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ヤーコン芋の甘み [ヤーコンの特性]

(2010年12月15日)
 ヤーコン芋には、ほのかな甘みがあります。
 その甘みは、基本的にはオリゴ糖に由来するものですが、収穫後、時間が経ったものは、より甘みが増すことがあります。これは、オリゴ糖が分解されて果糖や蔗糖(しょとう=砂糖)などに変換されることによります。
 ここら辺りの実際を、廣済堂「奇跡の健康野菜ヤーコン」と、農文協の新特産シリーズ「ヤーコン」という本から、かいつまんで紹介しましょう。
 ヤーコンにも様々な品種がありますが、オリゴ糖の含有量は、可食部100g中に、7~9g含まれ、これはオリゴ糖が一番多いとされていたゴボウの3倍にもなります。
 なお、部位によってオリゴ糖の含有量が多少違うようで、外に多く、内に少ないようですが、測定データが少なく、今のところ大差ないと考えて良いでしょう。
 ヤーコン芋には、こんなにもオリゴ糖が多いのですが、その甘みは蔗糖の約3割ですから、ほのかな甘みとしてしか感じられないのです。
 もっとも、これは、まだ青々とした葉っぱを付けている晩秋に収穫した場合のことでして、霜が降り、葉枯れしてからの収穫となると、オリゴ糖の分解が始まり、オリゴ糖が蔗糖、果糖、ブドウ糖に分解されて、蔗糖や果糖の強い甘みによって、ヤーコン芋が甘みを増してくるのが、一般的です。
 ある調査データでは、霜が降りる前のものに比べ、霜が降りた後では、オリゴ糖が2割程度減り、収穫後2ヶ月するとオリゴ糖がさらに4割程度減るとなっています。
 だんだん甘みが増してくるようであれば、オリゴ糖の分解が進んできたと考えてよいでしょう。
 腸内環境改善のためにヤーコン芋を食べたいという方は、オリゴ糖の含有量が多い、早めの収穫が良いでしょう。その目安として、私は、「花が咲いたら収穫時」と思っているのですが、新品種「アンデスの雪」は早咲きでして、一概に言えません。
 ここは、ヤーコンをじっくり観察し、葉っぱの勢いが落ちてきて、そろそろ休眠に入ろうとしているなと感じられたら、これ以上の芋の生長はないはずで、早速収穫してあげましょう。かと言って、短期間に大量に食べられるものではありませんし、少しずつ、できれば通年食べたいものです。
 そうなると、栽培品種を選ばねばなりません。
 在来種(ペルーA群=芋のひび割れが多い、肉質は淡オレンジ色)の場合は、収穫後のオリゴ糖の分解が激しいようです。先に紹介したデータは在来種の場合です。甘みが強くなったら、オリゴ糖の分解が大きく進んでいると思ってください。
 でも、オリゴ糖が完全になくなるものでもないでしょうし、フルーツヤーコンとして食べるには、甘みがあった方が美味しいですから、味を楽しむには良いでしょう。
 その点、品種改良された新品種は、どれもオリゴ糖の分解が比較的緩やかであるとのことです。
 新品種かどうか、芋の見分け方は次のとおりです。
 サラダオトメ   肉質は黄白色  芋のひび割れが少ない
            甘味が少なく淡白な味
 アンデスの雪  肉質は白色  芋のひび割れが少ない
            甘味が少なく淡白な味
 サラダオカメ   肉質はオレンジ色 芋がゴツゴツしていて外観が悪い
            甘味がけっこうある(でも、オリゴ糖は他の新品種と同程度)
 アンデスの乙女 肉質は黄白色 表皮は赤紫色 芋のひび割れが少ない
            甘味が少なく淡白な味
 (注:アンデスの乙女は最新品種で2013年から苗を発売)

 ところで、「オリゴ糖」とは何でしょう。
 オリゴ糖は、現代人にとって“生活習慣病の救世主”となる優れものです。その詳細は、左サイドバーのカテゴリー「オリゴ糖の働き」をクリックしてご覧ください。
 
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ポリフェノールたっぷりのヤーコン芋 [ヤーコンの特性]

(2010年12月29日)
 ヤーコン芋をサラダにし、しばらく放置して置くと、黒ずんできます。
 これは、ヤーコン芋に含まれるポリフェノールのいたずらです。
 通常、これを「アク」と言います。
 果物や野菜に、こうしたものが結構あり、嫌われものです。
 リンゴが良い例で、私が子供の頃、国光というリンゴ・・・リンゴと言えば国光がほとんど・・・は、皮をむけば、直ぐに食べないと黒ずんでしまい、汚くなって食欲を削がれたものです。今では、品種改良されて、こうした黒ずみが少なくなりました。
 ヤーコン芋には、このアク、つまりポリフェノールがたくさん含まれていますので、黒ずみがひどいです。
 特に、表皮部分に多く含んでいます。芯に近いほど少なくなります。
 したがって、厚めに皮をむけば、黒ずみは少ないです。
 また、酢やレモンなど酸性の強いものをかけてやれば、黒ずみをかなり防ぐことができます。

 ポリフェノールは、酸素を捕まえる力、つまり「抗酸化力」が強く、それ自身が酸化されて変色するのですが、これが近年では高く評価されるようになりました。
 世はストレス社会です。ストレスで体内に活性酸素が大発生し、これが体内の細胞を傷つけ、様々な生活習慣病を引き起こす元凶になるからです。
 この活性酸素を速やかに消去してくれる物質の一つがポリフェノールで、ヤーコン芋のポリフェノール含有量は、果物や野菜の中で横綱クラスです。
 ブドウに負けません。白ワインに少なく赤ワインにポリフェノールが多いのは、ご存知のことでしょうが、ブドウの皮にポリフェノールが多く含まれているからです。
 ポリフェノールを十分に摂取しようと思ったら、赤ワインをガブガブ飲まねばなりませんが、これではアルコールの害が勝って、かえって体に悪いです。
 でも、ヤーコン芋をある程度の量食べれば、かなりのポリフェノールが摂取可能で、過剰な活性酸素をしっかり消去してくれることでしょう。

