イノシシに食われない芋、ヤーコン芋の栽培をしよう [ ヤーコンの普及]
(2013年12月16日)
小生、ヤーコン芋の魅力に取り付かれてから、もう10年以上になります。
全国各地で、地域の特産品にしようと頑張っておられますし、大量作付けされる農家が独力で販売網を広げられたり、契約栽培して加工品の開発・販売に努力しておられる、などなどヤーコンは少しずつ広がりを見せています。
また、農林省付属の研究機関も、品種改良に努力しておられます。
でも、まだまだマイナーな作物で、市場に出回るほどには至っていません。
小生は、毎年苗を1000個ほど作り、そのほとんどを、ある製薬会社を通して東海北陸の薬屋さんの方々に差し上げ、身内やお客様に栽培していただけるよう、地道に普及活動をしています。
このブログも、どれだけかでもヤーコンの輪が広がらないかと期待し、公開しているのですが、アクセス者数は1日50人程度で、少々さみしい思いをしています。
しかし、割と近くにお住まいの方の目に小生のブログが触れました。今年の10月のことです。その方のお住まいの地域は山縁にあり、いろんな作物がイノシシの害に遭うことが多く、何かいい作物はないかと探していたら、ヤーコン芋だったらイノシシの害を受けないとの情報を得て、その栽培法をネットで検索したら、小生のブログに出くわしたとのこと。
そこで、小生に早速電話がありました。
たしかに、物の本にはイノシシの害はないと書いてあるけれど、イノシシに荒らされたというブログ記事を目にしたことがあり、安心はできないと、小生は申し上げたのですが、物は試しで、来年栽培に取り組んでみたいとのご希望があり、栽培状況を見ていただきました。
その方は、岐阜大学工学部の名誉教授で人脈が広く、地域の人望も厚い方のようで、えらくヤーコンに興味を持っていただけました。
そして、11月末に初収穫したヤーコン芋を12月始めに取りに来ていただき、小生お勧めの料理レシピを添えて5キロ程度をお渡ししました。
そしたら、今日、あれこれ試食したら皆が美味しいといい、農家の方で栽培したいという方も何人か現れ、来年実行に移したいとのことでした。
ついては、ヤーコンの収穫作業を農家の方と一緒に見せてもらいたいとのご希望があり、年末前には1畝掘る予定ですから、事前に連絡し、見学していただくことにしました。当然、そのときに掘った芋もどれだけかはお渡しし、別メニューの料理を作っていただいたり、他の方に食べていただいたりしてもらおうと思っています。
あとは3月に切り分けた種芋をお渡しし、多くの方々に栽培していただけることを望んでいます。きっと、たくさん持っていってくださることでしょう。
こうして、思わぬ近くでヤーコンの輪が広がろうとしています。
この輪が何とかうまく軌道に乗ってほしいと願っているところです。
(2014.3.27追記)
今日、名誉教授ともう1名(農家の方)にお出でいただき、残しておいた1畝分の根塊を切り分けて種芋作りをやっていただき、それを持ち帰っていただいたところです。さすが人脈の広い方で、これでも種芋が不足するようですが、当方も必要な分を残さざるを得ず、3日前に切り分けた種芋を少々追加して差し上げ、それでもって我慢していただくことにしました。
(2019年3月28日追記)
オピニオンリーダーの岐阜大学工学部の名誉教授の力で、もう1地区がイノシシ対策でヤーコン芋の栽培を始められました。
小生、ヤーコン芋の魅力に取り付かれてから、もう10年以上になります。
全国各地で、地域の特産品にしようと頑張っておられますし、大量作付けされる農家が独力で販売網を広げられたり、契約栽培して加工品の開発・販売に努力しておられる、などなどヤーコンは少しずつ広がりを見せています。
また、農林省付属の研究機関も、品種改良に努力しておられます。
でも、まだまだマイナーな作物で、市場に出回るほどには至っていません。
小生は、毎年苗を1000個ほど作り、そのほとんどを、ある製薬会社を通して東海北陸の薬屋さんの方々に差し上げ、身内やお客様に栽培していただけるよう、地道に普及活動をしています。
このブログも、どれだけかでもヤーコンの輪が広がらないかと期待し、公開しているのですが、アクセス者数は1日50人程度で、少々さみしい思いをしています。
しかし、割と近くにお住まいの方の目に小生のブログが触れました。今年の10月のことです。その方のお住まいの地域は山縁にあり、いろんな作物がイノシシの害に遭うことが多く、何かいい作物はないかと探していたら、ヤーコン芋だったらイノシシの害を受けないとの情報を得て、その栽培法をネットで検索したら、小生のブログに出くわしたとのこと。
そこで、小生に早速電話がありました。
たしかに、物の本にはイノシシの害はないと書いてあるけれど、イノシシに荒らされたというブログ記事を目にしたことがあり、安心はできないと、小生は申し上げたのですが、物は試しで、来年栽培に取り組んでみたいとのご希望があり、栽培状況を見ていただきました。
その方は、岐阜大学工学部の名誉教授で人脈が広く、地域の人望も厚い方のようで、えらくヤーコンに興味を持っていただけました。
そして、11月末に初収穫したヤーコン芋を12月始めに取りに来ていただき、小生お勧めの料理レシピを添えて5キロ程度をお渡ししました。
そしたら、今日、あれこれ試食したら皆が美味しいといい、農家の方で栽培したいという方も何人か現れ、来年実行に移したいとのことでした。
ついては、ヤーコンの収穫作業を農家の方と一緒に見せてもらいたいとのご希望があり、年末前には1畝掘る予定ですから、事前に連絡し、見学していただくことにしました。当然、そのときに掘った芋もどれだけかはお渡しし、別メニューの料理を作っていただいたり、他の方に食べていただいたりしてもらおうと思っています。
あとは3月に切り分けた種芋をお渡しし、多くの方々に栽培していただけることを望んでいます。きっと、たくさん持っていってくださることでしょう。
こうして、思わぬ近くでヤーコンの輪が広がろうとしています。
この輪が何とかうまく軌道に乗ってほしいと願っているところです。
(2014.3.27追記)
今日、名誉教授ともう1名(農家の方)にお出でいただき、残しておいた1畝分の根塊を切り分けて種芋作りをやっていただき、それを持ち帰っていただいたところです。さすが人脈の広い方で、これでも種芋が不足するようですが、当方も必要な分を残さざるを得ず、3日前に切り分けた種芋を少々追加して差し上げ、それでもって我慢していただくことにしました。
(2019年3月28日追記)
オピニオンリーダーの岐阜大学工学部の名誉教授の力で、もう1地区がイノシシ対策でヤーコン芋の栽培を始められました。
老人ホームでヤーコン栽培を始められる [ ヤーコンの普及]
(2014年3月25日)
今年の1月に、小生のこのブログをご覧になって、滋賀県内のとある老人ホームの方から電話がありました。
ホームの入居者や通いの方にヤーコンを栽培してもらい、そして食べてもらおうと、お考えになり、ついては栽培法など教えていただきたい、という内容でした。
そこで、種芋の切り分け作業が終わった頃にお出でいただくこととし、今日、理事長さんはじめ入居者で農業経験のある方など、ご一行が岐阜まで来てくださいました。
