、お茶にして飲んだとしても、葉の重量はしれていますから、クロロゲン酸の効果なしとなります。
 ヤーコン葉のお茶には、普通に飲むだけではっきりとした食後血糖値抑制作用があることが判明しているのですが、その効果がどの物質で出ているのか全く判明していません。幾つかの物質の相乗効果によるものと考えられます。
 また、ヤーコン芋にも同様な作用がありそうですが、これはフラクトオリゴ糖による腸内環境の大改善によるところが大きいと考えられます。

 ところで、ヤーコン芋のクロロゲン酸は、逆に困り者です。クロロゲン酸はけっこう多くの野菜や果物に抗酸化物質として含まれているのですが、皮をむいたり切ったりすると黒ずんできます。酸素に触れて変色するのです。リンゴがそうです。
 通常の野菜や果物にはヤーコン芋の10分の1程度しかクロロゲン酸が含まれていませんから、さほどどってことないですが、ヤーコン芋と同等量含まれているのがゴボウです。よって、ゴボウは黒ずまないよう、水にさらすのが普通です。
 ヤーコン芋も調理によっては、水にさらす必要があります。ただし、芋を水にさらし過ぎると、水溶性のフラクトオリゴ糖が溶け出しますから、もったいないです。
 なお、サラダにして召し上がる場合、リンゴと同様にレモン汁などの酸を薄くのばしてかけてやれば黒ずみを防げますから、サラダにはレモン汁は必須でしょうね。
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