 このように、ヤーコン芋は、健康に良い食品ですから、多くの方に食べていただきたいものです。
 なお、煮たり、炒めたり、揚げたりすると、黒ずみが防げますが、ポリフェノールは十分に残っていますから、ご安心ください。
 ところで、ポリフェノールの果たす「抗酸化力」は、ヒトの体内においては、ほんの脇役にしか過ぎず、過大評価されているきらいがあります。
 その辺りのことについては、私の別立てブログ「銀杏葉α(アルファ)に含まれる活性酸素を消す3成分」で詳述していますので、ご覧ください。

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ヤーコン芋はオリゴ糖の塊=家畜の飼料か? [ヤーコンの特性]

(2010年12月31日)
 猪が食べず、猿が食べるヤーコン芋。山間地では、芋は動物の食害が多いようですが、不思議なことに、芋を探し当てる名人の猪が見向きもしないようです。
 これは、ヤーコン芋には澱粉が全く含まれないことによると考えられます。澱粉を最も好む動物は、ヒトとイノシシ・ブタです。優れた澱粉消化酵素を大量に分泌できる能力を持っていることからも、それは推し量られます。
 じゃあ、猿がヤーコン芋をなぜ食べるのか。よく分かりませんが、サルとヒトは近い種で、食性が似ていて、消化器官が類似していますから、「はらぐあい」が悪くなれば、整腸剤になるものを、自然界の中から、動物的勘によって探し出したのではないでしょうか。近年は、自然が荒らされて、猿たちも、おかしなものを食べざるを得なくなっていることでしょうからね。

 ヒトがヤーコン芋を食べるようになったのは、随分と昔からのことです。ただし、アンデスの原住民だけでした。それも、ジャガイモなどとは違って、主食にすることはなかったようで、副食なり、果物として、少々つまんでいるだけのようです。
 そのヤーコンが、特に日本で広まったのは、栄養源としてではなく、猿と同様に、「はらぐあい」を良くするためです。
 ヤーコン芋を毎日のように食べていると、確実に「はらぐあい」が良くなります。
 大量のウンチが出ます。それも、臭くないウンチが。
 その整腸作用は、どんな整腸剤よりも優れていると言えましょう。

 学者は、直ぐに、その効果の要因は何かを付き止めてくれます。
 それは、「オリゴ糖(正確には、フラクトオリゴ糖)」だと。(オリゴ糖に関する詳細については、左サイドバーの「オリゴ糖の働き」をクリックしてご覧ください。)
 でも、私は、そればかりではないと思っています。市販されている「オリゴ糖」を飲んだ場合と、ヤーコン芋を食べたときとでは、効き目が違うと思われるからです。(私一人だけの臨床データですから、根拠にはなりませんが。)
 ヤーコン芋に含まれている何だか分からない物質、それも幾つかの物質との相乗効果で、大きな効き目が出るのではないでしょうか。
 これは、漢方の世界で常識になっていることなのですが、ある生薬、例えば「甘草」には消炎作用が大きいのですが、主成分のグリチルリチン酸にその大きな作用が認められるものの、抽出・精製されたグリチルリチン酸より、「甘草」の抽出混合物の方が明らかに効き目が良いからです。

 飽食時代を満喫し、油脂や動物性たんぱく質をあまりにも過剰に摂取している現代の日本人です。「はらぐあい」がおかしくなっているのは、間違いないことです。
 「私はそんなことありません。毎朝、快適なお通じがあります。」と、おっしゃる方であっても、ウンチをした後、トイレットペーパーなしでは済まないでしょう。自然界においては、その動物に最適な食生活が保たれている場合は、排便の後、肛門は全然汚れていません。スパッと便が切れて、肛門の回りに便が付かないのです。
 ヒトも、本来はそうあるべきです。でも、誰一人そうは参らない。
 やはり、大なり小なり「はらぐあい」が良くないのです。

 この「はらぐあい」、少し高級な言葉を用いれば「腸内環境」、これを改善する必要性が、近年、声高に叫ばれています。あらゆる生活習慣病にとどまらず、アトピーや難病の治療にもなることが、だんだん分かってきたからです。

 ヒトは、ヒト本体のみでは生きていけません。様々なヒト常在菌と共生することによって、はじめて円滑な生命活動が可能となるのです。
 特に、腸内においては、主役は、ヒトではなく、「腸内善玉菌」です。食べ物の消化吸収、免疫力の向上、有用物質の生成など、極めて大きな働きをしてくれています。
 この腸内善玉菌を増やし、活性化してくれるのが、オリゴ糖であり、食物繊維であり、発酵食品であるのです。

 これらの中で、近年注目されるようになったのが、オリゴ糖です。市販されるようになって久しいですが、健康食品としては、あまり人気がないようです。当店(薬屋)でもこれを置いておいたのですが、全く売れず、廃止品にしちゃいました。
(これは返品が利かない商品でしたので、先に述べましたように、自分で臨床データ<ヤーコン芋との比較>を取ることにしたところです。)

 現在、オリゴ糖の主な利用は家畜用でして、これを家畜の離乳食に配合することで下痢を防止し、丈夫な家畜を育成するために重宝されているようです。また、ブラジルでは、離乳後も餌としてオリゴ糖を与え続けると生育が良くなることから、安く手に入るヤーコン芋を家畜に食べさせるようになりました。こうして、ヤーコン芋の最大の産地は、今やブラジルになっています。配合飼料ばかり食わされて「はらぐあい」が悪くなっている日本の家畜にもぜひ食べさせたいものです。
 なお、ヤーコン芋をペットフードに混ぜて犬や猫に食べさせると、健康が保たれ、便の臭いが少なくなるとのことです。当然のことでしょうね。