先ずは、収穫済みですがうちのヤーコン畑を見ていただき、その後に自宅の納屋へ案内し、昨日切り分けた種芋1000個超をご覧いただき、とりあえず試験栽培に必要な分を差し上げたところです。
そして、2月末に掘ったヤーコンの残りと一昨日掘ったヤーコンの一部を差し上げ、まずは試食していただくこととした次第です。
お聞きするところによると、真夏の気温が35度を超えるような猛暑日は少ないようで、当地より条件が良く、また、ヤーコンの肥料に一番良い牛糞堆肥が近隣から極安で入手できるとのことでもありましたから、高い収量が得られることでしょう。
差し上げた種芋が順調に育ち、晩秋においしいヤーコンがどっさり収穫できるのをお祈りしているところです。
ヤーコンはすぐれものです。奇跡の健康野菜と言えます。
葉っぱは乾燥させてお茶にして飲めば、糖尿病の薬と同等の働きをします。糖(ブドウ糖)の吸収をゆっくりゆっくりさせて、高血糖を防いでくれるのです。糖尿病でない方が飲んでも低血糖になることはなく、どれだけかの整腸効果もあります。
芋の方は整腸効果抜群です。高含有のオリゴ糖の働きです。
特に、お年寄りの方は腸の働きが落ちてきますから、整腸剤が欠かせません。どの整腸剤よりも確実に良く効くのがヤーコン芋なのです。お年寄りの皆さん、ヤーコン芋を毎日食べることによって、お通じが良くなり、イキイキ元気になります。
老人ホームに農地があれば、また近隣で借りられるのであれば、今日来ていただいたホームのように、ヤーコンを大量に栽培され、お年寄りの皆さんに毎日召し上がっていただきたいものです。
今日来ていただいたホームでは、今年収穫したヤーコンから大量に種芋が作れますから、来年はきっと大量栽培されることでしょう。それも、ホームの入居者や通いの方が勤労奉仕して。
老人ホームにおけるヤーコン栽培は、正に「一石二鳥」でして、お年寄りの「整腸」と「やる気」をアップさせ、心身ともに健康増進に大きく資することができましょう。
今日お出でいただいた老人ホームを皮切りにして全国の老人ホームにヤーコン栽培が広がることを夢見ています。
今年の1月に、小生のこのブログをご覧になって、滋賀県内のとある老人ホームの方から電話がありました。
ホームの入居者や通いの方にヤーコンを栽培してもらい、そして食べてもらおうと、お考えになり、ついては栽培法など教えていただきたい、という内容でした。
そこで、種芋の切り分け作業が終わった頃にお出でいただくこととし、今日、理事長さんはじめ入居者で農業経験のある方など、ご一行が岐阜まで来てくださいました。
先ずは、収穫済みですがうちのヤーコン畑を見ていただき、その後に自宅の納屋へ案内し、昨日切り分けた種芋1000個超をご覧いただき、とりあえず試験栽培に必要な分を差し上げたところです。
そして、2月末に掘ったヤーコンの残りと一昨日掘ったヤーコンの一部を差し上げ、まずは試食していただくこととした次第です。
お聞きするところによると、真夏の気温が35度を超えるような猛暑日は少ないようで、当地より条件が良く、また、ヤーコンの肥料に一番良い牛糞堆肥が近隣から極安で入手できるとのことでもありましたから、高い収量が得られることでしょう。
差し上げた種芋が順調に育ち、晩秋においしいヤーコンがどっさり収穫できるのをお祈りしているところです。
ヤーコンはすぐれものです。奇跡の健康野菜と言えます。
葉っぱは乾燥させてお茶にして飲めば、糖尿病の薬と同等の働きをします。糖(ブドウ糖)の吸収をゆっくりゆっくりさせて、高血糖を防いでくれるのです。糖尿病でない方が飲んでも低血糖になることはなく、どれだけかの整腸効果もあります。
芋の方は整腸効果抜群です。高含有のオリゴ糖の働きです。
特に、お年寄りの方は腸の働きが落ちてきますから、整腸剤が欠かせません。どの整腸剤よりも確実に良く効くのがヤーコン芋なのです。お年寄りの皆さん、ヤーコン芋を毎日食べることによって、お通じが良くなり、イキイキ元気になります。
老人ホームに農地があれば、また近隣で借りられるのであれば、今日来ていただいたホームのように、ヤーコンを大量に栽培され、お年寄りの皆さんに毎日召し上がっていただきたいものです。
今日来ていただいたホームでは、今年収穫したヤーコンから大量に種芋が作れますから、来年はきっと大量栽培されることでしょう。それも、ホームの入居者や通いの方が勤労奉仕して。
老人ホームにおけるヤーコン栽培は、正に「一石二鳥」でして、お年寄りの「整腸」と「やる気」をアップさせ、心身ともに健康増進に大きく資することができましょう。
今日お出でいただいた老人ホームを皮切りにして全国の老人ホームにヤーコン栽培が広がることを夢見ています。
ヤーコンの栽培を始めて早20年 [ ヤーコンの普及]
(2016年4月6日投稿)
(2019年2月14日修正)
アンデス原産、奇跡の健康野菜「ヤーコン」
これの栽培を始めたのが1997年で、今年(2016年)で早20年目を迎えました。
農業は皆一緒ですが、基本的に1年に1回しか栽培実験ができません。ああしたらどうだろう、こうしたらどうだろう、連作したらどうなるだろう、とやっていたら、あっという間に20年が経とうとしています。
やっと19年目の昨年(2015年)当地に最も適した栽培法が見えてきました。今年は、もう一工夫して、ヤーコンにやさしい環境を創りだしであげ、より良質な芋がより多く収穫できないかと期待しています。
そして、より多くの方々に栽培していただきたく、地道な啓蒙活動を引き続き展開して参りたいと思っています。
今年で20年になるのを機に、過去を振り返り、総括しました。かなりの長文ですが、ご拝読いただけたら幸いです。
<第1期:在来種ペルーA群での栽培>
ヤーコンとの出会いは、健康食品「ヤーコン茶」を発売した全薬工業から1997年にヤーコンのポット苗をいただいたのが最初です。
3年間、手探りで試験栽培した後、ヤーコンの素晴らしさを実感し、2000年に34㎡、その後は約100㎡で本格的に栽培を始めましたが、栽培品種は在来種のペルーA群でして、芋のひび割れが多く、調理が面倒でした。また、甘味がけっこうあって生食には最適でしょうが、調理するとなると炒め物はまずまず美味しく食べられるものの、煮物(特におでん)にはあまり適していませんでした。
本格栽培を始めた2000年には、ヤーコン栽培の先駆者でヤーコン加工食品に力を入れておられる“ヤーコン博士”渡辺最昭さん(光井ヘルプ㈱社長) を山口県に訪ね、栽培法などをご伝授いただき、また氏の手による著「奇跡の健康野菜ヤーコン」から栽培法を学んで行うも、やはりその土地土地で土壌や気象条件が大きく違いますから、当地(濃尾平野の奥:沖積層、海抜10m)では、お盆過ぎに大量にアブラムシが湧いたり、収穫量も思いのほか上がりませんでした。
これは、第一に当地が真夏に日本有数の猛暑となり、ヤーコンにとって最悪の気象条件であること、第二に収穫量を上げんと欲張って株間・畝幅を狭くしすぎたことが原因していたことを、何年かして知ったところです。
また、連作するより輪作のほうがいいですから、輪作を続けたところ、ヤーコンの跡作にトマトを作付けしたら実が色付く直前に全部枯れてしまったり、ナスが不作になったり、それも3、4年は続くという予想外の障害も発生しました。
<第2期:新品種の導入>