 なかなか広がりを見せないヤーコン栽培ですが、家畜の配合飼料やペットフードへの配合という形で、あるとき一気に栽培が進む可能性が大ですが、日本では人件費がかかり、ブラジルからの輸入になってしまうかもしれませんね。
 
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ヤーコン芋で糖尿病が奇跡的に完治 [ヤーコンの特性]

(2011年2月3日)
 ヤーコン芋に関して私の師匠である渡辺最昭さん(三井ヘルプ㈱社長)がブログ「ヤーコン社長の人生日記」の中で、次のように書いておられます。

 新年早々、鹿児島の男性の方から、ヤーコンについての質問の電話をもらいました。「ヤーコンをバリバリ食べたら、奇跡が起こった。」と、喜びの長電話です。
 「これまで、血糖値500、体重90キロで、失明していたが、ヤーコンを常食にしたら、体重60キロ、血糖値は正常に。目も見えるようになり、医者も驚いている。ヤーコンの何が良かったのだろうか。」との問い合わせでした。
 「ヤーコンを一年中食べたいので、供給して欲しい。」との注文の電話でもありました。私は快くお引き受けをし、それに応えることにしました。
 ヤーコン生芋が万一なくなっても、私たちは、ヤーコンジュース100%「毎日野菜」を販売しており、対応できるからです。
 (この商品は、三井ヘルプ㈱HP http://www.ya-con.com/ をご覧ください。)
 話を聞くうちに、ヤーコンで腸の大掃除が出来、体質が変わったのだと思いました。それにしても、見えなかった目が見えるようになったとは、確かに奇跡でしょう。
 新年から、不思議な話をもらいましたが、このような話は、多くの方から受けています。私は、ヤーコンジュース「毎日野菜」を、お客様にお送りする度にお祈りしています。「どうか、このジュースが、飲まれる方々の腸を元気にしてあげてください。」と。
 必ずしも、味や色調に満足しておりませんが、「続けてお飲みくださる方が増えている」ことに、逆に元気をもらっている私です。これ以上の喜びが、他にあるはずはありません。
(引用ここまで)

 ということですが、これは、ヤーコン芋を常食することによって、肥満が解消されると同時に重い糖尿病が治ってしまった、という好事例の紹介です。
 渡辺最昭さんは、その原因は、「腸内環境の改善によって体質が改善された」ことしか、書いておられません。
 そこで、弟子の小生から、医学的に補足することにします。多分、その多くをご当人に説明されたとは存じますが。

 まず、糖尿病とは何か、ということですが、高血糖状態が長く続いていること、そのものが糖尿病です。そして、高血糖は、血流を悪くするとともに活性酸素を過剰に作り出し、体中の臓器、器官の機能を低下させます。
 これが高ずると、合併症が出てきます。例えば、腎症となって人工透析せざるを得なくなったり、壊疽が進んで足を切断せざるを得なくなったりします。また、膵臓の機能が失われてインスリン注射するしかなくなります。これらは、個人差があって、人によっては、真っ先に「網膜症」になって、やがて「失明」へと向かうことがあります。
 ここに紹介された事例の方は、まだ膵臓などの他の機能が失われることなく、単に網膜症が先行しただけのことでしょう。
 この方がヤーコン芋を常食し、きっと、ご飯などの炭水化物の摂取を大幅に制限されたことにより、消化吸収されて血液に入るブドウ糖はわずかになってしまい、よって、膵臓に掛かる負担が大幅に軽減されて、インスリンを出す力が回復し、血糖値が順次、正常値へ向かったに違いありません。
 こうなれば、血流が良くなり、活性酸素が過剰になることもなく、体中の臓器、器官の機能が回復に向かいます。なお、ヤーコン芋はポリフェノールを多く含んでいますから、即効的に活性酸素を抑える力があります。
 そして、大幅に機能を失っていた網膜(それに繋がる視神経のこともあるでしょう)が機能を回復し、目が見えるようになったと考えられるのです。

 さらに付け加えると、ヤーコン芋を常食すると、渡辺さんがおっしゃるように、腸内環境が改善されます。すると、第1に、有害物質が体内にばら撒かれることが少なくなり、体中の臓器、器官にダメージを与えることがなくなります。第2に、ミネラルの吸収が良くなり、細胞が活性化し、新陳代謝を向上させ、痛んだ器官の修復がはかどります。第3に、腸内善玉菌がヒトに有用なビタミンや有機酸を大量に作り出し、これが吸収され、臓器、器官の代謝機能をアップさせます。
 体重が30キロも減ったのは、単に、低カロリー食品であるヤーコン芋の常食というカロリー・ダイエットだけではなく、代謝アップという「燃やす」効果で減量したと考えられます。「健康に痩せる」ための最善の方法が、これです。
 もっとも、野菜ぎらいで、野菜をあまり食べない方は、ヤーコン芋だけでは不足するミネラルやビタミンが摂取できず、効果は小さいでしょう。また、和食に切り替えたり、腹八分にしたり、適度な運動をしたりと、いろいろと健康に留意する必要もあります。