2005年に新品種「ンデスの雪」の試験栽培を行い、ペルーA群と比較したところ、新品種はひび割れも少なく、収量も多いことが分かり、2007年には全面的に作付け品種を変えました。
そして、2007年からはヤーコン専用畑で連作することにしました。その頃には、株間・畝幅ともに大きく取ればアブラムシの発生もわずかになり、かつ、1株当たりの収量が増えて単位面積当たりの収穫量は変わらないことも判明しました。
なお、肥料は牛糞堆肥が最適と聞いており、これをメインにしてその他有機肥料を足して栽培しています。連作途中で、納屋で見つけた30年以上前の化学肥料(窒素・リンのみ)をメインにしたところ、やはり不作となりました。
さらに、2013年に最新品種「アンデスの乙女」の試験栽培を行い、2015年には「アンデスの雪」と半々に栽培し、もう1、2年半々で栽培した後、どちらかに絞ろうかと思っています。今のところ「アンデスの乙女」が良さそうな気がしています。
<第3期:自然農法の導入>
2015年からは自然農法を取り入れようと試み、雑草との共生を図ることにしました。でも、雑草の繁茂が凄まじく、6月に1回、草刈機でざっと草刈しました。梅雨明け前に再び雑草に負けそうになりましたが、梅雨明け後に猛暑になるも雑草が倒れてヤーコンに十分に日が当たるようになって成育に支障がなくなり、かつ、地面が熱くならずヤーコンの根が熱射から守られたのでしょう、大豊作になりました。
2016年も雑草を繁茂させて栽培し、また、昨年随分と繁茂した雑草が堆肥化するでしょうから、昨年の畝間に植付けすれば肥料も減らせるのでないかと思っています。
<ヤーコン栽培の普及活動>(2019年から縮小)
本格的に栽培を始めた翌年(2001年)からは、苗をたくさん作り、近隣の農家の方に配ったり、全薬工業を通して東海北陸の薬局・薬店さんに配送していただき、農業をしていられるお客様などに配布していただいてきました。
これを毎年続ける一方で、2010年に立ち上げたブログや2014年に立ち上げたホームページで栽培を呼びかけ、2015年からは積極的に種芋を全国各地へ無償進呈してきました。
そうしたところ、グループで大掛かりに栽培したいと希望される地区がでてきたりして、微力ながらけっこう普及できたのではないかと自己満足しているところです。
しかしながら、寄る年波には勝てず、2019年からは栽培規模の大幅な縮小、それによる全国各地への種芋の送付ができなくなり、取りに来ていただける方にのみポット苗を進呈することしかできなくなりました。
申し訳なく思っておりますが、体が続くかぎり、細々ではありますが、普及活動を続けていく所存です。
(2019年2月14日修正)
アンデス原産、奇跡の健康野菜「ヤーコン」
これの栽培を始めたのが1997年で、今年(2016年)で早20年目を迎えました。
農業は皆一緒ですが、基本的に1年に1回しか栽培実験ができません。ああしたらどうだろう、こうしたらどうだろう、連作したらどうなるだろう、とやっていたら、あっという間に20年が経とうとしています。
やっと19年目の昨年(2015年)当地に最も適した栽培法が見えてきました。今年は、もう一工夫して、ヤーコンにやさしい環境を創りだしであげ、より良質な芋がより多く収穫できないかと期待しています。
そして、より多くの方々に栽培していただきたく、地道な啓蒙活動を引き続き展開して参りたいと思っています。
今年で20年になるのを機に、過去を振り返り、総括しました。かなりの長文ですが、ご拝読いただけたら幸いです。
<第1期:在来種ペルーA群での栽培>
ヤーコンとの出会いは、健康食品「ヤーコン茶」を発売した全薬工業から1997年にヤーコンのポット苗をいただいたのが最初です。
3年間、手探りで試験栽培した後、ヤーコンの素晴らしさを実感し、2000年に34㎡、その後は約100㎡で本格的に栽培を始めましたが、栽培品種は在来種のペルーA群でして、芋のひび割れが多く、調理が面倒でした。また、甘味がけっこうあって生食には最適でしょうが、調理するとなると炒め物はまずまず美味しく食べられるものの、煮物(特におでん)にはあまり適していませんでした。
本格栽培を始めた2000年には、ヤーコン栽培の先駆者でヤーコン加工食品に力を入れておられる“ヤーコン博士”渡辺最昭さん(光井ヘルプ㈱社長) を山口県に訪ね、栽培法などをご伝授いただき、また氏の手による著「奇跡の健康野菜ヤーコン」から栽培法を学んで行うも、やはりその土地土地で土壌や気象条件が大きく違いますから、当地(濃尾平野の奥:沖積層、海抜10m)では、お盆過ぎに大量にアブラムシが湧いたり、収穫量も思いのほか上がりませんでした。
これは、第一に当地が真夏に日本有数の猛暑となり、ヤーコンにとって最悪の気象条件であること、第二に収穫量を上げんと欲張って株間・畝幅を狭くしすぎたことが原因していたことを、何年かして知ったところです。
また、連作するより輪作のほうがいいですから、輪作を続けたところ、ヤーコンの跡作にトマトを作付けしたら実が色付く直前に全部枯れてしまったり、ナスが不作になったり、それも3、4年は続くという予想外の障害も発生しました。
<第2期:新品種の導入>
2005年に新品種「ンデスの雪」の試験栽培を行い、ペルーA群と比較したところ、新品種はひび割れも少なく、収量も多いことが分かり、2007年には全面的に作付け品種を変えました。
そして、2007年からはヤーコン専用畑で連作することにしました。その頃には、株間・畝幅ともに大きく取ればアブラムシの発生もわずかになり、かつ、1株当たりの収量が増えて単位面積当たりの収穫量は変わらないことも判明しました。
なお、肥料は牛糞堆肥が最適と聞いており、これをメインにしてその他有機肥料を足して栽培しています。連作途中で、納屋で見つけた30年以上前の化学肥料(窒素・リンのみ)をメインにしたところ、やはり不作となりました。
さらに、2013年に最新品種「アンデスの乙女」の試験栽培を行い、2015年には「アンデスの雪」と半々に栽培し、もう1、2年半々で栽培した後、どちらかに絞ろうかと思っています。今のところ「アンデスの乙女」が良さそうな気がしています。
<第3期:自然農法の導入>
2015年からは自然農法を取り入れようと試み、雑草との共生を図ることにしました。でも、雑草の繁茂が凄まじく、6月に1回、草刈機でざっと草刈しました。梅雨明け前に再び雑草に負けそうになりましたが、梅雨明け後に猛暑になるも雑草が倒れてヤーコンに十分に日が当たるようになって成育に支障がなくなり、かつ、地面が熱くならずヤーコンの根が熱射から守られたのでしょう、大豊作になりました。
2016年も雑草を繁茂させて栽培し、また、昨年随分と繁茂した雑草が堆肥化するでしょうから、昨年の畝間に植付けすれば肥料も減らせるのでないかと思っています。
<ヤーコン栽培の普及活動>(2019年から縮小)
本格的に栽培を始めた翌年(2001年)からは、苗をたくさん作り、近隣の農家の方に配ったり、全薬工業を通して東海北陸の薬局・薬店さんに配送していただき、農業をしていられるお客様などに配布していただいてきました。
これを毎年続ける一方で、2010年に立ち上げたブログや2014年に立ち上げたホームページで栽培を呼びかけ、2015年からは積極的に種芋を全国各地へ無償進呈してきました。