 ところで、ここが凄いのですが、驚くことに、ヤーコン芋には澱粉が含まれていません。カロリー源になる炭水化物は、ほんのわずか含まれるブドウ糖やしょ糖だけで、大半は「オリゴ糖」です。(ただし、収穫後、日にちが経つと、オリゴ糖が順次分解されて、ブドウ糖やしょ糖に変換されます。甘みが増えてくるのは、これによります。)
 この「オリゴ糖」は、ヒトの消化酵素では分解されず、腸内細菌によって分解されます。そして、ブドウ糖にされるのではなく、酪酸、乳酸、酢酸などの短鎖脂肪酸(有機酸)に変換されます。酸っぱい臭いのするウンチになり、一部は排出されますが、体内にも吸収されます。つまり、大腸で作られた天然醸造の酢の類を体内に取り入れているのです。(ウシは、胃に住まわせている細菌によって、食物繊維を発酵させ、出来た短鎖脂肪酸を吸収して、主要なカロリー源としています。)
 ですから、この短鎖脂肪酸は、ヒトのカロリー源にもなります。(澱粉などと比べると、約半分のカロリーになるようです)。そして、酢の類を燃やして、生命活動をすることになります。初耳かもしれませんが、アルコールにカロリーがあるのと同じことです。なお、アルコールは体に毒ですが、酢の類は、そのまま使われたりもして、体に有用で、酸性の血液をアルカリ側へ戻す働きもあり、何かと都合の良いものです。(ただし、黒酢などに含まれる短鎖脂肪酸が体にいいからといって、それを、口から大量に補給すると、胃の酸度が高まりすぎて、胃を荒らしますから、要注意。)

 高血糖にならないようにと、ブドウ糖に変換されるご飯を止めて、たんぱく質(肉)を多く取ると良いと言われたりしますが、これでは腸内環境を悪化させてしまい、差し引きマイナスの効果になってしまうのに対して、ヤーコン芋を常食すると、ブドウ糖の吸収が非常に少なくなり、かつ、カロリー不足になることもなく、いいこと尽くめです。
 糖尿病の方に、お勧めの治療法です。
 もっとも、インスリン注射するまでに膵臓がやられてしまっている方は、膵臓の機能回復が困難で、完治しないでしょうが、体調が良くなることは確かです。
 なお、いきなりヤーコン芋を多食すると、腸内環境が激変し、下痢することが多いですが、少しずつ食べる量を増やしていけば、順次、腸内環境が改善されていって、下痢しなくなります。

 本事例については、以上のように理解されるのですが、いかがなものでしょうか。 
 いずれにしましても、ヤーコンは「健康野菜の王様」です。糖尿病の方、糖尿病が心配な方は、少しでも畑があれば、ない方は家庭菜園を借りて、今年こそヤーコン栽培に取り組んでください。栽培法も当ブログで紹介させていただいております。
 なお、糖尿病に関しては、小生の別立てブログ「薬屋のおやじのボヤキ」のカテゴリー「メタボ・糖尿病」の記事をご覧いただけると幸いです。
 また、オリゴ糖の詳細は、同ブログのカテゴリー「整腸&オリゴ糖の働き」を参照ください。

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イモに成り損ねた?ヤーコン芋 [ヤーコンの特性]

(2012年12月11日)
 形はサツマイモのヤーコン芋。サツマイモと同様にふかしてみたらどうなるか。食えたものではありません。芋のようで「イモ」ではないですからね。
 なぜでしょうか。
 それは、ともに炭水化物が主成分なのですが、炭水化物の種類が異なるからです。サツマイモの主成分はデンプンで、通称「イモ」と呼ばれるものは、主成分は皆デンプンです。その「イモ」も様々な種類があり、主なものを例示してみましょう。
 まず、世界生産量のベスト5は次のとおりです。

 1位 ジャガイモ (ナス科)   アンデス原産
 2位 キャッサバ (ユリ科)   ブラジル原産
 3位 サツマイモ (ヒルガオ科) 中南米原産
 4位 タロイモ  (サトイモ科) 熱帯アジア原産、類似品種は世界各地
                 (里芋はタロイモの類似品種で中国原産)
 5位 ヤムイモ (ヤマノイモ科) 熱帯アジア原産、類似品種は世界各地
                 (長芋はヤムイモの類似品種で中国原産)
                 (山芋はヤムイモの類似品種で日本原産)
(注)4位までははっきりしているのですが、5位は小生の推測です。
 以上の「イモ」は、その主成分はどれもがデンプンです。

 日本で栽培されている「イモ」で、これ以外には次のものがあります。
 ・コンニャク芋 (サトイモ科) インドorインドシナ半島原産
 ・キクイモ    (キク科)   北米原産
 ・ホドイモ    (マメ科)    中国・日本原産(栽培種は北米原産)
 ・(ヤーコン芋) (キク科)   アンデス原産

 この中で、主成分がデンプンなのはホドイモだけで、他は主成分が異なります。
 ・コンニャク芋 ブドウ糖とマンノースが概ね2:3の比率で幾つも結合したもの
 ・キクイモ     果糖が幾つも結合したもの
 ・(ヤーコン芋) ブドウ糖と果糖が数個から10個程度結合したもの
 <参考> デンプンはブドウ糖が幾つも結合したもの

 ところで、ここまでに、炭水化物、デンプン、ブドウ糖、果糖、マンノースと糖類の名称を幾つか挙げてきましたが、それらの関係や違いについて簡単に説明しておきましょう。まず、栄養学では、炭水化物を次の2つに分けます。
 ・糖質    ヒトの消化器官で消化できるもの
 ・食物繊維 ヒトの消化器官で消化できないもの

 次に、化学的分類では、炭水化物を消化可能の有無に関係なく、単糖の結合数で分けます。その「単糖」とは何かと言いますと、定義は難しくなりますが、基本的には植物の光合成によって作られるC6H12O6の分子式の有機物で、その構造の違いで何種類にもなります。また、動物がさらにその構造を作り替えもします。

 主な単糖は次のとおりですが、特殊なものも併せて記します。
  ・ブドウ糖   最も一般的なもの
  ・果糖      果物に多く含まれる
  ・ガラクトース 動物によって作り替えられたもの、一部の植物にもあり
  ・マンノース  コンニャクに特有のもの

 単糖が2つ結合すると、様々な2糖類ができ、次のようなものになります。
  ・ブドウ糖+ブドウ糖   麦芽糖 
  ・ブドウ糖+果糖      蔗糖(砂糖) 
  ・ブドウ糖+ガラクトース 乳糖