そうしたところ、グループで大掛かりに栽培したいと希望される地区がでてきたりして、微力ながらけっこう普及できたのではないかと自己満足しているところです。
しかしながら、寄る年波には勝てず、2019年からは栽培規模の大幅な縮小、それによる全国各地への種芋の送付ができなくなり、取りに来ていただける方にのみポット苗を進呈することしかできなくなりました。
申し訳なく思っておりますが、体が続くかぎり、細々ではありますが、普及活動を続けていく所存です。
頑張っているヤーコン農家に少しは役に立てたかな [ ヤーコンの普及]
(2018年10月6日)
東北地方で、2、3年前にヤーコン栽培を始められた方から、今までに2回ほど栽培法や保管法についてあれこれ問い合わせがあった。
小生がヤーコンについて、いろいろとこの「ヤーコンおやじのブログ」で書いているから、それを見てのことだ。
昨日、その方からまたまた長電話があり、小生の経験や教本に書いてあることを踏まえてお話させていただいたところである。どれだけかは参考になり、少しは役に立てたかな、と自分勝手に思っている。
ところで、当地岐阜も随分と有名になったものである。彼の地でも、今年の猛暑は特に岐阜がひどかったとの印象をお持ちだ。実際、そのとおりであり、暑さに弱いヤーコンにとって地獄の今夏、大凶作になりそうだ。
一方、東北のその方は、山べりでの栽培で夏も涼しく、昨年は1株当たり3~5kgの収穫であったとのこと。
当地岐阜では気象条件がいいときで1株当たり3kg強だから、やはりヤーコンは涼しい気候が適地であることを思い知らされた。
その方は今年(昨年も?)500株の栽培とのことであるから、うちの6倍の規模、たぶん半反(150坪)ほどとなろう。将来的には3000株を予定しているとのことであるから3反(900坪)作付けである。
500株栽培だと、ヤーコン芋の収量は2トン、3000株だと10トンを超える。これだけの量を掘るとなると何人か雇わねばならず、昨年はそうされたとのことであるが、将来的にはヤーコンを掘る機械でもあればそれをリースしたいとの希望で、そうした機械があるのかとの質問。山陰のヤーコン大規模栽培農家は、サツマイモを掘る機械を使っておられるとの情報を得ているので、そう話させていただいた。
規模が大きいと、掘るのも大変、保管も大変。
加えて掘る時期も神経を使う。例年より早く雪がドカッと降れば根雪となってしまって掘るに掘れなくなる。当地岐阜の山間地でも、そうした苦い経験をお持ちのグループがあった。雪がたいして降らない温暖地のように冬期の間に必要な量を順次掘っていくというような流暢な方法は取れないのであるから、栽培適地であっても、別の苦労がある。
一気に掘ってしまうと、その保管も大規模なものとなり、その方法についても、小生の知る限りの情報を提供させていただいた。
さて、販路であるが、上手に卸屋さんを見つけ出し、その卸屋さんが小袋に入れて販売店に卸しておられる。それも、採算が十分合うように高値設定ときた。健康野菜のヤーコンであるから、こうでなくっちゃ、である。
ちなみに、その価格は卸でキロ300円、小売でキロ500円程度のようである。サツマイモと同程度の価格設定だ。芋の形がサツマイモに類似しているから、これがちょうどいい。
数少ないヤーコン栽培の成功例として、この方のますますのご発展を祈っている。小生が少しでもこの方のお役に立てれば、この上ない幸せ。
東北地方で、2、3年前にヤーコン栽培を始められた方から、今までに2回ほど栽培法や保管法についてあれこれ問い合わせがあった。
小生がヤーコンについて、いろいろとこの「ヤーコンおやじのブログ」で書いているから、それを見てのことだ。
昨日、その方からまたまた長電話があり、小生の経験や教本に書いてあることを踏まえてお話させていただいたところである。どれだけかは参考になり、少しは役に立てたかな、と自分勝手に思っている。
ところで、当地岐阜も随分と有名になったものである。彼の地でも、今年の猛暑は特に岐阜がひどかったとの印象をお持ちだ。実際、そのとおりであり、暑さに弱いヤーコンにとって地獄の今夏、大凶作になりそうだ。
一方、東北のその方は、山べりでの栽培で夏も涼しく、昨年は1株当たり3~5kgの収穫であったとのこと。
当地岐阜では気象条件がいいときで1株当たり3kg強だから、やはりヤーコンは涼しい気候が適地であることを思い知らされた。
その方は今年(昨年も?)500株の栽培とのことであるから、うちの6倍の規模、たぶん半反(150坪)ほどとなろう。将来的には3000株を予定しているとのことであるから3反(900坪)作付けである。
500株栽培だと、ヤーコン芋の収量は2トン、3000株だと10トンを超える。これだけの量を掘るとなると何人か雇わねばならず、昨年はそうされたとのことであるが、将来的にはヤーコンを掘る機械でもあればそれをリースしたいとの希望で、そうした機械があるのかとの質問。山陰のヤーコン大規模栽培農家は、サツマイモを掘る機械を使っておられるとの情報を得ているので、そう話させていただいた。
規模が大きいと、掘るのも大変、保管も大変。
加えて掘る時期も神経を使う。例年より早く雪がドカッと降れば根雪となってしまって掘るに掘れなくなる。当地岐阜の山間地でも、そうした苦い経験をお持ちのグループがあった。雪がたいして降らない温暖地のように冬期の間に必要な量を順次掘っていくというような流暢な方法は取れないのであるから、栽培適地であっても、別の苦労がある。
一気に掘ってしまうと、その保管も大規模なものとなり、その方法についても、小生の知る限りの情報を提供させていただいた。
さて、販路であるが、上手に卸屋さんを見つけ出し、その卸屋さんが小袋に入れて販売店に卸しておられる。それも、採算が十分合うように高値設定ときた。健康野菜のヤーコンであるから、こうでなくっちゃ、である。
ちなみに、その価格は卸でキロ300円、小売でキロ500円程度のようである。サツマイモと同程度の価格設定だ。芋の形がサツマイモに類似しているから、これがちょうどいい。
数少ないヤーコン栽培の成功例として、この方のますますのご発展を祈っている。小生が少しでもこの方のお役に立てれば、この上ない幸せ。
ヤーコン新品種の種芋や苗の値段が高い理由が分かりました [ ヤーコンの普及]
(2013年4月6日投稿)
(最終修正:2019年3月27日)
ヤーコンの新品種「アンデスの雪」を毎年栽培し、収穫した根塊(上部の塊)を保存し、それを切り分けて種芋を作っていました。しかし、2010年の猛暑に遭って以来、収穫した食用芋にゴツゴツしたものが多くなった感じがします。
これは、きっと猛暑で新品種が痛めつけられて先祖帰りしたのではなかろうか。
そう思って、今年、種苗会社から「アンデスの雪」の種芋を15個購入しました。
種苗会社なら、栽培適地でちゃんと管理して、いい芋が採れる種芋を提供してくれると思ったからです。けっこう値が張りますが止むを得ません。
これを今年1畝作付けし、採れた芋を比較してみて、明らかにいい芋が採れたのであれば、これでもって今後の種芋作りをしようと思っていたところです。
さて、今日、注文した種芋が届きました。
開けてみると、次のような札が付いています。
“登録品種につき、権利者に許可なく増殖・販売出来ません”
あれれ??