 単糖が3つ結合した代表的なものは、次のものです。
  ・ブドウ糖+ガラクトース2個  ガラクトオリゴ糖(母乳の1成分)

 単糖が少数(3~10個程度)結合したものを少糖類と言い、通常オリゴ糖と呼ばれ、代表的なものは次のものです。
  ・ブドウ糖と果糖の2種類が結合  フラクトオリゴ糖

 単糖が幾つも結合したものを多糖類といい、次のものがあります。 
  ・ブドウ糖だけが結合      デンプン
  ・果糖だけが結合        イヌリン(キクイモの主成分)
  ・ブドウ糖とマンノースが結合 グルコマンナン(コンニャク芋の主成分)

 さて、「イモ」と呼ばれるものは皆、その主成分が多糖類になっています。
 それに対して、唯一ヤーコン芋は、少糖類(オリゴ糖)を主成分とします。
(なお、ヤーコンのそれ以外の主な成分は、未結合あるいはオリゴ糖が分解して生じたブドウ糖と果糖です。これは、ヤーコンの品種によって差が生じ、甘みの強弱の違いとなって現れます。)
 さて、他の「イモ」が皆、多糖類を作るのに、ヤーコンだけが少糖類(オリゴ糖)を作るのはなぜなのでしょうか。大いなる疑問です。
 これは、どうやらヤーコンは、その進化の過程で、形だけは「イモ」の形状にできたものの、ブドウ糖と果糖をたくさん繋ぎ合わせて不溶性の多糖類を作ろうとしたが、それに失敗し、水溶性の少糖類しか作り得なかったと考えて良さそうです。
 ですから、ヤーコン芋は、通常の「イモ」と違って、食感も料理法も全然違ったものになってしまうのです。生食なら「梨」、てんぷらにすれば「レンコン」、煮込めば「大根」に近いものになってしまうのは、こうしたことが原因しているのです。
 何とも不思議なヤーコン芋です。

 サトイモ科、ヤマノイモ科、ユリ科の植物にあっては、たいていの種(しゅ)が、「イモ」(ユリ科にあってはユリ根)を上手に作れるようで、「イモ」ができる種が多いようなのですが、「イモ」を作るのは例外となるキク科にあっては、キクイモがそれに成功しただけで、基本的に「イモ」づくりが下手なのでしょうね。
 もっとも、ナス科、ヒルガオ科も「イモ」を作るのは例外となりますから、ジャガイモやサツマイモは、かくも立派な「イモ」をよくぞ作ったものだと感心させられます。

 最後に、少糖類と多糖類について、栄養学上の違いを紹介しておきます。
 ・糖質(ヒトの消化器官で消化できるもの)に分類されるもの
   デンプン
 ・食物繊維(ヒトの消化器官で消化できないもの)に分類されるもの
   ガラクトオリゴ糖(母乳の1成分) 
   フラクトオリゴ糖(ヤーコンの主成分)
   イヌリン(キクイモの主成分)
   グルコマンナン(コンニャク芋の主成分)

 食物繊維に分類されるものは、ヒトには消化できないものの、腸内細菌が分解してくれます。ただし、その程度に差があって、イヌリンやグルコマンナンは多糖類であるがゆえに、なかなか容易には分解できないようなのですが、少糖類(オリゴ糖)は比較的容易に分解でき、腸内細菌の餌になって腸内細菌が大増殖しますし、有機酸などに作り替えてヒトに栄養源として供給してくれもします。加えて、大腸内が酸性に傾き、ミネラルがイオン化して吸収されやすくなります。
 いいことづくめの少糖類(オリゴ糖)です。

 その中でも、ブドウ糖と果糖からなるフラクトオリゴ糖は、乳製品摂取の習慣がなかった日本人の体質にぴったりなオリゴ糖と言われています。
 一方のガラクトオリゴ糖は動物の乳由来のものですから、日本人の場合は赤ちゃんを除いて、あまり望ましくないと思われます。と言いますのは、乳製品摂取を1万年以上続けてきた民族にあっては大人も乳糖の消化能力がありますし(日本人にはほとんどない)、ガラクトオリゴ糖を動物の乳から摂り続けてきていますから、体に馴染んでいると考えられるのですが、日本人には馴染みがなく、牛乳が体に悪いことからして、ガラクトオリゴ糖も同様なことが危惧されるからです。
 なお、オリゴ糖は腸内細菌の格好の餌になるのですが、日本人の腸内にいる腸内細菌には、フラクトオリゴ糖の方がよいとの研究報告もあるようです。

 もう一つオリゴ糖の仲間に入るものがあり、それは難消化性デキストリンです。
 デキストリンとは、デンプンを細かく切って少糖類の状態になったもので、これは小腸内で容易にブドウ糖まで消化されるのですが、その結合構造が特殊な形になっている場合は消化不能となり、それを難消化性デキストリンと言います。その働きは、フラクトオリゴ糖と概ね同じと思われますが、腸内細菌にとって、どの程度好まれるか、これについては申し訳ありませんが、小生の不勉強で分かりません。

 いずれにしても、ヤーコンは、芋のようで「イモ」ではなく、不溶性の多糖類づくりに失敗し、水溶性の少糖類(オリゴ糖)しか作り得なかった“不良品”であるのですが、こと現代社会、特に日本人にあっては、その食習慣からして、にわかに“救世主”として登場した“奇跡の健康野菜”と言え、大いに食していただきたいものです。
 そして、ヤーコンづくりが全国津図浦々まで広まってほしいものです。

 ついでに、参考までに、アンデス原産の主要食糧(穀類、芋類、豆類)について紹介しておきましょう。将来有望なものも複数ありそうです。
 それらは全て造山運動によって熱帯の植物が過酷な環境に追いやられた結果、できあがったものと思われます。
 以下、小生の別ブログの記事をご覧ください。
 ⇒世界の食糧難を救った作物はなぜかアンデス生まれ、そしてこれからも。

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ヤーコン栽培の経験:「獲得形質は遺伝する」 [ヤーコンの特性]

(2015年10月13日)
 今、別立てブログで小生が立てた進化論の補強記事を書いているのですが、その中で最も重点を置いている項目は、ラマルクが唱えた「獲得形質遺伝説」です。
 この説は正統進化論学者によって否定されているのですが、この説は正しいと主張される学者が何人かおられ、小生もこれを支持しています。
 その一つの根拠となるのが、ヤーコン栽培から小生が感じ取ったヤーコンの環境適応力のすごさで、このことについては、このブログの「年間スケジュール」の文末で、次のように書きました。
 「ヤーコンはまだまだ原種の力を持っていますから、環境適応力が強く、1年目が失敗に終わっても、その地域の気候と土壌を学習し、2年目、3年目と収穫量が上がってきますから、種芋を保存し、あきらめずに栽培を続けてください。」
 うちのヤーコンの環境適応をもう少し詳しく言いますと、次のようです。
・濃尾平野の奥地という全国有数の夏の猛暑地帯にあり、種芋や苗を購入した初年度は暑さで枯れてしまうものがかなり出るものの、2年、3年経つと、枯れないばかりか、真夏までの生長を自ら鈍らせ、夏が過ぎてからグーンと生長するように変化したこと。(当然に収穫量も2年目は大上昇。3年目以降は3品種とも横ばい)
・店頭に観葉植物として置く鉢植を、畑で作ったヤーコンの種芋で栽培すると、真夏には地温が上がりすぎてしおれてしまうが、この鉢植から採取した種芋で翌年以降も鉢植にすると、しおれにくくなり、耐熱性を獲得すること。
 この環境適応力は、何らかの形で種芋に記憶されている、としか言いようがなく、つまり「獲得形質は遺伝する」と言えるのではなかろうか、と考えられるのです。

 これと同様なことが、繰り返し種取りして栽培する「固定種」についても言えることが、「野口のタネ・野口種苗研究所」のホームページに次のようにあります。
 「地域外から固定種のタネを取り寄せ、栽培開始した初年度はあまりうまく育たないものが多くても、栽培した中でいちばん良くできた野菜から自家採種して、そのタネを翌年まくと、どんどんその土地に適応して、無農薬でも、時には無肥料でも、病気にかからず大きく育つ野菜に変化していきます。固定種のタネは、選抜と自家採種によって、土地に合ったタネを産み、土地がそれをまた新たに育んでくれるのです。」

 小生の経験と野口のタネHPで言っている環境適応力は、進化論に関する学術論文においては、ルイセンコ学説で謳われています。その学説が次のものです。
 「小麦の秋播種に一定の温度処理をして春播すると出穂結実する。これを数年繰り返すと、あとは温度処理をしなくても、春播で出穂結実する。この実験の意味するところは品種の作り替えであり、つまり獲得性遺伝を実証したものである。」

 しかし、ルイセンコ学説は、現在、否定されています。
 その根拠は、幾つかあって「遺伝は生殖細胞のDNAの変異によるしかない」とか、「実験は捏造だ」とか、はたまた「ルイセンコはスターリンの庇護を受けて異論を唱える学者を大粛清した輩だから認められない」といったものですが、これは、ちゃんとした肩書きを持った学者から示されたものです。
 え、え、えっ、???
 どれも的はずれもいいとこです。現実にルイセンコの実証実験に基づき、ロシアそして中国でヤロビ農法が採られた時期があったのですから、なおさらです。
 何だか分かりませんが、ラマルクが唱えた「獲得形質遺伝説」を全否定し、「DNA突然変異説」を絶対視したがるのが正統進化論学者のようです。

 遺伝というものは、DNAだけでは語れない、何か別の仕組みが働いているのであって、間違いなく獲得形質は遺伝する、そうとしか考えられないのですが…。
 小生の進化論の補強記事が壁にぶち当たってなかなか完成せず、コーヒーブレイク的に、このブログで愚痴ってしまいました。読者の皆様、お許しください。

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糖尿病の治療にはお医者さんの薬よりヤーコン葉茶が一番です。 [ヤーコンの特性]

(2016年8月12日)
 ヤーコン葉のお茶はすぐれものです。
 ブドウ糖(デンプンが消化されたもの)であれショ糖(砂糖)であれ、ヤーコン葉の働きで、まずは胃から小腸へゆっくり運ばれ、そして小腸でもゆっくり吸収されることが判明しています。これによって食後過血糖を防いでくれます。
 加えて、ヤーコン葉の何かの成分にインスリン様作用があって膵臓からのインスリン分泌が少なくて済み、膵臓の負担がうーんんと軽くなるのです。

 現在、盛んに使われている糖尿病の治療薬は「弱っている膵臓に鞭打ってインスリンを無理やり分泌させる」のですから、そもそも膵臓が弱っている糖尿病患者の膵臓がますます疲弊し、最後にはインスリンが出なくなり、インスリン注射するしかなくなる危険性があります。
 また、今はあまり使われていませんが、昔よく使われていた糖尿病の治療薬は、でんぷん分解酵素(消化酵素)の働きを阻害するもので、これは多少とも薬の量が多いと消化不良を招き、腹部膨満感・不快感などの副作用がよく現れますし、薬剤の副作用による肝機能障害を起こすこともあります。

 こうしたことからも、糖尿病には、治療薬の1段も2段も上を行く「ヤーコン葉茶」ですから、患者の皆さんは元よりメタボで糖尿病の恐れがある方は、毎日、体にとてもやさしい「ヤーコン葉茶」をお飲みいただきたいものです。
 うちの畑では今ヤーコンが随分と大きくなりました。芋を収穫するのを目的としていますから、葉っぱをもいでお茶にしたことはないですが、2割程度の葉っぱをもいでも芋の収穫量が落ちることはないと聞いています。
 ヤーコンを栽培の方で、周りに糖尿病の方がおいででしたら、ぜひヤーコン葉茶をプレゼントしてあげてください。
 お茶の作り方を知らなくて申し訳ないですが、よく乾燥させてから揉むだけでいいようです。