そこで、ネットで検索し、調べて見ますと、次のようです。
アンデスの雪 品種登録 2005.12.07 近畿中国四国農業研究センター
有効期限25年(2030.12.07まで)
育成者権 農研機構(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
(なお、上記研究センターは農研機構に所属する下部組織)
そして、“許諾を得ない種苗の生産・販売(譲渡)等を行なえば、種苗法に基づき罰せられます”との注意書きもありました。
なお、許諾については、種苗業者に対して複雑な手続きが書いてあり、利用料を支払うことになっています。
このことから、今売られている新品種「アンデスの雪」の種芋や苗の値段がなぜに高いのかが分かりました。これは、ごもっともなことでしょう。
しかし、ヤーコンを大々的に生産する農家ならまだしも、自家用に栽培するだけの人であっても、「増殖」行為は罪になるようです。初めて知りました。
うちでは、皆さんの要望が多いものですから、根塊を切り分けて種芋をたくさん作り、苗を育てて、これを無料で差し上げていたのですが…。
今まで法律違反をしていたようです。
種苗法に基づく品種登録により、新品種開発者は開発資金を回収できるのであり、これはしごく当然のことです。
でも、国の機関である農研機構は国策としてヤーコン栽培の普及にも積極的で、どちらかといえばこれがメインでして、新品種利用料を稼ごうなどとは思っていません。財務省とのかかわりの中で、こうしたポーズをとらざるを得ないというのが正直なところでしょう。
よって、営利を目的としないものはもちろん、農家が自家採取した種芋でヤーコンを栽培して販売しても、種苗法違反は黙認されると考えています。
ただし、ヤーコン御殿が建つほどにヤーコンで大儲けした場合は別でしょうが。このような大儲けで、農家がお縄頂戴となるようなヤーコン大普及を夢見ています。
参考までに、品種登録されているヤーコンは次のものです。
アンデスの雪 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
肉質は白色で、甘味が少なく淡白な味
保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない
保存性は「アンデスの乙女」より良い
サラダオトメ 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
肉質は黄白色で、甘味が少なく淡白な味
保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない
サラダオカメ 表面がゴツゴツしていて外観が悪い
肉質はオレンジ色で、最初から甘味がけっこうある
でも、オリゴ糖の含有量は他の新品種と同程度ある
アンデスの乙女 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
肉質は黄白色で、甘味が少なく淡白な味
(「アンデスの雪」より若干甘味がある)
芋の表皮の色は、他の新品種とは違って赤紫色
(ただし、数日すると酸化して黒っぽくなります。)
保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない
保存性は「アンデスの雪」より悪い
(水分が抜けて、中身がレンコン様の巣が入るようになる)
(最終修正:2019年3月27日)
ヤーコンの新品種「アンデスの雪」を毎年栽培し、収穫した根塊(上部の塊)を保存し、それを切り分けて種芋を作っていました。しかし、2010年の猛暑に遭って以来、収穫した食用芋にゴツゴツしたものが多くなった感じがします。
これは、きっと猛暑で新品種が痛めつけられて先祖帰りしたのではなかろうか。
そう思って、今年、種苗会社から「アンデスの雪」の種芋を15個購入しました。
種苗会社なら、栽培適地でちゃんと管理して、いい芋が採れる種芋を提供してくれると思ったからです。けっこう値が張りますが止むを得ません。
これを今年1畝作付けし、採れた芋を比較してみて、明らかにいい芋が採れたのであれば、これでもって今後の種芋作りをしようと思っていたところです。
さて、今日、注文した種芋が届きました。
開けてみると、次のような札が付いています。
“登録品種につき、権利者に許可なく増殖・販売出来ません”
あれれ??
そこで、ネットで検索し、調べて見ますと、次のようです。
アンデスの雪 品種登録 2005.12.07 近畿中国四国農業研究センター
有効期限25年(2030.12.07まで)
育成者権 農研機構(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
(なお、上記研究センターは農研機構に所属する下部組織)
そして、“許諾を得ない種苗の生産・販売(譲渡)等を行なえば、種苗法に基づき罰せられます”との注意書きもありました。
なお、許諾については、種苗業者に対して複雑な手続きが書いてあり、利用料を支払うことになっています。
このことから、今売られている新品種「アンデスの雪」の種芋や苗の値段がなぜに高いのかが分かりました。これは、ごもっともなことでしょう。
しかし、ヤーコンを大々的に生産する農家ならまだしも、自家用に栽培するだけの人であっても、「増殖」行為は罪になるようです。初めて知りました。
うちでは、皆さんの要望が多いものですから、根塊を切り分けて種芋をたくさん作り、苗を育てて、これを無料で差し上げていたのですが…。
今まで法律違反をしていたようです。
種苗法に基づく品種登録により、新品種開発者は開発資金を回収できるのであり、これはしごく当然のことです。
でも、国の機関である農研機構は国策としてヤーコン栽培の普及にも積極的で、どちらかといえばこれがメインでして、新品種利用料を稼ごうなどとは思っていません。財務省とのかかわりの中で、こうしたポーズをとらざるを得ないというのが正直なところでしょう。
よって、営利を目的としないものはもちろん、農家が自家採取した種芋でヤーコンを栽培して販売しても、種苗法違反は黙認されると考えています。
ただし、ヤーコン御殿が建つほどにヤーコンで大儲けした場合は別でしょうが。このような大儲けで、農家がお縄頂戴となるようなヤーコン大普及を夢見ています。
参考までに、品種登録されているヤーコンは次のものです。
アンデスの雪 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
肉質は白色で、甘味が少なく淡白な味
保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない
保存性は「アンデスの乙女」より良い
サラダオトメ 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
肉質は黄白色で、甘味が少なく淡白な味
保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない
サラダオカメ 表面がゴツゴツしていて外観が悪い
肉質はオレンジ色で、最初から甘味がけっこうある
でも、オリゴ糖の含有量は他の新品種と同程度ある
アンデスの乙女 表面のゴツゴツ感が少なく、芋のひび割れが少ない
肉質は黄白色で、甘味が少なく淡白な味
(「アンデスの雪」より若干甘味がある)
芋の表皮の色は、他の新品種とは違って赤紫色
(ただし、数日すると酸化して黒っぽくなります。)
保存しておいてもオリゴ糖の分解は少なく、甘味は増さない
保存性は「アンデスの雪」より悪い
(水分が抜けて、中身がレンコン様の巣が入るようになる)
ヤーコン栽培年間スケジュール(旧版) [ 年間スケジュール]
ヤーコンの概要
人の背丈より高くなるヤーコン。
葉っぱは糖の吸収抑制作用があり、高血糖の改善に効果が高いです。乾燥させてお茶として使うと良いです。
地下の芋はオリゴ糖たっぷりで、整腸作用が抜群です。低カロリーですからダイエット効果が期待できますし、糖尿病の養生食に最適。
栽培はいたって簡単ですが、芋の収穫量を上げるにはそれなりの工夫が必要です。
ポイントは牛糞堆肥をたっぷり入れること。
なお、種芋は地面に隠れて見えませんが、茎の直ぐ下、食用部(さつまいもの形のもの)との間にある根塊です。それを切り分けて植えます。
(写真は2013年11月24日うちの畑で土をのけて撮影)
ヤーコン栽培の年間スケジュール(旧版)<2014年まで>
(2014年5月24日改定) (2013年3月 6日改定) (2012年3月 2日改定)
うちで10年来行ってきた、ごく一般的な畑での栽培法で、追肥しながら土寄せするというものです。
(備考)これに対して、2015年からは、畝作りのときに肥料をたっぷり敷き込んで、追肥も土寄せもせず、雑草を繁茂させ、ヤーコンが雑草に負けそうになったらザッと草刈機で草を刈るという方法を取っています。これにより、猛暑でも地温が上がりすぎず、暑さに弱いヤーコンも耐えてくれ、芋が高収穫になりました。猛暑にさらされる地域では新版↓を参考になさってください。
ヤーコン栽培の年間スケジュール(新版)
当地は、岐阜市近郊、濃尾平野の一画にあり、海抜10メートルの沖積層の土壌です。3月下旬からヤーコンの作付け準備に取り掛からねばなりません。
うちでは約100㎡に7畝を作付けし、例年11月末から順次掘り始め、3月に最終収穫しています。
そして、2月までに掘ったヤーコンの種芋(上部の凸凹した塊)は、その都度1か所に集めて土を掛け、春の苗作りに向けて畑で保存しています。
うちで今まで行なってきたヤーコンの栽培スケジュールの概略を紹介しましょう。
栽培法の基本は、里芋と同じと考えて良いです。ただし、ヤーコンは暑さに弱いですし、湿り気にも弱いですから、それなりの対応が求められます。
3月下旬 *冬越しさせたものを最終収穫
上部の凸凹した塊が種芋、下部は食用芋です。
(写真挿入:2013年11月24日)
(写真説明) 下部の食用部を千切り取ったあとの種芋部分です。
小さい丸で囲った種芋は小さすぎるので捨てます。
中ぐらいの丸で囲った種芋はちょうど良いです。
下側に大きな塊になっているものは切り分けて種芋にします。
*種芋の塊を20グラム程度に切り分け
1株から種芋が少なくとも20個は取れます。
でも、種芋が5グラム程度ですと、収穫量が落ちます。
50グラムという大き過ぎる種芋ですと、芽が幾つも出て競合し、
やはり収穫量が落ちるような気がします。
20グラム程度がベストです。
なお、冬越ししたものを放置しておくと、4月には芽が地上に出て、
バラバラに分かれ、それを苗にできますが、芽吹いた種芋が小さい
せいか収穫量が落ちると思われます。
*切り分けた種芋を2、3日陰干し
切り口に藁灰(木灰でも可)を振っておくと腐り防止になり、また、
ミネラル補給にもなり、成育が良いです。
なお、芽が伸びすぎているものは傷が付いていることが多く、綺麗
な成長が期待できませんので、欠き取っています。
別の箇所から新たに芽が出ますから心配ないです。
*苗床(露天)に埋め込み
台形の畝を立て、無肥料でよいです。
ポット苗にするときは、約6cm間隔(ビッシリ芋を並べて良い)で並
べ、土を2cm程度かけます。
苗床から直接定植する場合は、倍の間隔が良いかと思います。
水やりは、あまりしなくて良いです。
量が少なければ、穴を十分に空けた発泡スチロール箱で可。
なお、2010年、2011年は、4月の異常低温で発芽が遅れました。
遅霜に注意。氷点下になると芽が全滅します。
霜が降りなくても冷え込みが予想されるときは、夜間むしろなどで
覆うと発芽が早まります。
ビニールトンネルでの育苗が良いようですが、2012年は急に暑く
なった日に覆いっ放しにしておいたら、芽がゆだって溶けてしまい、
失敗しました。この点は里芋と大違いです。
冷涼地では早期育成が収穫量を上げるコツとのことで、ビニール
トンネルさらにはハウス育苗がおすすめです。
苗の管理 *芽が複数出たら、芽掻きし、1本立てに
主茎が1本ですと、太く高く生長するようですし、収穫量が上がる
と思っています。
なお、うちでは、皆さんに苗を差し上げるために、少し芽吹いたら
ビニールポット苗にして育苗しています。(ポットは小でよい。)
また、苗のうち1割程度は綺麗な苗になりませんから、収穫量も落
ちると思われます。よって、ポット苗づくりすると、定植した大半
の株の生長が良く、高収穫になると思われます。
4月 *定植場所に牛糞堆肥をたっぷり鋤き込んで畝立て
ヤーコンは有機肥料、特に牛糞を好むようです。
畝幅は120~180cm(150cm程度が良いようです。)
湿り気の多い畑は高畝にし、畝幅を広くします。
これは、秋に湿り気が多いと、種芋が大きくなり過ぎてしまって
肝腎の食用部の成長があまり進まないです。
(注)初めから高畝にせず、土寄せで順次高くします。
5月中旬 *畑に定植
背丈が5センチになれば定植して良いです。
株間は60~70cm。密植すると1株当たりの収穫量が落ちます。
生長の悪いものがあったり、ネキリムシか何かに株元を食いちぎら
れることがあり、予備苗を1割程度畝間にでも植えておくとよいです。
6月 *第1回施肥(種粕・化成肥料<8・8・8>混合)
窒素が多いと、芋にひび割れができやすいですから注意。
鶏糞は避けた方が良いようです。堆肥+牛糞が最も良いとのこと。
化成を使うなら、窒素を抑えた8・8・8が良いです。
畝の片面に施肥、土寄せ。もう片面は削りこみ。
なお、苗が1本立てであっても、後から新芽が種芋から伸びてきて
複数立てになることがあります。この場合、芽欠きしたほうが収穫量
が上がる感じがします。土寄せの前までに行うと良いでしょう。
<食べられる葉と茎>
なお、芽欠きした葉と茎は、味噌和えにして食べられます。
苦味が強く、ゆでた後、2、3時間水にさらすと良いです。
葉っぱのお茶より効き目があります。糖尿病の方におすすめ。
ただし、量多く食べると、低血糖になることがあるようです。
7月 *畝のもう片側に第2回施肥