(備考)「ヤーコン葉の特性」についての詳細は下記をご覧ください。
  小生の店(三宅薬品)のホームページにあります。
  http://ph-miyake.jimdo.com/ヤーコンの魅力/ヤーコン葉の特性/

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ヤーコンに含まれるクロロゲン酸は邪魔者 [ヤーコンの特性]

(2017年5月6日)
 ヤーコンには葉、芋ともにクロロゲン酸がけっこう含まれています。
 クロロゲン酸は、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、コーヒーで有名になりました。コーヒー生豆には100g中なんと5~10gものクロロゲン酸が含まれていることから注目されたのです。
 そして、クロロゲン酸は糖質分解酵素活性を阻害する、ある種の糖尿病薬と同質の効果が知られており、“コーヒーを飲めばダイエットになる”と一時騒がれました。
 しかし、コーヒー生豆を焙煎すれば熱でクロロゲン酸は大半が分解してしまい、コーヒー1杯に残存するクロロゲン酸は200mg程度しか含まれていません。
 たったこれだけのクロロゲン酸で果たして効果があるのか、大いに疑問です。
 このことについては、UCCコーヒーが行った研究があります。
 脱カフェインコーヒー豆抽出物の糖質分解酵素阻害活性とクロロゲン酸類の寄与
 この中で、生コーヒー豆からカフェインを抜いた抽出物(主成分はクロロゲン酸)を500mg/kg摂取すると、はっきりとした食後血糖値抑制作用があることが動物実験からですが判明しました。ただし、その3分の1量(167mg/kg)ですと、ほんのわずかな効果しか出ないことも分かりました。ということは、ヒトにあっては、コーヒーを100杯、200杯と飲まなきゃ効果がないということになります。
 さて、クロロゲン酸は冒頭で言いましたように、ヤーコンには葉、芋ともにけっこう含まれています。芋の場合は100g中200mg程度です。一度に食べられる芋の量は200g程度のものでしょう。クロロゲン酸はコーヒー2杯分といったところです。これでは、糖質分解酵素活性を阻害する力はとてもありません。
 一方、葉にもクロロゲン酸がけっこう含まれているようですが、お茶にして飲んだとしても、葉の重量はしれていますから、クロロゲン酸の効果なしとなります。
 ヤーコン葉のお茶には、普通に飲むだけではっきりとした食後血糖値抑制作用があることが判明しているのですが、その効果がどの物質で出ているのか全く判明していません。幾つかの物質の相乗効果によるものと考えられます。
 また、ヤーコン芋にも同様な作用がありそうですが、これはフラクトオリゴ糖による腸内環境の大改善によるところが大きいと考えられます。

 ところで、ヤーコン芋のクロロゲン酸は、逆に困り者です。クロロゲン酸はけっこう多くの野菜や果物に抗酸化物質として含まれているのですが、皮をむいたり切ったりすると黒ずんできます。酸素に触れて変色するのです。リンゴがそうです。
 通常の野菜や果物にはヤーコン芋の10分の1程度しかクロロゲン酸が含まれていませんから、さほどどってことないですが、ヤーコン芋と同等量含まれているのがゴボウです。よって、ゴボウは黒ずまないよう、水にさらすのが普通です。
 ヤーコン芋も調理によっては、水にさらす必要があります。ただし、芋を水にさらし過ぎると、水溶性のフラクトオリゴ糖が溶け出しますから、もったいないです。
 なお、サラダにして召し上がる場合、リンゴと同様にレモン汁などの酸を薄くのばしてかけてやれば黒ずみを防げますから、サラダにはレモン汁は必須でしょうね。
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私とヤーコンとの出会い [ ヤーコンの普及]

(2010年11月5日)
 小生は、今、薬店を経営しています。ヤーコンとの最初の出会いは、全薬工業さんが発売された健康茶「ヤーコン」です。当店でもそれを販売し、ヤーコンの葉っぱが糖尿病にとても良いことを実感しました。
 そして、平成9年に全薬工業の社員さんからヤーコンの苗を3株いただき、ヤーコン芋が腸内環境改善にとても良いことも知りました。つまるところ、お通じがとても良くなるのです。
 また、平成11年に同社から書籍「奇跡の健康野菜 ヤーコン」(監修 月橋輝男 茨城大学農学部教授、取材協力 渡辺最昭さん 廣済堂出版)もいただきました。
 これを契機に、ヤーコンを本格的に栽培しようと考えました。

 幸い、約40年前までは専業農家でしたので、今でも畑は十分過ぎるほどにあります。小生のおふくろが熱心にヤーコン栽培に取り組んでくれ、平成12年秋には、おふくろ(当時82歳)が、何と「先進地視察をしなあかんわ、探し出して連れて行け。」と、申すものですから、先の書籍から、三井ヘルプ株式会社社長の渡辺最昭さんを知り、はるばる岐阜から山口県光市を訪ね、渡辺さんから栽培ノウハウをご伝授いただきました。
 その後も、渡辺様からは、お手紙などで栽培の留意点などを教えていただいています。昨今は、三井ヘルプさんのホームページ「ヤーコンドットコム」の社長日記で、時々栽培のノウハウが紹介されますので、それを覗いて参考にさせて頂いています。この場を借りて、改めて、渡辺さんには深く感謝申し上げます。