ぐんぐん生長を始め、脇芽がどんどん出ますが、脇芽は放置し、
芽きしません。ここは里芋と違います。
施肥してない側に施肥し、土寄せ。片側は削り込み。
<本格的に葉と茎が食べられるようになります>
2割程度脇芽を取っても芋の収穫量に差は出ないようです。
糖尿病の方は葉を味噌和えにし、また、茎はフキと同様にして食べ
られますが、苦味が強いです。
梅雨明け後 *必要に応じて熱射、乾燥対策
暑さに弱いヤーコン。畝の法面に藁や雑草などを敷くとよいです。
真夏の熱射を防げますから、ヤーコンのダメージが減ります。
そして、藁や雑草は最終的に堆肥になります。
ビニールマルチを張っておられる方は、ここで外さないと、根がゆだ
ってしまい、根腐れして枯れてしまう恐れがあります。
乾燥にも弱いですが、里芋と同程度です。
場合によっては、水やりが必要になります。
8月下旬 *農薬散布の要不要
アブラムシが付くことがありますが、自然消滅するでしょう。
密植状態になると、アブラムシが大量に増殖し、農薬散布の必要が
ある場合もあります。
9月下旬 *必要に応じて湿気対策
真夏の間は生長が鈍いですが、この頃からぐんぐん伸び始め、脇
芽もどんどん出て伸びます。
湿り気の多い畑は、水はけを良くするために、畝の削り上げを十分
に行い、高畝にし、雨水が流れ去りやすくします。
垂れ下がった枝を一部刈り取っても良いです。これは、乾燥させて
お茶にします。糖尿病の方におすすめ。
11月下旬~ *順次収穫し、種芋は別途保存
10月下旬には芋がだいぶ大きくなっていて、一部収穫して良い
ですが、芋はまだ成長中です。
葉の元気さがなくなったら、そろそろ収穫時期です。
食用部はさつまいもの形をした部分です。
収穫量は1株当たり3キログラム以上になります。条件が整えば
5キログラム程度にもなります。
痛みやすい芋ですから、長期保管が難しいです。
(写真:上側が「アンデスの雪」、下側が「アンデスの乙女」)
<大量に収穫したとき>
収穫後、呼吸が落ち着いてから、さつまいもと同じ方法で貯蔵すればよい
とのことです。
大きな箱に籾殻を入れて保存しても良いです。
新聞紙で囲みこんでもかなり持ちます。
乾燥に弱いのがヤーコン芋です。
<種芋の保存>
種芋を畑の一角に積み上げ、土を掛け、ビニールシート(肥料袋で
よい)で上部を覆い、雨水が染み込むのを防止し、冬越しさせます。
里芋より若干寒さに強いです。
12月 *地上部を刈り取り、シートを掛けて、冬越し
雪や雨で、芋が凍みることがありますから、必須です。
雪が降らない温暖地では土寄せだけで良いようですが。
こうして、2月、3月にも収穫できるようにしておきます。
(2013年3月撮影 5畝は収穫済み、残りは2畝)
3月に収穫した芋を籾殻の中で保存すると5月中旬までは持ちます。
冷蔵庫保管なら夏まで持ちますが、乾燥しやすいです。
これは店内に置いて、お客様に少しずつ差し上げています。
倉庫には、大きなダンボール箱に入れて保存しています。
備考:連作障害について
連作は可能ですが、収穫量が年々落ちます。安定した収穫を得るには、堆肥、特に牛糞で肥沃にするのが理想的です。
うちでは長年連作していますが、牛糞をそうたくさんではありませんが意識して使うようにしており、収穫量は落ちません。
なお、ヤーコンの跡にトマトを栽培すると全滅することがあります。ナスも出来が悪くなる傾向にあります。(ヤーコンの根に毒がありそうです。)
以上の栽培方法は、当地(濃尾平野の一角で夏は猛暑。やや湿り気のある土壌)での方法です。地域や土壌の違いで、やり方がかわります。
なお、ヤーコンはまだまだ原種の力を持っていますから、環境適応力が強く、1年目が失敗に終わっても、その地域の気候と土壌を学習し、2年目、3年目と収穫量が上がってきますから、種芋を保存し、あきらめずに栽培を続けてください。
皆さんのヤーコン栽培の成功をお祈りいたしております。
人の背丈より高くなるヤーコン。
葉っぱは糖の吸収抑制作用があり、高血糖の改善に効果が高いです。乾燥させてお茶として使うと良いです。
地下の芋はオリゴ糖たっぷりで、整腸作用が抜群です。低カロリーですからダイエット効果が期待できますし、糖尿病の養生食に最適。
栽培はいたって簡単ですが、芋の収穫量を上げるにはそれなりの工夫が必要です。
ポイントは牛糞堆肥をたっぷり入れること。
なお、種芋は地面に隠れて見えませんが、茎の直ぐ下、食用部(さつまいもの形のもの)との間にある根塊です。それを切り分けて植えます。
(写真は2013年11月24日うちの畑で土をのけて撮影)
ヤーコン栽培の年間スケジュール(旧版)<2014年まで>
(2014年5月24日改定) (2013年3月 6日改定) (2012年3月 2日改定)
うちで10年来行ってきた、ごく一般的な畑での栽培法で、追肥しながら土寄せするというものです。
(備考)これに対して、2015年からは、畝作りのときに肥料をたっぷり敷き込んで、追肥も土寄せもせず、雑草を繁茂させ、ヤーコンが雑草に負けそうになったらザッと草刈機で草を刈るという方法を取っています。これにより、猛暑でも地温が上がりすぎず、暑さに弱いヤーコンも耐えてくれ、芋が高収穫になりました。猛暑にさらされる地域では新版↓を参考になさってください。
ヤーコン栽培の年間スケジュール(新版)
当地は、岐阜市近郊、濃尾平野の一画にあり、海抜10メートルの沖積層の土壌です。3月下旬からヤーコンの作付け準備に取り掛からねばなりません。
うちでは約100㎡に7畝を作付けし、例年11月末から順次掘り始め、3月に最終収穫しています。
そして、2月までに掘ったヤーコンの種芋(上部の凸凹した塊)は、その都度1か所に集めて土を掛け、春の苗作りに向けて畑で保存しています。
うちで今まで行なってきたヤーコンの栽培スケジュールの概略を紹介しましょう。
栽培法の基本は、里芋と同じと考えて良いです。ただし、ヤーコンは暑さに弱いですし、湿り気にも弱いですから、それなりの対応が求められます。
3月下旬 *冬越しさせたものを最終収穫
上部の凸凹した塊が種芋、下部は食用芋です。
(写真挿入:2013年11月24日)
(写真説明) 下部の食用部を千切り取ったあとの種芋部分です。
小さい丸で囲った種芋は小さすぎるので捨てます。
中ぐらいの丸で囲った種芋はちょうど良いです。
下側に大きな塊になっているものは切り分けて種芋にします。
*種芋の塊を20グラム程度に切り分け
1株から種芋が少なくとも20個は取れます。
でも、種芋が5グラム程度ですと、収穫量が落ちます。
50グラムという大き過ぎる種芋ですと、芽が幾つも出て競合し、
やはり収穫量が落ちるような気がします。
20グラム程度がベストです。
なお、冬越ししたものを放置しておくと、4月には芽が地上に出て、
バラバラに分かれ、それを苗にできますが、芽吹いた種芋が小さい
せいか収穫量が落ちると思われます。
*切り分けた種芋を2、3日陰干し
切り口に藁灰(木灰でも可)を振っておくと腐り防止になり、また、
ミネラル補給にもなり、成育が良いです。
なお、芽が伸びすぎているものは傷が付いていることが多く、綺麗
な成長が期待できませんので、欠き取っています。
別の箇所から新たに芽が出ますから心配ないです。
*苗床(露天)に埋め込み
台形の畝を立て、無肥料でよいです。
ポット苗にするときは、約6cm間隔(ビッシリ芋を並べて良い)で並
べ、土を2cm程度かけます。
苗床から直接定植する場合は、倍の間隔が良いかと思います。
水やりは、あまりしなくて良いです。
量が少なければ、穴を十分に空けた発泡スチロール箱で可。
なお、2010年、2011年は、4月の異常低温で発芽が遅れました。
遅霜に注意。氷点下になると芽が全滅します。
霜が降りなくても冷え込みが予想されるときは、夜間むしろなどで
覆うと発芽が早まります。
ビニールトンネルでの育苗が良いようですが、2012年は急に暑く
なった日に覆いっ放しにしておいたら、芽がゆだって溶けてしまい、
失敗しました。この点は里芋と大違いです。
冷涼地では早期育成が収穫量を上げるコツとのことで、ビニール
トンネルさらにはハウス育苗がおすすめです。
苗の管理 *芽が複数出たら、芽掻きし、1本立てに
主茎が1本ですと、太く高く生長するようですし、収穫量が上がる
と思っています。
なお、うちでは、皆さんに苗を差し上げるために、少し芽吹いたら
ビニールポット苗にして育苗しています。(ポットは小でよい。)
また、苗のうち1割程度は綺麗な苗になりませんから、収穫量も落
ちると思われます。よって、ポット苗づくりすると、定植した大半
の株の生長が良く、高収穫になると思われます。
4月 *定植場所に牛糞堆肥をたっぷり鋤き込んで畝立て
ヤーコンは有機肥料、特に牛糞を好むようです。
畝幅は120~180cm(150cm程度が良いようです。)
湿り気の多い畑は高畝にし、畝幅を広くします。
これは、秋に湿り気が多いと、種芋が大きくなり過ぎてしまって
肝腎の食用部の成長があまり進まないです。
(注)初めから高畝にせず、土寄せで順次高くします。
5月中旬 *畑に定植
背丈が5センチになれば定植して良いです。
株間は60~70cm。密植すると1株当たりの収穫量が落ちます。
生長の悪いものがあったり、ネキリムシか何かに株元を食いちぎら
れることがあり、予備苗を1割程度畝間にでも植えておくとよいです。
6月 *第1回施肥(種粕・化成肥料<8・8・8>混合)
窒素が多いと、芋にひび割れができやすいですから注意。
鶏糞は避けた方が良いようです。堆肥+牛糞が最も良いとのこと。
化成を使うなら、窒素を抑えた8・8・8が良いです。
畝の片面に施肥、土寄せ。もう片面は削りこみ。
なお、苗が1本立てであっても、後から新芽が種芋から伸びてきて
複数立てになることがあります。この場合、芽欠きしたほうが収穫量
が上がる感じがします。土寄せの前までに行うと良いでしょう。
<食べられる葉と茎>
なお、芽欠きした葉と茎は、味噌和えにして食べられます。
苦味が強く、ゆでた後、2、3時間水にさらすと良いです。
葉っぱのお茶より効き目があります。糖尿病の方におすすめ。
ただし、量多く食べると、低血糖になることがあるようです。
7月 *畝のもう片側に第2回施肥
ぐんぐん生長を始め、脇芽がどんどん出ますが、脇芽は放置し、
芽きしません。ここは里芋と違います。
施肥してない側に施肥し、土寄せ。片側は削り込み。
<本格的に葉と茎が食べられるようになります>
2割程度脇芽を取っても芋の収穫量に差は出ないようです。
糖尿病の方は葉を味噌和えにし、また、茎はフキと同様にして食べ
られますが、苦味が強いです。
梅雨明け後 *必要に応じて熱射、乾燥対策
暑さに弱いヤーコン。畝の法面に藁や雑草などを敷くとよいです。
真夏の熱射を防げますから、ヤーコンのダメージが減ります。
そして、藁や雑草は最終的に堆肥になります。
ビニールマルチを張っておられる方は、ここで外さないと、根がゆだ
ってしまい、根腐れして枯れてしまう恐れがあります。
乾燥にも弱いですが、里芋と同程度です。
場合によっては、水やりが必要になります。
8月下旬 *農薬散布の要不要
アブラムシが付くことがありますが、自然消滅するでしょう。
密植状態になると、アブラムシが大量に増殖し、農薬散布の必要が
ある場合もあります。
9月下旬 *必要に応じて湿気対策
真夏の間は生長が鈍いですが、この頃からぐんぐん伸び始め、脇
芽もどんどん出て伸びます。
湿り気の多い畑は、水はけを良くするために、畝の削り上げを十分
に行い、高畝にし、雨水が流れ去りやすくします。
垂れ下がった枝を一部刈り取っても良いです。これは、乾燥させて
お茶にします。糖尿病の方におすすめ。
11月下旬~ *順次収穫し、種芋は別途保存
10月下旬には芋がだいぶ大きくなっていて、一部収穫して良い
ですが、芋はまだ成長中です。
葉の元気さがなくなったら、そろそろ収穫時期です。
食用部はさつまいもの形をした部分です。
収穫量は1株当たり3キログラム以上になります。条件が整えば
5キログラム程度にもなります。
痛みやすい芋ですから、長期保管が難しいです。
(写真:上側が「アンデスの雪」、下側が「アンデスの乙女」)
<大量に収穫したとき>
収穫後、呼吸が落ち着いてから、さつまいもと同じ方法で貯蔵すればよい
とのことです。
大きな箱に籾殻を入れて保存しても良いです。
新聞紙で囲みこんでもかなり持ちます。
乾燥に弱いのがヤーコン芋です。
<種芋の保存>
種芋を畑の一角に積み上げ、土を掛け、ビニールシート(肥料袋で
よい)で上部を覆い、雨水が染み込むのを防止し、冬越しさせます。
里芋より若干寒さに強いです。
12月 *地上部を刈り取り、シートを掛けて、冬越し
雪や雨で、芋が凍みることがありますから、必須です。
雪が降らない温暖地では土寄せだけで良いようですが。
こうして、2月、3月にも収穫できるようにしておきます。
(2013年3月撮影 5畝は収穫済み、残りは2畝)
3月に収穫した芋を籾殻の中で保存すると5月中旬までは持ちます。
冷蔵庫保管なら夏まで持ちますが、乾燥しやすいです。
これは店内に置いて、お客様に少しずつ差し上げています。
倉庫には、大きなダンボール箱に入れて保存しています。
備考:連作障害について
連作は可能ですが、収穫量が年々落ちます。安定した収穫を得るには、堆肥、特に牛糞で肥沃にするのが理想的です。
うちでは長年連作していますが、牛糞をそうたくさんではありませんが意識して使うようにしており、収穫量は落ちません。
なお、ヤーコンの跡にトマトを栽培すると全滅することがあります。ナスも出来が悪くなる傾向にあります。(ヤーコンの根に毒がありそうです。)
以上の栽培方法は、当地(濃尾平野の一角で夏は猛暑。やや湿り気のある土壌)での方法です。地域や土壌の違いで、やり方がかわります。
なお、ヤーコンはまだまだ原種の力を持っていますから、環境適応力が強く、1年目が失敗に終わっても、その地域の気候と土壌を学習し、2年目、3年目と収穫量が上がってきますから、種芋を保存し、あきらめずに栽培を続けてください。
皆さんのヤーコン栽培の成功をお祈りいたしております。