 毎年、うちの作付け面積は、約100平方メートルと小規模ですが、薬屋稼業のかたわら、ヤーコン栽培を楽しませていただいており、これは小生の生き甲斐にもなっています。
 うちで栽培していたヤーコンは、当初は在来種でしたが、平成18年からは、新品種「アンデスの雪」に切り替えました。まだまだ、十分に普及していないようですが、「アンデスの雪」は、素晴らしいです。在来種で栽培されている方は、切り替えをおすすめします。
 比較実験しましたが、収穫量が5割程度多いですし、なんと言っても「ひび割れ」がほとんど無く、商品価値が高まりますし、何よりも調理がし易いと女房が喜んでいます。
 なお、味の方は一長一短があり、在来種も捨てがたいところがあります。

 ヤーコンは、新品種と言えども、原種のたくましさを持っていまして、環境適応力がかなりあるのを実感しています。赤道直下のアンデスの高地にしか自生していない種ですから、年中涼しいところが適地になり、日本では、中山間地が良いようで、うだるような暑さに見舞われる当地、濃尾平野は、あまり条件が良くないようです。
 でも、最初の夏は、ぐったりとし、とろけて死んでしまいそうになったのですが、3年もすると、猛暑に耐えてくれるようになりました。芋の収穫量も、年々増えてきます。
 問題は、冬の寒さです。日本の冬は厳しすぎると、ヤーコンが悲鳴を上げています。もっとも、それまでには、芋が十分に成長しきっていますし、種芋が雨や雪でしみないように管理してやれば良いです。
 環境適応力につては、折を見てご紹介することにします。

 ヤーコン芋は、通信販売か、道の駅あたりでしか手に入らないのが現状ですが、「アンデスの雪」の栽培が普及して行けば、市場にも出回るようになるのではないかと、期待しているところです。
 なお、道の駅や野菜の産地直売場にヤーコン芋が置いてなかったら、大きな声で、「ヤーコン芋、ないの!」と叫んで下さい。そうすれば、多くの販売者や生産者の耳に入り、自家用にしかならないと思っていた生産者が、出品してくれるようになります。対面販売の良さがここにあります。
 濃尾平野のあちこちで、小生が苗を差し上げた「アンデスの雪」が栽培されていますから、ひょっとしたら、あまりヤーコン栽培が進んでいない濃尾平野の道の駅でも、ヤーコン芋を出品してくれるようになるかも。

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ヤーコン博士にお出でいただく [ ヤーコンの普及]

(2011年5月18日)
 5月17日、山口県から、はるばる当地岐阜へ、北陸と滋賀県のヤーコン栽培地の視察のついでとはいえ、ヤーコン博士にお出でいただきました。

 ヤーコン加工食品のトップメーカー、三井ヘルプ㈱渡辺社長さんです。なお、ご自身も、大規模なヤーコン栽培に長く取り組んでおられます。

 午後4時に、渡辺御夫妻に当店(薬屋)へお出でいただき、10時までの6時間、途中でうちの畑を見ていただきながら、懇談させていただきました。

 博士が、ゼロから始められたヤーコン栽培。一切の文献がない中で、手探りの栽培そして加工、製品化。並々ならぬ苦労をされて、やっと今日、どれだけか加工食品の商品化を軌道に乗せることができたといった、お話をお聞きしながら、小生の取り組み状況などを報告し、日本のヤーコン栽培がもっともっと広まるには、どうしたら良いだろうと、情報交換させていただきました。

 ヤーコン博士と小生の出会いは11年前。ヤーコンに惚れこんだ小生のおふくろが、先進地を視察して栽培法を勉強したいと言うものですから、当時、山口県のヤーコン協同組合代表理事をやっておられた渡辺さんを知り、遠路2人で押しかけ、長時間にわたり、栽培ノウハウをご伝授いただいたのが最初です。

 その後は、お会いする機会がなく、電話や手紙、ブログへの投稿で、ご指導いただいたり、情報交換していました。

 一度お会いしたいなあ、という思いが強まっていたところ、タイミング良く、ご訪問いただけることになり、天にも昇る嬉しさでいっぱい。そんなことから、長旅でお疲れのところ、長時間引止めてしまい、申し訳なく思っています。

 さて、共通の課題となっているヤーコン栽培の普及。新品種「アンデスの雪」の登場により、放っておいても大きく広まると期待していたものの、さにあらず。

 在来種に比べ、ひび割れがうんと少なく、収量も多い。これによって、見た目にも良くなり、調理しやすい。また、加工での歩留まりもアップする。

 しかし、どうやら期待していたようには進んでいないようです。

 オリゴ糖高含有で整腸効果が高いという“健康”だけを売り物にしていては、限界がありそう。ジャガイモにはジャガイモならではの美味しい料理があるように、ヤーコン芋ならではの美味しい料理、これを発掘しなければ、大きく普及しない。

 さて、どんな料理があるか。

 小生は、“おでん”の具として大根に勝るヤーコン芋と考えるし、ヤーコン芋だけを水煮してフカひれスープを混ぜた“ふろふきヤーコン”が美味いと考える。

 つまり、ヤーコン芋は“アンデス大根”とPRすれば普及すると思うのだが・・・

 次に、加工食品。その道のプロに言わせると、ヤーコンの姿が分かると良いとのこと。だったら、タクワンと同様な姿の漬物を作っては・・・

 いずれにしても、毎日とは言わないものの、頻繁に結構な量を口にすることができるものでないと大量消費につながらない。たくさん食べてもらえることによって、はじめて普及するのでは・・・

 などなど、話は尽きず、アイデア倒れにならないよう、根気良く啓蒙活動を続けねばならないという結論めいたものになりました。

 なお、大量消費の横綱は、糖尿病を大改善された方で、1回に200キロの注文を定期的になさる。ヤーコン芋以外に何も食べないのではと疑いたくなるほどの量。

 “健康に良い”を一歩進めて、“糖尿病治療”のPRも、これからの検討課題・・・

 ヤーコンの魅力に取り付かれた、ヤーコン博士と小生です。話は尽きず、またの再会を願いつつ、別れを惜しんだところです。

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